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西の子小説集

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#小説

麻美先輩留学おめでとう小説

麻美先輩、留学決まっておめでとうございます。私より年上の人が中途半端な時期に留学するのは…

西の子
3か月前
3

通学輪廻

 食パンを齧って、あの曲がり角を右に行けば少女が青年に出会うように、私もあの人に会えるの…

西の子
4年前
5

平成死亡遊戯

卒業論文を書かなくてはいけない。この4年間が泡となる。 気合を入れるべく窓を開ける。暖房…

西の子
4年前
4

神様の冠婚葬祭ライブ!

かつて、神様は森羅万象のドパミンを司る勇猛な実力者だった。しかし、どこでどう間違えたか、…

西の子
3年前

赤VS緑

「苺児ちゃん、出番だよ」 スタッフの女の子に言われて、無理矢理やる気を出していく。これか…

西の子
2年前

水玉病(二次創作)

トイレの前でさめざめと泣く私はカットケーキを握りつぶしてこれでもかと喉へ詰め込んだ。麦茶…

100
西の子
2年前

リビングリビールビルドリビドー

夢に男が出てきたとする。その男は私でオナニーしているに違いない。そう気づいたのは保健体育の授業のことだった。私が小6でたどり着いた性知識をおさらいした。そこで思うに精子ひとつひとつが生命だとしたら、自慰の時に生まれた命は無駄にならないとしたら、どこで精子たちが報われるのだろう。古典の授業で「平安時代では夢に想い人が現れると両想いを確信するものだった」と教えてもらった。どうやって夢として思いを伝えるかといったらオナニーでしかあり得ない。オナニーによって行動に表すことで風が吹き

¥1,500

親不孝通りで君を捨てる

「なあ、美幸。お前は幸せか」 「うんー」  愚問であった。こいつは今となってはもう幼児み…

西の子
1年前
1

吃音姫

 ここは日本海のとある場所。実は人魚たちが住む人魚の国なのです。人魚たちにはたくさんの掟…

西の子
1年前
3

原田高校生徒会長森永大樹

 原始の記憶は、僕が三歳のころ。サイゼリヤに連れて行って貰った時、すごく感動して、なにか…

西の子
1年前
3

もしやこれはロマンチックのしっぽ

 阪急を通ると必ず、ここで服を買うことはないという現実が突きつけられていく。香水なんて誰…

西の子
6か月前

これからがんばります

 付き合っている女の子がいる。その子は僕と同じ年だが、留年した僕と違って働いている。とて…

西の子
6か月前
2

処女の奇妙な冒険

 油性のマーカーで塗りつぶした黒い空。その中に空本来の青の絵の具が割って入りこんでいるは…

西の子
6か月前
4

「shangri-la」

僕は吃音で会話が成立しない。ので、ナンパができない。インターネットで誰かと出会ったとしても、きっと言葉によって僕が安全であることを証明する熱意が伝わらないだろう。僕はセックスがしたくてしたくてしょうがない。そこで、ラブドールを購入した。 両親が外出中に宅配してもらい、貯めたお小遣いをはたいて、空気達磨を迎えた。博多駅にあるショールームで品定めして、ネットで最終的に決断したため返品するわけがない。名前はりりと言うそうだが、僕は好きな女優にあやかって「ななみ」と名付けた。ななみ