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2:企業とは何か

企業とは何でしょうか。ドラッカー先生は極めて論理的に企業について説明しています。過去に読み解いたドラッカーの考えについて要点をまとめてみました。

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2−1:企業=営利組織ではない

「金儲け=悪いもの」という固定観念を持っている人がいます。歴史やアニメの影響もあるのでしょう。金持ちに良い印象を抱く人はあまり多くありません。ですが金を稼ぐことをドラッカーは否定していません。

実は、企業が利益を出せば出すほど私たちの生活はより豊かになるからです。

例えば、ユニクロは着心地の良い服を安価で提供してくれることで我々は日々をより快適に過ごすことができます。また、JRがより効率的に電車を走らせることで私たちは予定通りの行動を取ることができます。企業が利益を得ることは我々の生活の質に影響するのです。

そして、企業はそもそも利益を求めて設計されていません。ユニクロが金儲けのために高いお金を支払い、有名デザイナーとのコラボ品を提供しているでしょうか。JRが金儲けのために新幹線の本数を調整しているでしょうか。違います。

では、企業の目的とは何でしょうか。

2−2:企業の目的

企業の目的は顧客を創造することです。

より多くの顧客に自社の製品やサービスを利用してもらうことが目的です。
そして、そのためには顧客の欲求を満たさなくてはいけません。

企業は顧客の欲求を満たそうとして行動するため、企業は顧客によって決まります。顧客の欲求を満たすための機能としてマーケティングとイノベーションが存在しています。

2−3:マーケティング

マーケティングとは、顧客の求めるものを理解することです。
顧客が何を求めて、何に価値を感じているのか、顧客の立場から考えることです。

よくマーケティング活動と言うと、「自社の製品を売るターゲットはどこか?」「自社の製品がどうすればもっと売れるのか?」と自社製品ありきで考えてしまいがちです。でもこれは発想が逆です。

正しくは、顧客が求めるものを自社の製品が満たすことができるのか?と言う顧客視点から考えなくてはいけません。

2−4:イノベーション

イノベーションとは、顧客の欲求を満たすために自社の製品やサービスを変化させることです。

我々の生活する資本主義社会では、顧客の欲求は時の流れと共に変化していきます。顧客の欲求が変化するため、それに合わせて企業も変化していかなければいけません。

イノベーションの活動は広範囲に及びます。既存の製品の新しい用途を見つけたり、サービスを提供する場所を変えたり、流通システムを見直したりなどなど。

マーケティングによって顧客の欲求を理解して、イノベーションによってその欲求を満たすことが大切です。

2−5:生産性に影響を与える要因

マーケティングとイノベーションを実行するために、資源を生産的に活用しなくてはいけません。そのためには生産性を意識することが重要です。

生産性は労働だけでなく、より広範囲におよびます。ドラッカーは6つの要素を取り上げました。①知識 ②時間 ③製品の組み合わせ ④プロセスの組み合わせ ⑤自らの強み ⑥組織構造の適切さと活動間のバランス の6つです。

生産性を意識してマーケティングとイノベーションを行うことが顧客の創造につながるんですね。

2−6:利益の持つ機能とは何か

利益とは、結果として手に入るものです。マーケティングにより顧客の欲求を理解する、イノベーションによりその欲求に合わせて企業を変化させる、生産性を意識してそれらを行う、その結果として利益が手に入ります。

そのため、利益は企業の取り組みが顧客の欲求をいかに満たせたのかを測る指標にもなります。より多くの顧客の欲求を満たすことができれば、より多くの利益を得られます。逆に顧客の欲求を満たせなければ、利益は少ないです。

利益は企業努力の結果なんですね、

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企業とは何でしょうか?

企業とは、顧客を創造することを目的に、マーケティングとイノベーションを生産的に行い、その結果として利益を得る組織のことです。

重要なのは、企業は決して金儲けのための組織ではないと言うことです。
顧客の欲求を満たすために生まれた組織なんですね。

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