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スポーツの意味を再考する

理学療法士でスポーツトレーナーである私は仕事柄様々なスポーツ選手やスポーツチームに関わります。レベルは初心者から日本代表レベルまで様々ですが、それぞれのレベルに応じて選手自身の身体の故障や、チームレベルでは運営の問題などに直面することがあります。その時々でその問題の生じた根本的な原因と解決策を考えるのですが、どこかでスポーツ本来の意味を見直す必要が出てくることがしばしばあります。今回は根本的なスポーツの意味について再考してみようと思います。

スポーツの起源

時は人が主として狩猟によって暮らしていた時代にさかのぼります。野山を駆けまわり、石を投げ、動物と格闘して日々の糧かてを得るような生活をしていました。やがてヤリや弓矢といった道具が狩猟に用いられるようになります。これらのひとつひとつが身体活動であり、狩りの合間の余暇にはその技を誇り、競い合っていたようです。スポーツの起源はここにあります。これら身体活動が整備され、やがて古代オリンピックの実施競技としてまとめられていきます。
※以下参考ホームページ

スポーツの位置付け

スポーツの位置付けに関しては競技レベルによっても異なりますが一般的なものを挙げてみようと思います。

「陸上競技、野球、テニス、水泳、ボートレースなどから登山、狩猟にいたるまで、遊戯・競争・肉体的鍛練の要素を含む身体運動の総称」(広辞苑第六版)
「余暇活動・競技・体力づくりとして行う身体運動。陸上競技・水泳・各種球技・スキー・スケート・登山などの総称」(大辞林第三版)

辞典による定義としては以上のような形ですが、これらの共通点としてはスポーツ=遊戯・余暇という点です。競技においては競争や肉体的鍛錬の要素が強くなりますが広くスポーツを見てみるとそれを仕事として行う人は稀であり、やはり娯楽的要素が強いと思われます。ここがスポーツに関わる仕事をする上で再確認が必要となる点であります。

スポーツの意味

そして最後に本コラムのタイトルにもなっているスポーツの意味ですが、これはやはりスポーツを仕事として行っているか、そうではないかによって大きく異ると思われます。スポーツを仕事として行っていて結果によって収入が変化するなどの場合はやはり身体の故障などがあってもなんとか競技を続ける方法を考える必要が出てきますが、そうではない場合はスポーツは娯楽であり体を壊してまで続ける必要性はないであろう、という立場に立って今後の方法を考えることが多くなります。

これからのスポーツ

本年2020年は東京においてオリンピック・パラリンピックが行われるということもあって国全体でスポーツ熱が増している印象を受けます。アスリートがこれまで培った能力を発揮して勝利を目指す姿を見るとやはり心が熱くなるとともに美しく見え、アートの要素もあるように感じます。そして医療系職種としてスポーツに関わる身としてはアスリートの方にはぜひ自分の体は大切にしつつ、人間としての可能性に挑戦して欲しいものです。

近年はスポーツの幅も広がってきてeスポーツと呼ばれるジャンルも広がっています。まだまだブラック企業といわれるような組織も存在はしていますが、科学技術が発展してきている現代において人が働かなくてはならない時間はどんどん減っていき余暇の時間が増えていくことが予想されます。そこで力を発揮するのがスポーツだと思います。余暇・娯楽として好きなスポーツを行う中で人と交流し、体を健康し、長い人生を楽しんでもらえる方が増えるといいですね。

今回はスポーツの意味を再考してみました。人それぞれスポーツを娯楽として楽しむもよし、自分の可能性を信じて高みを目指すのもよし。現在も世の中に多く存在し、今後も新しく増えるであろうスポーツコミュニティが健全に運営されるお手伝いをこのコラムを通してできたらと思うので、これからどうぞよろしくお願い致します。

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医療国家資格を持ち、株式会社も経営する筆者の視点から多くのスポーツ関係者に役立つ情報を提供します。

理学療法士、JSPOアスレティックトレーナーとして今まで多くのスポーツ選手やスポーツクラブに関わってきましたが、継続して関わる中で選手は怪…

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