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パラリアの二次会_第17夜の解説

おはようございます。今回は第17夜の解説です。

音声はこちら。

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【内容の紹介】

前半は「コンセプチュアル・スキル」なるものの話をしています。コンセプチュアル・スキルというのは、概念化能力と訳されるもので、概念を利用する能力を指します。例えば、「あの問題とこの問題は数列と二次関数で違う問題に見えるが、両方とも解と係数の関係がポイントになっている」などと、概念(この場合は「解と係数の関係」)を軸にして問題同士の繋がりを見つけたり、逆に違いをはっきしさせたりする能力です。

コンセプチュアル・スキルの目的は、スペシフィックなもの(特定のもの)同士を繋ぐことです。問題集でいくら事柄を理解しても、その知識と模試や本番で出てきた問題とを結びつけられなければ合格できません。「丸暗記ではいけない」というのは、このことを指します。ただし、コンセプチュアル・スキルがあれば、「これができればこっちの問題も解ける」というように、絶対に覚えなくてはいけないものを選別でき、覚えることを減らせるため、丸暗記の助けになります。

後半では、最近「やばい」など、内容が広すぎる概念を使いがちなのかを考えます。一つには、SNSでは共感されることが重要になるので、あまり内容を絞ってしまうと見る者の共感を誘えない点や、文字数制限があるので、細かく描写できないという点が挙げられていました。


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【用語解説】


3分「小熊さんの『この社会の仕組み』」
社会学者・小熊英二の著書『日本社会のしくみ』のことか。


16分「コンセプチュアル・スキル」
「概念を利用する能力」のこと。具体的には、特定のもの同士(例えば、小屋の前に繋がれている茶色い動物と、女の子が抱えている白い毛むくじゃらの動物)の繋がりを、ある概念(犬)を用いて見つけ、整理する(どちらも同じ種類だが、原産地が違う、など)能力など。
詳細はこの記事の「内容の紹介」を参照。

23分「必要条件であって十分条件でない」
必要条件は、それを満たしていないといけない条件のこと。例えば、「人である」ためには、動物でなければならないので、「動物である」ことは、「人である」ことの必要条件である。

十分条件は、ある結果を導く際に、その条件を満たしていれば十分であるような条件ということ。例えば、会社員であれば必ず人であると言えるので、「会社員である」ことは、「人である」ことの十分条件である。

つまり、「必要条件であって十分条件ではない」というのは、上の必要条件の例でいえば、「動物でなければ人とはいえないが、動物だからといって人であるとはいえない(例えば、ミドリムシでもあり得る)」という状態のこと。

33分「やばい」
度合いが極端な物事を指す言葉。古文単語にも「すごし」のように、「ゾッとするほど悪い」と「ゾッとするほど素晴らしい」の両方の意味があるものがあるなど、こういう言葉があること自体は珍しくはない。

38分「エモいは相対的には意味がある」
「エモい」は「エモーショナルである」、つまり「感情を揺さぶられる」という意味なので、度合いの極端さだけを示す「やばい」に比較して意味はあるということ。
なお、「エモい」や「スマホ」など、多くのカタカナ略語は、「エモーション(エモーショナル)」や「スマート・フォン」という省略前の言葉が持っていた意味が残っておらず、単なる記号となっている。それこそ概念がない言葉であるから、こちらもやはり教育上極めて有害だと言える。



以上になります。ご覧いただきありがとうございました。

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