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パラリアの二次会_第1夜の解説など


おはようございます。今週から、パラリアの二次会で出てきた難しそうな単語や、引っかかりそうな話の解説をしていきます。この記事を書いているのは話しているメンバーと別の人なので、用語を解説しながらも、一歩引いてコメントしたり、補足できたりすればいいですね。一度聞いた方もこれからの方も、聴きながらご覧になってくだされば、と思います。

また、「これがわからない」「ここは違うんじゃないのか」「これだけは言わせてほしい」というのがありましたら、当記事のコメント欄からお知らせください。参考にさせていただき、(質問の場合は)次回お答えする予定でいます。


元の音声はこちらです。

【内容】

教育とは何かを考えるにあたって、何を教えるかではなく、問題解決の仕方(例えば、PDCAサイクル)を教え、難しいところは教師が補助しながら、実践するのが教育ではないかという話になった。

その後、あるべき人間像を想定することの危険や、「万人に、いつの時代でも共通して教えるべきことがある」という考えへの嫌悪感が表明された。

また、教育をしつけとケアとの対比で考えようという話がされた。この話は第二回で発展することになる(しつけやケアの意味についてはこちらにある要約をご覧ください)。


・「PDCAサイクル」1分ごろ
経営用語で、Plan(計画)→Do(実行)→Check(評価)→Action(改善)を繰り返し行うこと。つまり、計画を立てて実行し、そこで出た問題を分析し、改善する、また計画を立てて……と繰り返すこと。

PDCAサイクルだと、現状の分析をして、それをもとに計画を立て、実行して……となるはずが、現代社会は状況の変化が著しく、サイクルが一周する前に計画が崩れるということも少なくない。発祥の地である経営ではこういった様々な問題が噴出しており、新しいモデルが試行錯誤されている様子。



・「(教育において)あるべき人間像を想定したくない」3分ごろ
ここでは「こういう生き方をすべき」と特定の価値観を押し付けずに、各々の願望や決断を尊重する考え方をとっている。いわゆる、「リベラル」な考え方。

ただし、後の方でも言及されるように、教育で全く価値観を提示されなかったとすると、自立ができず勝手気ままな決断しか頼りにするものがなくなり、かえって不自由になるのではないかという問題がある。

また、政治的・社会的にも、(特に公立学校での)歴史や公民の教育に関しても価値観から全く自由でいいのかなど、いくらか考えるべきことがあるように思える。この点について関心のある方は、レジス・ドゥブレが教育について(も)語っている著作()が刺激的です。



・「ヒエラルキー」6分ごろ
上下関係によって、ピラミッド型になった組織体系。



・「教養主義」8〜9分ごろ
ここで言われているのは、「誰もが知るべき知識というものがあり、それを疑うことなく信じ込む姿勢」のようなもの。

教養主義の定義の仕方もいろいろある。公正のためもう少し肯定的なものを紹介すると、儲けのために利用されるような技術・科学ではなく、文学や哲学などを通じて人間的になろうとする思想。



・「ケア」10分ごろから
気遣いや、世話をすること。ケアとしつけとの対比で「教育とは何か」を考えられないか、というのがここからの話の主旋律。



・「誰がために法は生まれた」27分ごろから
この本。「人文界隈でバカ売れ」した結果、紀伊國屋じんぶん大賞2019を受賞した。


音声では「こっちの水はあーまいぞ」の話は「あとがき」にあると言っているが、正しくは第5章の終盤。

なお、この箇所はギリシア・ローマの流れを汲む思考の伝統について語っている箇所なので、教える事柄の性質上、説得という方法で伝えないと意味がないと書いているようにも見える。そのため、音声のように「勉強すべきだと説得できるとは思っていない」と勉強一般に広げても同じことが言えるかは(少なくともこの本の解釈としては)疑問がある。



・「関係性」34分ごろ
「関係」とほぼ同じ意味。



・「契機」37分ごろ
原因・きっかけのこと。



・「プラトン」41分ごろ
古代ギリシアの哲学者。評価は様々だが、数多くの重要な問いを立てた人物。



・「普遍的」48分ごろ
いつの時代、どこでも、すべてに当てはまっている、ということ。



今回は以上になります、いかがだったでしょうか。最初に書きましたが、「これがよくわからない!」というものがありましたら、コメントください。今日も一日おつかれさまでした。


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