マガジンのカバー画像

tanka

3
めとせらの短歌まとめです
運営しているクリエイター

記事一覧

I don't know.|短歌

I don't know.|短歌

もしもし。あなたのことをしっかりと愛していたかもうわからない。

ぼくたちを海まではこんだ終電の蛍光灯はなぜかかなしい

ありがとう、僕は元気にやってます。たまにサイコパスぶってます。

もう死んだだろうね猫は足跡を遺してぼくに「海を見なさい」

風が吹く。頭が良いんだ、と思う。僕は、僕は、と、繰り返して死

嫌だなあ自信がなくてカフェインに頼って起きても朝は夜だし

もうダメと思ってからが本番よ

もっとみる
なんでもないただの人生|短歌

なんでもないただの人生|短歌

公園のいちばん高いところから「人はだれでも子どもだった」と

ふわふわの白い毛布にくるまれて私が私じゃなかったのなら

菓子パンを愛する人の幸せをお前が否定しても意味無い

地下鉄のエスカレーター暗闇に飲み込まれてく ぼくらまるごと

笑うとき嫌味たらしく光る銀歯のことばかり考えている

砂の城こわして踏んだ君の眼(め)を見つめる同い年のガキ

雨のなか傘を差さない逆張りをあなただけには見透かされ

もっとみる
恋と憧れ|短歌

恋と憧れ|短歌

なんつーか、恋より月だね。見上げればあなたがくれた欠けた灰色

君の名を私の好きな本屋にて見かけるたびに好きが滲むよ

手を握れなくても髪を触れなくても。そこにいるだけでいいよ。

文明はぼくらがLINEするために栄えたんだね、おやすみなさい

誰も見ていなかったとしても君は星だよ
(iPhoneから送信)

明日(あす)の朝起きたら恋が途切れてて君を忘れて朝ごはんかも

もし僕が大工だったら絶対

もっとみる