なんでもないただの人生|短歌
公園のいちばん高いところから「人はだれでも子どもだった」と
ふわふわの白い毛布にくるまれて私が私じゃなかったのなら
菓子パンを愛する人の幸せをお前が否定しても意味無い
地下鉄のエスカレーター暗闇に飲み込まれてく ぼくらまるごと
笑うとき嫌味たらしく光る銀歯のことばかり考えている
砂の城こわして踏んだ君の眼(め)を見つめる同い年のガキ
雨のなか傘を差さない逆張りをあなただけには見透かされたい
ピラミッド登るまえから知っていたあなたのなかの真のエジプト
生きたことない人生を想っても君も私を生きたことない
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