"アートシンキング "と原体験の足し算・引き算

今回のnoteは前回のノートの続きで、アートシンキングの方程式
「イノベーション=チームビルディング×オリジン」
の最後の要素である
"オリジン"について説明して行く。

最近、ビジネスシーンでは、"心理的安全性"と"原体験"という言葉が、互いに近い要素を含むバズワードとなっている。心理的安全性についてはイノベーションを目標とした際に、チームビルディングというステップが欠かせないからであるという事を、昨日の記事で説明した。

では、原体験は何故、今バズワードなのか。それは、時代がオリジナリティのあるものを求めているからである。原体験を英語に直すと、”オリジン”ーつまり起源・発端・始まりという意味になる。それは、あなたから始まるもの、という主体的な物語を求めているからである。コピーではなく、今この瞬間に唯一無二のものが存在しているという奇跡が、大切なのだ。だから、モノ・コトの消費から、トキの消費がされる時代が訪れている。

オリジンについて深く見て行く作業は、以前の記事で少しだけ説明したが、実は日本人は得意だ。それは、就職活動という足並みを揃えて、ゼロベースで将来を決めて行くタイミングに、ある程度の人生の棚卸しをする人が多いからだ。しかし、就職活動や結婚・転職など、転機で行う自己分析は、自分一代で終わっているケースがあり、オリジンと呼ぶにはもう一歩である。良くも悪くも、両親が祖父母に育てられる中で形成された彼らにとって"当たり前"の価値観をベースのルールとして、自分たちの人生をスタートさせている。だから、親の価値観を観察して行くことは、オリジン考察へ深みを増す為に欠かせない観点だ。これが、"オリジンの足し算"だ。

次に、"オリジンの引き算"に関して、両親から色濃く影響を受けた価値観をベースルールとしたことで、本来の自分の価値観とすり合っていない部分がないかを確認し、取り除いて行くことも大切だ。具体的に、どんな例があるかを見ていこう。

保守的なAさんがいたとする。Aさんのご両親は、2人とも地方の出身で、自分が想像できないことはリスクを検討し、踏み込まないという特性を持っていたとする。そんな両親の価値観を自分の価値観だと思っているAさんは、地元の高校に進学し、実家から通える大学へ進学した。大学一年生の夏休み、仲良くなったサークルの先輩に誘われ、ヨーロッパへバックパッカーをしに行く。すると、自分が知らない世界へ踏み込むことで好奇心が満たされるワクワクを感じた。

このストーリーを通じて、Aさんは、未知なることへの探究心という、自分の価値観を発見する。これまでは、保守的な価値観だと思っていたが、実はそれは、両親の影響を色濃く受けたダミーな価値観だったのだ。


このように、自分の本当のオリジンを見つける為には
 ①一代以上の時間軸
 ②ダミーな価値観の排除
を行う必要がある。

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