人は怠惰を求めることが当たり前
こんにちは。
引っ越し中にnoteに書きたいこと結構浮かんでたんですけど、今になると全然書けません。笑
テーマだけメモってはいたんですが、そのテーマが浮かんだ背景・文脈と具体例を抑えておかないと、後から書くことは難しいんですね。
「鉄は熱いうちに打て」とはよく言ったものです。
今回は、思考停止させる優しい世の中について書いてみます。
現在世の中に出回っているサービスやモノは優しいです。
そもそも優しくないと生き残れないのですが。笑
店頭に行かなくてもモノが買え、複雑で面倒くさい操作が必要なものは淘汰されます。
この文脈での優しさは便利と置き換えることができますね。
そして便利とは、人を怠惰にさせることです。
個人的には、「便利」よりも「人を怠惰にさせること」の方が本質的な目的に近い表現だと思うので、「怠惰」という単語を使っていきます。
たくさんの機能を盛り込んで「便利」にした結果、ボタンが増え使いにくくなったりしては本末転倒ですから。
怠惰とは
・効率的
・判断しなくて良い
・より簡単な動作で事足りる
・肉体的に辛くない
・分かり易い
・考えなくて良い
重複するところもありますが、こんな感じでしょうか。
言わずもがな、ビジネスにおいて「いかに人を怠惰にさせることが出来るのか」がカギになっています。
そもそも人(生き物全般)はできるだけエネルギーを使うことは避けますから、頑張らない方が自然です。
だから、さらなる怠惰を促すサービスが受け入れられるのは当たりまえのことです。
○怠惰を作る仕組み
無意識に流しがちですが、スマホなどを触ってるだけで感じるものがあります。
・ワンクリック注文
・入力したものを記憶する
・予測変換
・通知
・バーコード決算
キリがないですね。
今の人が20年前に飛ばされたら、かなり苦痛を感じるのではないでしょうか。
スマホに限らず、人間の怠惰さに寄り添って技術は受け入れられました。
電卓よりもエクセル、徒歩より自転車、泳ぐよりも船、現金ではなくキャッシュレス。
両者を扱う技術がある前提で、操作の面倒な方を選ぶ人は、オタク的な人に限るように思います。
また、テクノロジーに限らず面倒なものを代わりにやるようなサービスは、ビジネスとして成立します。
スーパーマーケットや、代行業者とか仲介業者がその例です。
スーパーが無ければ、直接生産者との取引に行かないといけませんし、まとめていろんなものを買うこともできなくなります。
不動産仲介の人(サービス)を頼らなければ、一軒一軒物件の管理会社をまわる必要があるかもしれません。
人間の怠惰に寄り添ったものはかなり強烈な魅力がありそうです。
また、怠惰さを拡張して考えると、「手になじむかどうか、感覚的に使えるか」みたいな話も出てきます。
例えば、マイクロソフトのエクセルやワード、パワーポイントなどは感覚的に操作しやすく作られているように思います。
ドラッグ&ドロップすることで大抵対象物を移動できますよね。
他にやりたい操作あれば、「その操作が含まれていそうな項目を上のメニューから探す」ということを行えばよいとは、見た感じで分かりますよね。
極端な話、雑に当該箇所を右クリックしてみたら、わりとなんでもできますよね。
総括したらUXデザインの話になりそうです。
マイクロソフトを例にしましたが、他の製品もこういう感じになっているように思います。
感覚的に使えるかどうかとは別軸で、「最初に出てきた偉大な製品がルールとなって、その後の製品や使い手に影響を与えていく」という話もありそうですが。
「人々に感覚を植え付ける」みたいなことです。
○なぜ日本のIT化は遅れているのか
怠惰ってかなり書いてきましたが、この言葉ネガティブな印象しか生みませんよね。悪いことなんでしょうか。
怠けることを前提とした社会が出来上がると困ることは当然増えますが、ただ苦労すれば良いというわけではありません。
効率的なものを排除する思考になるからです。
「日本のIT化は遅れている」といろんなところで目にしますが、これは日本人に強い性質と言われる「苦労や努力を美徳とする意識」がつながっているように思います。
IT化(そもそも人類の発明の大部分)は本来、人が怠惰にすることを許す手段のはずです。
煩雑で膨大な量の計算だったり、圧倒的スピードでの情報伝達だったりと、手動でやるにはあまりにも骨の折れる作業が、IT化によってかなり楽になりました。
IT化によって著しく生産性が上がったことは間違いないはずです。
雑に言うと、
IT化=頑張らないための進歩
といっても良い気がします。
だから、「苦労」に重点を置く日本はIT化やDXと相性が悪いように思うんです。
この前ツイッターで見てびっくりしましたが、テレワーク中の画面をランダムに上司に送るようなシステムが開発されたみたいです。
「成果」よりも「頑張ってる感」を重視しているように思います。
仕事への意識の向け方がこのような方向に進むなら、ますますIT化は遠くなるだろうなと若造ながら考えました。
最後に
頭だけは怠惰にしてはいけないですね。
「頑張らないようにするための努力」を日々考えていこうと思います。
いただいたサポートは、何か新しい体験に充てたいと思います!