祇光 瞭咲

ぎこうあきさ。 三度の飯は犬と食べたい小説家志望。第9回ジャンプホラー小説大賞特別賞、…

祇光 瞭咲

ぎこうあきさ。 三度の飯は犬と食べたい小説家志望。第9回ジャンプホラー小説大賞特別賞、第228回オレンジ文庫短編小説新人賞受賞。海外旅行と船と教会巡りが大好きです。あと犬。

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結局、一番「いい」写真というのは

愛犬の写真から今年6月に愛犬が他界した。 イエローのラブラドールレトリバー、享年6歳。病気だった。 彼の死後、フォトブックを作成した。 ちょうどその年の4月、奇跡的な偶然で見つけたフォトグラファーさんの撮影会に参加していた。愛犬の写真を沢山撮っていただいたので、表紙はそれで決まりだった。 きちんとしたカメラで、リードも加工で消してもらって、散漫な犬の視線を集める手際の良さは、まさにプロの技だった。 その日は犬も人も本当に幸せで、あんなに楽しそうな愛犬は見たことがないと思

    • 【謝肉祭③】いっぱい食べる君が好き【ホラー短編集】

      謝肉祭③ いっぱい食べる君が好き 彼氏なんて絶対にできないと思っていた美都江は、丸山の一言であっさり恋に落ちてしまった。 「美都江ちゃんが食べてるとこ、好きだな」  SNSを見れば、次から次へと細くて綺麗な女の子の写真が目に入る。ダイエット動画やサプリメントの広告も絶えず流れてくる中で、美都江は自身の体重を悪く感じ、収まらない食欲に嫌気がさしているところだった。  頬杖をつき、はにかむように微笑んだ丸山。ルックスがよく、大学内での女性人気も高い彼からそんなことを言われるな

      • 【謝肉祭②】肉屋のアイドル【ホラー短編集】

        謝肉祭②「肉屋のアイドル」 珍しいバイトあるよ、と言って紹介されたのは、肉屋のマスコットだった。 「肉屋のマスコット?」  高田秀喜が持ってくるアルバイトが所謂「闇バイト」であることは、俺たちの間の共通の認識だった。法律的にグレーなことをやらされる場合が多く、危険は付き物だと言われていた。そのかわり、金払いだけは馬鹿にできないほどいい。時間と体力を持て余した俺たち大学生には打ってつけだった。 「肉屋のマスコットって何やるんだよ」  俺が胡散臭そうに顔を顰めると、高田は

        • 【謝肉祭①】蠅【ホラー短編集】

          あらすじ謝肉祭 ①「蠅」 警察は役に立たないというが、ここまでのものなのかと私は打ちのめされていた。  ストーカー被害を訴えてもうじき半年になる。月に一度は警察署に足を運び、私が体験したことを伝えてきた。それでも、彼らは解決のために動いてはくれなかった。 「以前からお伝えしているとおり、具体的な証拠がありませんとねぇ……」  飾り気のない応接室で、禿げ頭の老刑事はお決まりの文句を繰り返す。ほとんど眠ったような目をしていて、こちらを説き伏せるときだけその目をギラリと光らせる

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          文章はコミュニケーションでなければならないのか?

          読まれない文章はコミュニケーションとして破綻している。 これはわたしが最近拝読したnoteに書かれていた言葉。 文章はコミュニケーションだから、もしその文章が読まれないのであれば、その文章はコミュニケーションとして破綻している。 何も考えず書いた文章が読まれないのは当然だ。読まれる努力をしていないから。読者に読みたいと思わせる内容で、読んだことで何かが得られないといけない。「読者」という存在を意識して書かなければ。だって文章はコミュニケーションなのだから。 その記事の前半

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          文学フリマ東京37に出店します

          こんにちは。 前髪だけ異常に白髪が増えた祇光瞭咲です。 文学フリマ東京37が今週末に迫ってきました! わたくしも「破滅的純情」というサークル名にて、出店いたします! イベント概要文学フリマ東京37 11月11日(土)12:00~17:00 東京流通センター サークル「破滅的純愛」は、 【 第2展示場Eホール い-55 】 にて、皆さまをお待ち申し上げております。 お品書き「破滅的純愛アンソロジー」収録作品――その愛の結末は破滅なのか。 「破滅的純愛」をテーマにした、

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          これまでの公募戦績

          あんま興味ないと思うけど、記録用に。 ※覚えてる限りで 受賞したものまとめ ・エブリスタ執筆応援キャンペーン「悪い男」:準大賞 ・エブリスタ執筆応援キャンペーン「異能幻想ミステリー」:入賞 ・エブリスタ執筆応援キャンペーン「とんでもホラー」:佳作 ・ノベプラ夏の夜の怪談コンテスト:佳作 ★書籍掲載 ・第9回ジャンプホラー小説大賞:特別賞 ・第228回短編小説新人賞:大賞 ■2021年 竹書房最恐小説大賞:最終候補 妄コン:数えきれないほど落選、1回だけ優秀作品 ■2

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