自己中は当たり前

マリーアントワネットが言ったとされる「パンが無いならお菓子を食べれば良いじゃない」という言葉、私はどこかおしゃれな言い回しに感じて好きだ。実際はマリーアントワネットはこんなこと一切言ってないらしいとどこかで聞いたことがあるが、そんなことは私にとってどうでもよい。一文でその人のキャラクターや、考え方が伝わる本当に良く出来た文章だ(だからこそ有名で名言になったのだろうが)。
主食であるパンが無くて困ってる市民に対しての発言で、
ケーキがパンより高いこと知らず、純粋な気持ちで言っていたとしたら、無邪気すぎる天然の女の子といった感じで魅力的なキャラクターだし、
ケーキがパンよりも高価だと知っていて言ったとしたら、すごい残酷な皮肉を言えるサイコな女の子でそれもまた魅力のあるキャラクターである。
(言われた市民側からすれば魅力的などとは言ってられないが)

時に、自己中心的な考えは非難されることがあるが、
人間はもとから自己中心で生きてきたはずだ。
誰かのために生きなければならないわけがない。
だから他人のために何かしてあげる義務も責任もない。
それでも、それを分かった上でも誰かに何かしてあげるのは
その人のことを思って、その人のため何かしてあげたいと考えたからである。他人への行動は義務ではなく"気持ちがあるからこそ"行うのである。
人を大切にするのは自分を大切にした後に行うのでなければ、
自分の人生を生きているとは言えない

自分勝手行動をする他人にムカついたことのある人は、たくさんいるだろう。私もある。ただその自分勝手な行動をとったその人は、少なくともその瞬間は、自分の人生を生きる上で他人を大切にする余裕がないのである。そういった状況は誰にでも起こりうることである。
それは決して悪いことではない。
自分勝手な他人に腹を立ててしまう我々の方こそが、義務でもないはずの他人からの施しを勝手に期待し、「~してもらって当たり前」とか「私はこれだけやったんだから」と、他人の配慮を義務化してしまっているのである。
そしてそれは同時に自分が行っている他人のための行動も自分の思いからではなく義務としてやっていることを認めていることになる。
私たちはもともとはもっと自己中に生きていて、余裕があったら人のためを思うのである。
自己中心の考えは悪いことではなく当たり前のことなのである。



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