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孤独のグルメの魅力は哲学

孤独のグルメという大人気ドラマがあり、私も好きでたまにyoutubeで見ている。もちろん公式のやつだ。孤独のグルメは日常系というか、グルメドキュメンタリーのドラマで、松重豊演じる井之頭五郎の日々の生活や仕事の合間での「食事」に重きを置いていて、「何を食べるか」「どのように食べるか」が主人公の、そしてドラマ全体の、テーマになっている。
そして「食事を楽しむ」ということが最大の「価値観」として描かれている。
私はこの「価値観」が「孤独のグルメ」の魅力の一つだと思う。どういうことかというと、「美味しいものを食べられたら嬉しい」という価値観は、性別も、人種も、性格も問わずすべての人が持っているもので、視聴者全員が主人公に簡単に感情移入できるのである。
そしてドラマの主人公である五郎さんは多少仕事で上手くいかないことがあっても美味しい食事にありつくことが出来れば、たいてい「まあいいか」と言うようにやり過ごしている。
これは多くの悩みある視聴者を励ましている。
五郎さんのように「美味しい食事をしたい」という変わらない価値観を基に生きていればそれ以外の多少の悩みは結局「それ以外」にすぎない。
人々は悩み苦しんで、時々「私はなんのために生きているのか」という壮大な問いに押しつぶされそうになることがあるが、そんな問いを抱えた視聴者の目の前で五郎さんは「私は美味いものを食べるために生きている」と言わんばかりに美味しそうな食べ物を豪快に食べてくれるのである。
つまり孤独のグルメの一つの魅力は哲学である。
「生きる意味はなにか」を含むあらゆる人生上の問題、課題をいたって単純なものとし、悩むようなことではないと、一つの考えを示すのである。

孤独のグルメの魅力は哲学である。


ついでにもう一つ、
五郎さんは身軽でいたいために結婚をしないと決めているのだが、
この考え方も現代的で、誰も敵を作らない孤独のグルメの人気な理由であると思う。

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