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同僚に告白から再入院:乳がんと診断されて【20】

7月に約1ヶ月仕事を休み、一旦復帰していたので、同僚たちは私の事をもう元気だと思っている。再入院となると心配掛けるだろうな…と思い同じ職場の女性陣にのみ病気のことを告白することにした。
仕事の合間に時間をもらい話し始める。
「実は来週からまた入院することになって。でもこないだ休んでた病気の悪化とかではなく放射線治療で休むねん。」

「放射線…?って…‼︎」
同僚の表情が変わる。

「そう、実は……、……、」
私の口から「乳がん」という言葉が出てこない。。言葉にしようとすると、代わりに涙が溢れてきた。
「ごめん…‼︎ちゃんと話そうと思ったのに…ごめん、ちょっと待って。」

深呼吸をして

「実は、乳がんになって、先月全摘手術を受けてん。それでリンパにも転移してて放射線治療と抗がん剤治療も受けないといけなくなって。長期間迷惑掛けることになるから話そうと思って。」と一息で説明した。油断するとまた泣いてしまいそうだった。
思い返すとこの時まで「がん」という言葉を自分の口から発したことは無かったのかもしれない。受け入れたつもりだったけど、罹患した事実を言葉にすることは、恐ろしい病気の渦中にいる事を再認識する瞬間だった。

そんな重い話を同僚は冷静に聞いてくれた。
出勤はできないけどテレワーク勤務するから何かあったら連絡してねと言うと
「pandaさんは働き過ぎです!しんどい時は休んでください!」と怒られた。笑


同僚へ告白後はテレワーク勤務の準備。担当業務のうちテレワークで対応できるものとできないものを明確にし、対応できないものについては上司にお願いし、テレワーク用のPCとiPhoneを貸与してもらう。取り敢えずUSBデータと一緒に持ち帰った。

2020年8月27日、放射線治療のため入院。放射線の照射は全25回。平日のみなので5週間の入院となる。コロナ禍のため今回も面会は禁止。1ヶ月以上家族ともお別れとなった。
5週間の入院ともなると荷物は大量で、当然旅行鞄では収まりきらなかった。

病室に入り荷物の整理が終わった頃、病棟の案内が始まった。大抵の場合看護師さんによる案内だが、この病院はコンシェルジュが居てその方が案内してくれた。自販機や給茶器の場所、電子レンジも使ってくださいね、とかコインランドリーやお風呂の説明、リハビリ室、中庭の案内等ひと通りしてもらった。
いつもの入院と違って手術を控えている訳でもなく今回は点滴もないし自由に動ける。いたって健康な気さえしてきた。

もうすぐ放射線治療が始まる。

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