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【Vol.1親の心得】Ep.2:中学受験では下位校でも良い学校はある

最近の中学受験では、御三家を代表とする難関校だけでなく、面倒見の良い教育を提供する中堅校に人気が集まっています。
その影響で、中堅校の難易度(偏差値、合格最低点、倍率など)が上昇傾向にあるため、実力相応校や安全校として受験した中堅校を全落ちするケースも増えているようです。
中学受験で全落ちしても公立中学という道はありますが、やはりコロナ禍という先行き不透明な状況のため、オンライン授業、上位大学への進学などの対応力のある私立中高一貫校への進学はさせておきたいところです。
偏差値的に下位の学校への進学については抵抗のあるご家庭も多いと思いますが、中には少人数クラスであるがゆえに先生が家庭教師のようにマンツーマンで指導して早慶上理へ一般入試で現役合格させるような学校もあったりしますので、下位校にも良い学校があることをお伝えしたいと思います。

<ポイント>
・東京一工、国立医学部は難しいが、下位校でも早慶上理は狙える
・下位校は少人数の学校が多く、とても面倒見の良い教育を受けられる
・5年生までに進学しても良いと思える下位校を探しておきましょう

1.中学受験での下位校について

中学受験では、御三家を代表とする難関校に注目が集まりますが、それは東京一工、国立大医学部、旧帝大、早慶上理と言った難関大学への合格・進学実績が圧倒的であるためです。
難関大学への合格・進学を目標とした場合、やはり難関校へ進学した方が良いのは言うまでもありませんが、最近では中堅校やそれよりも偏差値的に下位の学校でも難関大学への合格・進学するケースが増えてきています。

難関校、中堅校などの分類は厳密な定義はありませんが、個人的な感覚では下記のようなイメージを持っています。
・難関校:首都模試65以上
・中堅校:首都模試50~64
・下位校:首都模試49以下
四谷大塚、日能研、SAPIXは下位の学校の偏差値を出していないので、偏差値は首都模試で出しています。
四谷大塚・日能研は首都模試-10、SAPIXは首都模試-20ぐらいかと思います。

2.下位校でも上位大学への進学実績を残している学校はある

2020年の10月と11月の合不合判定テストで娘の偏差値がYT35→31と下降傾向であったため、予定していた埼玉受験・東京受験での全落ちを覚悟しました。
この傾向を改善できずに12月の合不合判定テストを迎えた場合、最悪のケースとして偏差値20台も想定されるので、それまでの受験日程を一旦白紙に戻し、全落ち回避の筋道を探りました。

取り組んだことは下記の3点です。
①受験校の絞り込み条件を自宅からの通学時間1時間30分以下、電車の乗り換え1回以下、首都模試偏差値50以下として再リストアップ
(それまでは娘の希望に合う条件を考慮してリストアップしていましたので、結果として首都模試偏差値50以上の学校を中心に受験計画を立てていました)
②リストアップした学校のうち、訪問したことのない学校の学校説明会、プレテスト、文化祭などの予定を確認
③訪問の予約が可能だった学校に行って、学校、教育内容、入試などの詳しい内容などを確認

結局、11~12月に新たに4校の学校を訪問しました。
それらの学校の難関大への進学実績のいくつか挙げるとこんな感じでした。
()内の数字は首都模試の偏差値です。
・A校(46):お茶の水女子大、横浜国立大、早稲田大、慶應義塾大、上智大、東京理科大など
・B校(43):東京工業大、東京医科歯科大、横浜国立大、早稲田大、慶應義塾大、上智大、東京理科大など
・C校(41):お茶の水女子大、筑波大、早稲田大、慶応義塾大、上智大、東京理科大など
・D校(40):東京外国語大、早稲田大、慶応義塾大、上智大、東京理科大など
地方国立大、MARCHはどの学校も数十人のオーダーで合格しているようです。
これらの学校の生徒数は多いところで一学年80人程度、少ないところで5~10人程度ですので、生徒数に対する難題大合格者の割合は難関校と比較しても遜色ないように思いました。

3.少人数の利点を活かしてとても面倒見の良い教育を展開している学校もある

首都模試50以下の学校の中には、募集人数に対して受験者数がとても少ない定員割れの学校もあります。
例えば、募集人数80人のところを、受験者数が7人程度という感じです。
2.で触れた4校のうち2校はそのような学校でしたので、中学の全校生徒数も数十人となります。

小人数の学校は中学受験案内に掲載されている情報量が少なく、中学受験雑誌に記事が載ることも稀なため、基本的な情報を把握するだけでも学校訪問することが不可欠だと思います。
我が家は小6の11~12月のプレテストの機会を使って、学校の話を聞きに行きました。
そうすると、娘を通わせても良いと思うような学校ばかりでした。

少人数の学校で良いと思った点は以下です。
・先生の目が一人ひとりに行き届いているため、生徒ごとの学習到達度に応じた細かい学習指導ができている
・一人ひとりに与えられる役割が大きいため、全員が主体性を持って行動せざるを得ない

反面、悪いと思った点は以下です。
・6年間を少人数の集団の中で過ごすため、いろいろな友達と仲良くする機会がない(いずれも高校募集をする学校でしたが、中高一貫生と高入生は別校舎・別クラスで、カリキュラムも別でした)
・少人数でワイワイやるような雰囲気なため、切磋琢磨するような環境ではない

4.5年生までに進学してもよいと思える下位校を探しておく

受験勉強は第一志望校に合格することを目標として取り組むものです。
第一志望校が記念受験になってしまうようなチャレンジ校だとしても、本人の過去最高の偏差値に近い実力相応校だとしても、最後の最後までブレずに取り組むことが大事だと思います。

しかし、併願校は実力相応校から偏差値が低めの下位校まで幅広く検討し、受験直前の成績に応じて柔軟に設定することが必要だと考えています。
特に、安全校として設定する下位校をどのように受験日程に組み込むかがとても大事だと思います。
そのためにも、進学しても良いと思える安全校を偏差値に縛られることなく探しておくことが重要になります。

我が家は受験直前の小6の10~11月に成績が下降したためそのタイミングで慌てて探しましたが、できるだけスケジュール的に余裕のある5年生のうち遅くとも6年生の夏休み前までに探し終えておくのが無難だと思います。

5.まとめ

中学受験を終えて最も重要だと感じたことは、受験初日から最終日までの間に想定されるあらゆる状況に対応できる受験日程を作成することです。
特に、併願校の選び方が最重要項目で、これを間違えると全落ちが不可避となる状況に陥る可能性があります。

本人は受験最終日まで一生懸命に勉強に取り組みますが、受験当日に何が起こるかはその時にならないとわかりません。
それによって、確実に合格できるだろうと思っていた学校が不合格になる状況もあり得ます。
親の役目は、受験期間に何か起こっても良いように、発生しうる様々な可能性を想定して、受験計画を準備することです。

普段は偏差値60や70以上の成績をとっているような子だとしても、安全校と思って受験した中堅校の入試当日にコンディション不良となって失敗してしまうことはあります。
中学受験では確実なことは何も無いという前提に立って、どんなに成績の良い子でも下位校まで視野に入れた柔軟な併願パターンを準備したうえで受験に臨めるようにしてあげることが親の一番の役割だと思います。

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