エッセイを書くパンダ

IT業界での働き方やプログラミング、旅行、お金の話、家族の話など日々のことをエッセイに…

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IT業界での働き方やプログラミング、旅行、お金の話、家族の話など日々のことをエッセイに書きます。 目標はいつかエッセイ本を出版することです。読んで頂けると嬉しいです。

最近の記事

対話: 沈黙を乗り越えるコミュニケーションの技術

先月、大学からの友人と軽井沢プリンスホテルスキー場にスノーボードに行った。スノーボードをするのは人生で初めてだった。軽井沢を選んだのは何もハイソな場所がいいというわけではなく、単にスキー場が新幹線の駅から近くてアクセスがとても良かったからだ。 アクセスは便利だったものの、軽井沢のスキー場は子供から大人、日本人から海外の方まで様々な人でごった返していた。ゲレンデの人の多さに圧倒された初心者の自分は、スキルのなさに輪をかけて思うように滑れず、何度も人にぶつかりそうになった。

    • 禅問答を解いて「無の境地」を味わう

      瓢鮎図の示す禅問答を解いてみたら、まだまだ無の境地には至っていなかった件(画像は wikipedia より引用)。 瓢鮎図とは禅のある公案を絵にしたものだ。この絵は京都の妙心寺が所蔵しており、この寺のご御朱印帳の表紙にもなっている。公案とはいわゆる禅問答であり、和尚(方丈)が僧侶(雲水)に出題する、答えのない問いだ。 僧侶は座禅をしたり、寺の掃除をしたり、修行の中で回答を考えて和尚に伝える。多くの場合は修行が足りないと突き返されるのだが、その答えが核心をついているのであれ

      • 仏教書を読んで悟りの世界を覗いたら、会社で役立たず社員になりそうだった件

        仏教の考え方を知り、日常で少し実践してみると、これが悟りというものかと思うと同時に、自分がその境地に至るにはまだ早すぎるのではないかと思い至ってやめてしまった。マネージャーとの1 on 1で悟りの境地を語ったら白眼視されてしまったからである。正直、かなり反省した。そして、悟った人というものは社会生活をまともに送れないのではないかと思った。前置きが少々長くなるが、お付き合い願いたい。 私は京都で大学生活を送ったのがきっかけで、神社仏閣を巡るのにハマった。そのうちに、ただ巡るだ

        • 20年以上の読書経験を経て、やっと本の著者と対話できるようになった

          2024年の読書体験はいい滑り出しだった。 去年の夏ごろ購入して積読したのままだった『現代思想入門』を読み「全てのプロセスは途中だ」というドゥルーズの哲学に感銘を受け、完成することのない思考を手元のノートに書き散らし始めた。まだ1ヶ月しか経っていないのにもう60ページほど溜まっている。 また、『理科系の読書術』を読んで、書籍にはどんどん書き込みをして自分のものにする、読んで考えるのではなく考えるために読むという能動的な読書指南に膝を打ち、その次の本から早速実践している。

        対話: 沈黙を乗り越えるコミュニケーションの技術

          関東に来て7年目、話にオチをつける力が弱くなった

          最近、話にオチをつける力が弱くなった。私は関西出身ではあるものの、元来話し上手ではない。それでも話に終わりがある方がいいだろう、ストーリーがある方がわかりやすいだろうと思い、密かにオチをつける訓練を積んでいた。 話にオチをつける自主練を始めたのは高校生の時だ。当時は勉強漬けで毎日が変化に富むわけではなかった。しかし、昨日とは違う日常の些細な出来事は何かしら身の回りに起きるものだ。 特に私が通っていた高校は男子校から男女共学に変わって間もない高校だった。男子の多いクラスで、

          関東に来て7年目、話にオチをつける力が弱くなった

          カナダの多国籍なテーブルに座って多様性について考えた

          カナダのオンタリオ州トロントから車で1時間のWaterlooの北部、St. Jacobs という小さい町に今私はいる。妻の友人であるカナダ人の女性が挙げる結婚式に参加する予定だ。結婚式前日である昨日、St. Jacobs のビアガーデンに結婚式の参加者が集まった。妻と私はそれに参加した。 まだ空が明るい18時ごろ、オープンエア店の同じテーブルに座った方々はカナダという国の多様性を象徴しているようなメンバーだった。シリアからの移民で英語の先生をしている女性、インド人だがケニア

          カナダの多国籍なテーブルに座って多様性について考えた

          食の職人

          「人はパンのみにて生くるものにも非ず」とはいうものの、誰でも美味しいパンを食べたいものだ。もちろん食べるためだけに生きているわけではない。食事で身体を満足させた上で別の精神的な充足感を得るために活動をする。しかし、食を追求する美食は作り手にとっても受け手にとっても生き甲斐になり得る。特に作り手のそれは、自分の腹を膨らます以上に、食材に対する探究心と「うまいものを人に食わせたい」という慈悲心がある。その純粋な友愛の心に畏敬の念を覚える。海のものや山のもの、食材だけでも数えられな

          ビール好きの課題を解決したい。ビールのレビュー投稿サイト Beer Break(β) をリリースしました

          ビールのレビュー投稿サイト Beer Break を5月1日にリリースしました(β版)。エッセイを書くパンダの本職はソフトウェアエンジニアなので、企画からデザイン、実装まで自分で行いました。 Beer Break はビールの写真と感想を添えてレビューを投稿できるサイトです。自分はお酒はビールも日本酒もウィスキーも何でも好きなのですが、ビールのレビューサイトって意外と見当たらないなと思い、自分で作ることにしました。 ビールのレビューを投稿する方、ビールが好きでレビューを読み

          ビール好きの課題を解決したい。ビールのレビュー投稿サイト Beer Break(β) をリリースしました

          「オレのワタシの記念日」で俺のグランメゾンに招待してもらった話

          「オレのワタシの記念日」に応募したら当選した3月のある日、妻が突然「俺のイタリアンでロッシーニ祭りをやってるから食べてみたい」と言ってきた。ロッシーニといえば、牛フィレ肉の上にフォアグラを乗せ、トリュフのソースをかけた濃厚でハイカロリーな料理だ。 ロッシーニはイタリア人のオペラの作曲家で、そして美食家だったそうだ。上記の豪勢な料理は彼が考案して、今はフランス料理で「ロッシーニ風」と呼ばれている。 ただ、今回はその料理について語ることがメインではない。キャンペーンに当選した

          「オレのワタシの記念日」で俺のグランメゾンに招待してもらった話

          無料のアメリカ旅行がESTA申請に落ちてなくなった話

          会社の賞のアメリカ旅行事の始まりは、会社で妻の所属するチームが社内賞を受賞したことだった。その賞には毎年全社から50名ほどが選ばれ、選出された人全員に副賞が与えられる。特に優秀な成績を収めた人はポルシェやロレックスの時計が貰えるらしい。が、それはウチとは無縁な話だ。 50人全員が貰える副賞のはクリスタルの盾とアメリカ行きの旅行だ。その旅行の行き先は毎年変わる。去年はハワイだった。飛行機のチケット代もホテル代も、ホテルでの飲食費も全部会社が負担してくれる。しかも滞在期間は1週

          無料のアメリカ旅行がESTA申請に落ちてなくなった話

          日本で最高にゆったりできる場所 - 西小山・東京浴場

          バックパッカーの間では「沈没地」という言葉が知られている。バッグ一つで海外の安宿を巡り歩き、旅行代を出来るだけ浮かそうとするバックパッカー。彼らが沈没という単語を使うなら、それは飛行機ではなく船で移動する際の悲劇ということだろうか。 沈没という単語から海を連想するかもしれないが、船は全く関係ない。沈没地とは、ある都市や宿の居心地が良すぎるので、次の目的地に進むのに腰が重くなったり、いつまでもそこにいたいと思わせるようなところだ。 それは夕日が綺麗な海辺だったり、治安がいい

          日本で最高にゆったりできる場所 - 西小山・東京浴場

          起業も大学院への進学も「自分の今やりたいこと」ではない

          2021年12月も下旬に差し掛かった。毎年恒例の年末進行だ。去年はできなかった対面での忘年会がいくつかあった。珍しいことに、大学の部活や寮の同期・後輩はソフトウェアエンジニアが多い。 情報系の大学院に進学して就職した者、文系から新卒でエンジニアになった者、全く別の職種で就職して、社会人からプログラミングの勉強を始めてエンジニアに転職した者。自分も最後のタイプの一人だ。同窓会を開くたびにエンジニアが増えていく。 彼らとエンジニアのキャリアについて話した。 その中で挙げられた

          起業も大学院への進学も「自分の今やりたいこと」ではない