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コラボで地域活性の事例 - ももクロライブ in 黒部市 -

ももクロが富山県の黒部市にやって来る。

それを知ったのは、真夏のZOZOマリンスタジアムのライブでのことでした。私は石川県に住んでいるももクロのファンで、遠征して千葉までライブを見に来ていました。聞いた瞬間思わず「えぇ!?やった!!」と声を出して一緒にきた友達に小突かれる。

結論から言うとこの地域活性ライブは大成功を収め、その土地に億単位の経済効果をもたらしました。ライブ会場もない場所での開催で、です。

ももクロ春の一大事

国民的アイドル、ももクロが地方で行う「春の一大事」。各地域を訪れてライブを行うスタイルは、2019年の黒部市で3回目になります。

今までのライブ開催地であった3市が提携したというニュースもあり、もはや1地域の活性だけでない"繋がり"という影響ももたらしています。

もちろん各地域ライブ会場へアイドルが訪れ、周辺のホテルが予約でいっぱいになることはままあります。それと何が違うのでしょう?

それは、アイドルファンを地域に呼ぶだけでなく、その前後に地域と協力し受け入れ態勢を整えライブステージを野外に作り、コラボお土産を作り、何もない場所ながら周辺の観光地やお店を巻き込むトータルがオリジナリティと手作り感があり、地域活性の形として面白いのです。

黒部市の春の一大事

金沢から北陸新幹線に乗って黒部宇奈月駅まで向かおうとすると、驚きました。車両にはカラフルな服装をした人、人、人ー。乗っているのは半数近くライブへ行く人で占めています。

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私は今年の春に初めて「春の一大事」に行きました。写真はライブ本編が始まる前まで行われている、フリーライブの様子です。当日は晴天で春の暖かい空気と風、初めて富山に来る人も山の景色含め楽しめたのではないかと思います。

ライブ会場までは黒部宇奈月駅から徒歩20分。シャトルバスもあったけど、この天気なら歩いていても気持ち良いだろうと散歩気分で駅から歩きました。到着した駅はすでに活気づいていて、たくさんの人がいます。隣接したお店もコラボお土産が置かれ、盛況しています。

私は隣県からの訪問だったのでそこまで新鮮味はなかったものの、遠方から富山にきた人は売っているお土産や食べ物でも旅行気分もより味わっている様子でした。

20分ほど歩いて会場近くまで行くと、まるで地域のお祭りのような風景です。フリーイベント会場ではアイドルや芸人さんがパフォーマンスを行い、出店スペースは富山のご当地グルメづくしで「名水ポーク」や「ブラックラーメン」のお店が並ぶ。なぜかVRを体験できるブースがあったりと、もはや祭り。ライブ前なのにこんなに楽しいなんて!

通常のライブでも始まる前の高揚感はあります。でも今思い返してみても、高揚感が地域全体に包まれお祭りのような雰囲気は、同じももクロのライブでも異なる感覚です。

地域の祭りは、年に1度しかないからこそ地域の人が協力してなんとか無事に終えようという緊張感もあります。

春の一大事のライブは、会場を作るところから地域の人の協力が不可欠で、2日間のライブ1度きりという緊張感もあります。それは受け入れる側も、向かう側にもあると思うし、だからこそ地域の特別なイベントになっているのではないでしょうか。

特にライブ前後の地域のPRや、お土産のコラボ新商品を作ったりと、とにかく地域全体でファンを迎え入れてくれます。その結果、地域にも大きな経済効果が残るお互いにとってメリットのある関係です。

ちなみに地元の人は、地元専用チケット価格で参加のハードルが低く、地元にカラフルなTシャツの集団という物珍しさとか、覗くだけでもOKな雰囲気もSNSで話題になっていました。例年大きなトラブルも無く高い集客力から、毎年協力してくれる行政地域は絶えないそうです。


春の一大事の翌日

黒部市でのライブは地域のニュースとしてネットやテレビで扱われていました。その様子は地域で起きた一大事を取り上げるよう。

会社に出社すると、ライブに一度も行ったことはないけど「行こうか迷ってたんだよね〜」と話す人がいたり。実際に知り合いも行ってたよと教えてくれたり。本当にちょっとした地域の一大事になっていました。


一度参加すればまた行きたくなる

私が昨年まで春の一大事にいかなかったのはアクセス面や野外のスタンディングといった、自分にとっての行きづらい理由がありました。

今回の黒部市は、いつもの遠征に比べれば近いので行こうと決意。

最初は近いから行こうと思った春の一大事が、ライブが終わるころには「来年はどこであっても行きたい!」という気持ちになっていました。

そう思えたのはとにかく「来た人に対して満足してもらう」取り組みがすごいことと、「一緒に地域を盛り上げてる!」と感じられる点。特に何をしたわけでもなく、普通にきてライブを観ただけなのに、そう思える部分が春の一大事にはありました。


まとめ

東京で開催されるライブよりは距離があるものの、ライブの中で春の一大事が一番好きという人も多い。野外のライブは天気の心配はあるものの、できれば行きたいと思うようになりました。

通常のライブと比べて唯一無二のお祭り感、1度来たら前後の旅行も含めて満足できます。何より、応援しているアーティストがこうして地域の力になっているのはファンとしても誇らしい。

来年の開催地はまだ決まっていないので、これから楽しみです。

#COMEMO #NIKKEI



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