チャン・パム

観た映画の感想を載せます。

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最近の記事

―死が生み出した妄想が世界を作り出している―映画「MANRIKI」

こんばんは、チャンパムです。 今日は映画の会員カードを忘れて不機嫌だった(自分が悪い)ので、 88分の映画、酷かったらチケット破るぞくらいの気持ちで映画鑑賞。 あまり前知識もなく映画館へ足を運び、 開場まで待つ間何気なく眺めていたMANRIKIのポスターに「永野」の文字が。 正直ピンと来なくて、永野…?となっていたのですが、 映画が始まってびっくり。 なんとあの「ラッセンが好き」でお馴染みの芸人、永野さんが原案・脚本を務めているじゃないですか。 芸人さんの作る

    • 感情はどこから生まれるのか。映画「ボーダー 二つの世界」

      統一性のない映画ブログで申し訳ないのですが、もう、書きたいように書きます。 感情を揺さぶられる、不思議な映画に出会いました。 スウェーデンの作家、ヨン・アイヴィデ・リンドクヴィストが脚本を手掛けた、映画「ボーダー 二つの世界」を鑑賞。 人間の感情、 「羞恥や罪悪感、怒りなどを嗅ぎ分けられる」と言う主人公、ティーナの物語です。 鑑賞後、ふと気になったのは「ボーダー(境界線)」の部分。 何故ならば。 ボーダー、それは至ってシンプルなテーマであるように見えて、実にマル

      • 映画「クリムト エゴン・シーレとウィーン黄金時代」と、自己のセクシュアリティについて。

        こんにちは、チャン・パムです。 最近は、昔ほど虫が怖くなくなりました。 むしろ、こんな小さな体で動いて、生きていて凄いなぁと。でも触るのはまだちょっと怖い。 さて本日は、映画「クリムト エゴン・シーレとウィーン黄金時代」を観に行ってきました。 先日、美術館の企画展示「クリムト展 ウィーンと日本1900」を鑑賞したばかりだったのですけれども、映画も併せて観たら、もう、200倍は楽しめます。 例えば、 クリムトの壁画作品「ベートーヴェン・フリーズ」は、ベートーヴェン第

        • 忘れられない旋律 「小さな恋のメロディ」

          こんばんは。 久々にnoteを開きました。 今回は、1971年のイギリス映画、 「恋のメロディ」について綴ります。 まず、私こちらの映画、 筋肉少女帯(バンド)の「恋のメロディ」という曲を通じて知りました。 「ラストシーン、あの2人がどこへ行ったか貴方はわかる?きっと地獄なんだわ。」 との歌詞があり、調べてみたら実存する映画で。 あらすじを読むと、可愛らしい少年少女の物語だったので、 歌詞にある「ラストシーン」はどんなストーリーを辿ったイメージなのだろう?

        ―死が生み出した妄想が世界を作り出している―映画「MANRIKI」

          「愛がなんだ」は良い意味で裏切られる映画

          こんばんは。チャン・パムです。 実は先々週末に観ようと思っていた映画「愛がなんだ」。その週はなんと満席で、一度お預けを喰らいまして...今日は1時間前には席を確保して、満を辞して観に行く事が出来ました。 そんな、今大ヒット中の本作、結果から先に述べますと すごいものを観た。 これに尽きます。本当に。 ライブアートのような臨場感のある、まさに心理劇。想像以上に見応えたっぷりの内容でした。 そもそもまず、想像していた内容としては ・主人公が好きな男に振り回される

          「愛がなんだ」は良い意味で裏切られる映画

          人々を「ねじれ」させるもの

          「オリエント急行殺人事件」や、「そして誰もいなくなった」等、数々のヒット作を生み出したイギリスの推理作家、アガサ・クリスティが、自身の“最高傑作”と語った、「ねじれた家(Crooked House)」。 原作も未読、そもそもアガサ・クリスティの作品にさえも触れたことがなかったのですが、そんな謳い文句が気になり、映画を観に行ってきました。 率直な感想だと... うーん、実に、惜しい。 と、言うのも。 映画ではミステリー作品として謳っておりますが、前回のブログで綴った「

          人々を「ねじれ」させるもの

          ヒトラーvs.ピカソ はミステリー映画ではない

          こんにちは。チャン・パムです。 4月に晴れて新卒入社し、日々の生活に追われ、映画からも離れておりましたが... 昨日は久しぶりに映画を観たので鮮度が落ちないうちに投稿します。 ヒトラーの秘宝。だれも知らない闇の美術史。 今回は、映画「ヒトラーvs.ピカソ 奪われた名画のゆくえ」について考察します。 タイトルだけで観ると、どうですか? すごく気になりませんか?面白そう!って。 予告ポスターの下の方にも「究極の美と権力に秘められた名画ミステリー」なんて謳われていて

          ヒトラーvs.ピカソ はミステリー映画ではない

          「天国でまた会おう」からみる刹那的な生きざま

          セザール賞を5部門受賞した2019年公開のフランス映画、「天国でまた会おう」。 「その女アレックス」などで知られるミステリー小説作家、ピエール・ルメートルの世界大戦三部作のひとつで、同名のミステリー小説、「天国でまた会おう」が原作となっています。 この映画では映像はもちろん、物語の美しさにも魅了されます。そこには、刹那的な時間を生きるということの美しさや儚さが散りばめられていました。 今回はこの「天国でまた会おう」から、刹那的ないきざまについて考えていきたいと思います。

          「天国でまた会おう」からみる刹那的な生きざま

          「ムーンライト」からみる繋がりのわずらわしさ

          2016年に公開されたアメリカ合衆国の映画、「ムーンライト」。 同年に公開され、話題を呼んだ「ラ・ラ・ランド」を抑えて第89回アカデミー賞作品賞を受賞したということからも、注目を浴びた作品だと言えるのではないでしょうか。 今回はこの「ムーンライト」から 人間関係や、自己を取り巻く環境、過去と今の自分... その「繋がりのわずらわしさ」というものを考察していきます。 (以下ネタバレあり) この映画は 1.リトル 2.シャロン 3.ブラック の三部構成になって

          「ムーンライト」からみる繋がりのわずらわしさ

          「ポンヌフの恋人」から浮び上がる恋愛観

          1991年公開のフランス映画、「ポンヌフの恋人」。 改修工事の為、閉鎖されていたパリのポンヌフ橋で暮らすホームレスの青年と、失明の危機にかられた女画学生との純愛を描く物語。 ...と、なっていますが。 その前にまず、 「純愛」ものと言ったら、皆さんはどのような物語を思い浮かべますか? 私は正直、この映画を観る前 「純愛物語」ということですから 何かしらのロマンティックな展開を予想していました。 愛の前に立ちはだかる大きな壁、それを乗り越え奮闘する男女。あるいは

          「ポンヌフの恋人」から浮び上がる恋愛観