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なぜカウンセリングは継続して受ける必要がある?受ける間隔はどのくらいがいい?
今年の12月で心理カウンセラー活動が丸6年になります。
イラストレーターや漫画家の仕事と兼業とはいえ、さすがに6年目ともなると色々見えてくるものがありますね。
今回は「なぜカウンセリングは継続して受ける必要があるのか」「受ける感覚はどのくらいがいいのか」というテーマを元にお話ししていきます。
実は私、あまり熱心に継続カウンセリングを勧めたり、このくらいの間隔で来てほしいとお願いしたりを、今まであまり熱心にしてきませんでした。
カウンセリングの効果も熱心さも個人差がありすぎるし、そもそもカウンセラーがあれこれ指示するより、個人の自由に任せたほうがいいのではないかと考えてきたからです。
あまり支持しすぎると依存性が高まったり、結局自分で何も決められなくて悩み苦しむのが治らなかったりするんじゃないかな、とも思ったので。
なので、“基本は相談者さん(クライエント)側の好きにしたほうがいい”という考えは変わっていません。
とはいえ、カウンセリングを受けようと言う人は、ほとんどの人が心理学やカウンセリングについて素人です。
たまにめちゃくちゃ勉強されている方もいますが、多くの人が「どういうものなのか分からない・どういう風にしたらいいかわからない」という右も左もわからない状態なのですね。
そういう方々が自己判断で適当に受けたり辞めたり間隔を決めたりして、カウンセリング効果が薄まったり、治るものも治らなかったりするのはよくないんじゃないかなぁ……と思い、こういう記事を書くことにしました。
なので全力で長文です。
まあ何より私自身が、世の中のカウンセリングを信頼できず、1〜2回行っただけで「何の効果もない。もうやめる」と言って約24年間も精神疾患(障害)であり続けたからなんですけどね。
24年ってやばいですよ。自分の人生はこれはこれでまあいいかと思っていますが、できれば私の記事を読んでいる方々にはもう少し早めに治していただいて、時間を有意義に使っていただきたいのです。
もちろん、心の問題によって私以上の年月を苦しんでいる人も同じくです。
◆なぜカウンセリングは継続して受ける必要があるのか
単純に結論を先に言いますと、たった1回受けたくらいで10年〜何十年モノの心の歪みや軋みがパッと治るわけないから、です。
私のカウンセリングには、色々な悩みを抱えた相談者さんがいらっしゃいます。
幼い頃に虐待を受けた・暴力を受けた・壮絶な過去を過ごしてきたという人から、家族は別に普通の人なのになぜか考え方に歪みがあって苦しい、という人まで。
かつての私と同じように何十年も心の闇に悩まされている人もいれば、最近イライラが増えたとかなぜかトラブルが多いとか、急に悩みが増えた人もいます。
何十年も心の闇に悩まされている人はもちろんですが、最近パッと問題が出てきた人でも、幼少期から今までの人生で形成された人間関係・価値観・もの考え方などによってそれが起きている人がほとんどです。
つまりずっと悩んでいようが最近悩みが増えようが、その原因は10年〜何十年モノであることが多いんですね。
(更年期や認知症などの、年齢からくる感情問題はまた別)
あなたは、そういう何十年もにわたって積み重なった歪みや軋みを、たった90分(ペップトークだったら45分)で修正できると思いますか?
また、そもそもたったそれだけの時間で、長年積み上げてきた人生をすべて掘り起こせると思いますか? 原因に行き当たれると思いますか?
そして、いくらnoteなどの記事を読んでいるとはいえ、初めて会った人(私)にいきなり自分のすべてを曝け出せますか?
大抵の人は、無理です。
あるいは、自分ではできているつもりでいて、実は全くできていないことにも気づけていません。
これは継続してカウンセリングを受けている方が、「私は何でも喋っているつもりだったけど、まだ隠したい所があったんですね」「まだええかっこしいしたい自分に気付けました」と後からおっしゃっていたので、間違いありません。
しかも一人じゃなくて、何人も、です。
◆カウンセラーが掘り下げるのも、相談者が自己開示するのも、回数が必要
私は度々このnoteやあちこちで「カウンセラーはエスパーではない」という話をし続けていますが、それはなぜかというと、心理学やカウンセラーに万能を求める人が多いからです。
テレビなどの印象操作で「心理に詳しい人は相手のことが何でもわかってしまう」と思われがちですが、心理学を学んでいる人もカウンセラー業を営んでいる人も普通の人間です。
もちろん一般の人よりは気づきやすかったり、私自身も小さな違和感を見つけるのが得意だなあとは思ったりしますが、それでも普通の人間です。
相談者さん本人が心に鉄の扉をつけ頑丈に施錠していたら、それを簡単に開くことなどできないのですね。
しかも本人が鉄の扉をつけていることも施錠していることも無意識で行っていて気付けていなかったら、尚更です。
ゲーム好きで逆転裁判2以降をやったことがある人は「サイコ・ロック」を想像してください。あれです、あれ。知らない方は検索してください。
深い問題であればあるほど、扉は厚く錠前の数は多く、たった1回会ったりちょっと突っ込んだりしただけで、真相にたどり着くことなど不可能です。
しかしながらその鉄の分厚い扉も硬い錠前も、少しずつ開かせたり緩ませたりできるものがあります。それが、“出会う回数”です。
単純接触効果(ザイオンス効果)というやつですね。
接触回数が多くなればなるほど、相手に興味や親しみ・好意を持つようになるという心理現象です。
カウンセリングで相談者が自己開示するには、信頼関係が必要だと言われています。冷静に考えると当たり前なんですけどね。信頼のない人間に、自分の想いをあけすけにポンポンしゃべる阿呆はいません。
私だってnoteで赤裸々に喋っているように見えますが、本当に信頼している人には言うことも見せる態度も違います。
誰が見るか分からないようなnote(特に無料記事)では、誰が見てもいいようなことしか喋っていないのです。
信頼を築く前には、まず相手に興味・親しみ・好意を持つ必要があります。
会う回数を重ね、相談者さんがカウンセラーにそれらを持つのはもちろんですが、逆にカウンセラーもまた相談者さんにそれらを持つことができるのです。
ちょっと想像してみてください。あなたはインターネット上で、自分の写真や日々のエピソードなどを配信している人です。
それを毎日熱心に見ている、まったく会ったこともない人が突然あなたの前にやってきて、興味と親しみと好意全開でおしゃべりし始めました。
そんなに好きでいてくれるのは嬉しいけど、ちょっと困惑しませんか?
また、たった1回出会っただけで、あなたはその読者(あるいは視聴者)に興味・親しみ・好意を持てますか? 相手をすぐに信頼できますか?
カウンセラーが相談者さんの痛みや悩みの原因をより掘り下げるには、カウンセラーもまた相手に興味・親しみなどを持つ必要があるのです。
もちろん仕事ですから、私だって初めて会う相手でもそれらを持つよう努力はします。しかし、やはりどうしても“回数を重ねて自然に生まれる興味や親しみ”には敵いません。
実際に私は、回数を重ねた相談者さんの方が話していてリラックスできるし楽しいし、より深い場所にある“原因”を見つけられるケースがほとんどです。
会う回数を重ねることで、その人の人生——それによって生まれた考え方・価値観などがわかるようになるのはもちろんですが、もっと単純に心の部分で“お互いに興味や親しみを持つ”ことが心理治療に必要なのです。
◆受ける間隔は短すぎても、長すぎても良くない
最近私は「天穂のサクナヒメ」というゲームにハマってゲーム内で稲作をしているのですが(今月からテレ東系列でアニメも始まっているようですね)、稲作の工程でもこういうことが言われています。
「短すぎても、長すぎてもよくありません」と。
カウンセリングの間隔も同じです。
問題の解決に焦り、短すぎる間隔でカウンセリングを受けようとすると、前回聞いた心理治療やワークの内容をまったく咀嚼しないまま次に行ってしまうので、結局何も身に付かなかったりするのです。
なので私は、短すぎる間隔のカウンセリングに関しては、結構前から忠告していました(実は)。最低でも1週間は間隔を空けてください、と。そうしないと、3日後とかにすぐ受けようとする人が出てきてしまうからです。
また、短すぎる間隔のカウンセリングにはもうひとつ問題があります。
それは、過度にカウンセラーへ依存する傾向が高くなるということです。
何か問題が起きるたびにカウンセリングを予約し、「あれはどうしたらいいですか?」「これはAがいいですか? それともB?」とカウンセラーの可否を得てから行動するようになったら、もう依存の始まりです。
カウンセリングの世界では、「だいたい1〜2週間に1回くらいのセッションが目安」と言われています(少なくとも私が読んだテキストにはそう書いてありました。人によって違うかも)。
といっても我々フリーカウンセラーの料金は病院・クリニック等のカウンセリングより高い(ことが多い)ので、1〜2週間に1回だと資金的に難しい、という方もいらっしゃるでしょう。
じゃあお金に余裕がある時にやればいい、数ヶ月に1回とか、半年に1回とか、1年や3年に1回とかでいいのか。
というと、私はそれにも疑問を感じます。
これはあくまで私の所感なのですが、あまりにも間隔をあけてカウンセリングを受けると、“結局、前回と同じ悩みを持ってやってくる”ことが多いのです。
私はこれがすごく不思議でした。フィードバックのないタイプのカウンセリングならまだしも、私のカウンセリングは、終了後に必ずまとめPDFをお渡ししています。
カウンセリングを受けていない期間でも、それを読んで復習できるようにです。
にもかかわらず、前回と同じ悩みを持ってやってくる。一体なぜ?
「あんなに苦労して作ったのにPDF読んでないんか?」と最初は思っていました(笑)。
しかし、「PDFを何度も読み返している」という人ですら、そういう現象が起きるのです。
私はこれまた度々、このnoteや色んな場所で“人間は忘れる生き物である”という話をしていますが、おそらくそれに関係しているのではないでしょうか。
カウンセリングを受け、自分にない視点で話をされ、「ああ、そういうことだったのか、スッキリした!」と感銘を受け、「これからはこういうことを気をつけて、こういう風に生きていくぞ!」と明るく目標を立てる———
が、日々の雑務に追われ、忙殺され、そういう気持ちを忘れるのではないでしょうか。
人間とは忘れる生き物であると同時に、現状を維持したい、今の状態を変えたくないという気持ちが強い生き物です。
つまり月日が経つと、せっかく考えを変えて生きようと思ったのに、自然と“前と同じ状態に戻ろうとする”心理が働いてしまうのです。
そこで私が必死でまとめたPDFを読み返したところで、「でも、ああだよなあ」「どーせ、こうだよなあ」「所詮、ああなるんだ」などと前と同じ心理状態で考えていたら、同じ問題で悩むのも無理はありません。
また、“自分としては前と違った考え方になっている”つもりでいて、第三者から見るとそうではない、という場合もあります。
これまた実際に相談者さんから、「前と変わったつもりだったのに、結局悩みの核は同じだった」と報告されたこともあります。
これは、私自身にも経験があるんですよね。
色んな人に悩み相談したり、色んなケースの問題に遭遇したりしても、よくよく掘り起こしてみたら「結局、私が自分自身の能力をまったく認めてないことが原因なんか〜い!」って思ったことも。
表面に浮き出ているトラブルや問題がまったく別のものでも、根っこは一緒でしたねー! ってことはよくあるのです。
そしてそれは、自分一人の力ではなかなか気付けないことが多いんですよね。だから定期的に第三者に見てもらって、「自分では〇〇だと思っていたのにそうではなかった」と気づく機会が必要なのでしょう。
カウンセラーさんと話すから・報告するから気をつけておかなきゃ、意識しよう、って身を引き締められる場合もありますしね。
◆もちろん、最終的に決めるのは自分
色々と言ってきましたが、私個人の意見としては、相談者さんがたった1回だけ受けて満足してor「ダメだ」と判断して二度とカウンセリングに来なくても、1年後に同じ悩みを持ってやって来ても、別にそれはそれでいいんじゃないかと思っております。
だって人生は自分で決めるものですしね。
ただ、人生がうまくいかない時、それを好転させるには「自分側に何かがあるのでは?」と考えてみることが必要なんじゃないかな、とは思っています。
というより、私がそうやって人生を好転させて来た経験があるからです。
また、そうなる前は、「あいつが悪い、周りが悪い」と思って全てを人のせいにして、どんどんドツボにハマっていった経験もあるからです。
「あんなカウンセラーに話したって何にもならない」とか思っていた時期もあったなァ〜〜〜〜は〜〜〜〜〜あ……。
まあ、相性もあるので、もしかしたら本当にその人のところへ相談に行き続けても何にもならなかった可能性もありますけども……。
その辺の話はこちらの記事で書いております。
気になった方は参考にどうぞ。
↓
周りが原因で苦しんでいるだけじゃなくて、自分の心にも歪みや軋みがあって苦しいのだと自覚できると、心理療法やカウンセリングの効果は高まります。
しかしそういうことって、知識がないと気付けないですよね?
継続して受けるかどうか、どういう間隔で受けるのか、最終的にどうするかを決めるのは自分だけど、知識もなしに適当にやっていると結局自分の望まない方向へ爆進してしまったりするのです。
だから知識って大事なんですよね。
経験した人の話を聞くのも大事です。
その他、今回のテーマに近い話や、カウンセリング関係の記事(全部無料)も集めてみましたので、気になるものがあればあわせてご覧くださいませ。
↓
意外とたくさんあったな……(笑)。
では本日はこの辺で。ごきげんよう、さようなら。
◆お知らせ◆
◎カウンセリングについて
本日7月30日(火)20時よりカウンセリングご予約受付開始します。
今回のお申込み期限は2024年8月8日(木)23:59までです。
詳細・お申込みは下記リンクよりどうぞ。
(※今回から文字チャットコースが無くなりました)
↓
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上記期限を過ぎた後はnoteや下記サイト上で随時告知していきますので、チェックしてみてくださいね。
お仕事全般のご依頼については、下記記事で詳細をご確認くださいませ。
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