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【No.2】ナルシズムの葛藤 〜俺は俺に150万円投資した〜

2年前、タイでの長期出張で半年間滞在して、その間は死ぬほど働いて、でも哲学とか経済学とか社会科学に関する本を色々読んだり、ネットやSNSとかYoutubeで同じ分野や、金融とか美容・健康について調べたり。その頃から自分をアップデートする方法を考えていて、帰国してから総額150万ぶっこんで自己投資を始めた話を書いてみようと思います。


このシリーズにおける過去の記事はこちら


言葉使いを常体にしようか敬体にしようか悩むのだが、今回は常体で書こうと思う。

低い自己肯定感の嘘

あるカフェに、週末になると高い確率で通っている。初めて行ってから8年ほどになるが、知性的な会話ができる数少ない場所でもあり、自分の無知を知る場所でもある。

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とある夫婦が営んでいる森の中のカフェで、そこのお母さんに「なぜ、あなたは自己肯定感が低いのか?」と、最近よく聞かれる。

確かに低いと思うし、前にも書いた"NU7"のエッセイの内容は、まさにそんな内容だ。

色んな制約を含んだ中で、書く練習も兼ねて種々な鬱に陥りながら、去年1年間をかけて磨り減らしながらも書いてきた原稿で、自分の内面に挑んでいるのが伝わってくる。でも、やっぱり自分を肯定していないし、これから自分を必死で肯定しようとしている。上述のお母さんは、低い自己肯定感の疑問とともに、「贅肉のない文章」と評してくれた。

1つだけ嘘をついている。

自分は自分を嫌いではない。
むしろ、好きだと思う。
けど、今の自分が不満なのだ。
納得がいかないのだ。

別の側面として、自己肯定感を低くしておくのは、自分の受けるダメージを低く抑えるディフェンス的な要素がある。なので、それ自体は悪い事ではないが、過度は逆効果になる。そんな事も少なくなかったと思う(謙虚と言えばそうであるが)。

しかし、本当に自己肯定感が低いなら、心の底から自分が嫌いで、もっと自虐的で、回りに壁を作るだろう。他と比較して誇れるモノを振りかざし、プライドの城壁から意味の無い矢を飛ばす。実際に、そんな残念な高学歴を、これまで何人も見てきた。

モテる人の特徴とか、誰からも愛される人物像とは、調べれていけば分かってくるし、ありたい姿とかを現実に近づける事は不可能ではない。でも、それを実行できるのも多くはない。

自分にも当てはまる事だが、部屋の奥の金庫の中で、大事な自分を大切に守って、愛でておきたいのではないだろうか?


ナルシズムの葛藤

こんな記事がある。

5~6年前に読んだ嫉妬に関する新書があって、そこにも似たような記載があった気がする。

こう考えている。
ナルシストは2種類あると。

一方は、どんな結果も受け入れて、それらも全部含めて、そんな自分が好きなナルシスト。もう一方は、内面に自分が理想とする自画像がありながら、現実の鏡に映る自分に納得ができないナルシスト。

自分は後者だと思う。
自己肯定感は低いし、鏡に映る自分は好きではない。でも、誰よりも変えたい自分がいる。同じようなことを考えている人は多くはないが、己を磨こうとしている人は必ずいるだろう。周りがそうしているからと言う理由でやっている人もいるが、長くは続かないだろう。

ありのままを受け入れてほしいと願うこともあるし、そう願っている人も多い。自分が落ちている時に、特に強くそう願うが、心を開けない自分が逆に足枷になってしまう。それは、慎重に自分を守るためでもあるし、その一方で自分が自分に納得できていない面もあるように思える。

生まれた時、母親から愛を一心に受けながらスクスクと育ち、何不自由の無い子供が初めて鏡に映る自分と向き合う。鏡に映る自分をどう捉えただろうか?

ポジティブか、ネガティブか?

もしかすると、自分はネガティブだったかもしれない。納得できない自画像を認識し、そのまま成長して、辛い青春時代に突入してしまったかもしれない。

自信を失くしていたわけではない。苦労して大学院まで出て、身体を壊しながらも良い仕事が出来てきたと思う。将来のライフ・キャリアプランに不安を抱えつつも、自分は高い次元に来ていると思う。でも、まだ足りていないのだと思う。理想像がどこかは見えていないが、今の自画像に納得はしていない。

それを認めて、ナルシシズムにどっぷりと浸って、自分のありたい姿を追う機会を得ることが出来たと、潜在的に思えたのかもしれない。伸びる伸びる長い人生の中で、長く心と身体が一致する自分であるために、自己肯定感の高い自分に近づけるために、自分に投資をして、アップデートを試してみる。

自分で自分に投資をするのは、自分の理想像を問いかけ、それが正しいかを問うテストでもある。


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