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ピクトさん愛に包まれる世界は、きっとやさしい

前職(東京)での取引先のデザイナーSさんは、非常に個性的な人だった。
初めて会うときに事前に先輩から『癖の強い人だから、好き嫌いがハッキリ分かれると思うけど、あなたは多分、気が合いそう』と言われ、いったいどんな人なんだろうとドキドキした。

実際会ってみると、確かに癖の強い人だった。
非常に腰が低くて、もう、こんなに低姿勢の人は今後も現れないんじゃないかと感じるくらいに低くて。気遣いが過ぎて、こっちが恐縮してしまうくらいだった。
世間話が好きで、その話が長くて、仕事の話になるまで遠いな... 関西の人かなって思うくらい前置きが長くて(実際はコテコテの江戸っ子。)
おもてなしやサプライズが大好き。そこに命をかけているんじゃないかって思うくらいに、プレゼントを贈ることを大事にされていた。

デザイナーとしては、アイデアがぶっ飛んでいて、ちょっと何言ってるか分からないと最初は思っていた。熱意が強すぎて暴走するから、わたしがその人のアイデアを理解して分かりやすくデザインに落としこめるようになるまで、初めて会ってから しばらく時間がかかった。

でも、わたしはSさんの人柄がおもしろくて好きだったし、Sさんの手掛けるデザインも好きだった。大胆な構図や色使いのようで、実は芸が細かく、技の光る職人のものだった。

そんなSさんと一緒に出張に行ったときのこと。

タクシーの中で『ピクトさんは素晴らしい』とSさんは熱弁し始めた。
「Sさん... ピクトさんって、なんですか?」わたしが聞くと『ピクトグラムのことですよ』とのこと。
あぁ、ピクトグラムなら分かる。非常口とか標識の絵文字、じゃない、さんと敬称が付くのだから絵人物だ。

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絵人物をピクトさんと言っている常識? と、わたしの頭がリンクしない程度に、わたしはピクトグラムに対して注意を払ってきたことがなかった。
Sさんのピクトさんへの愛を、タクシーの中で目的地まで延々聞かされたが、内容はあまり覚えていない。

・・・

ということがあったなと、実家のある関西に引っ越して、知らない街を歩きながら思い出した。ふと「ピクトさんを探しながら歩いてみよう」と思い、スマホのカメラを起動させた。


撮影後、自宅に帰り、ネットでピクトさんについて調べると「日本ピクトさん学会」がヒットした。ピクトさんへの敬意があふれているサイトだった。

ピクトさんという名前はピクトグラム(pictogram)に由来している。日本ピクトさん学会会長の内海慶一により2003年に命名された。 -Wikipediaより引用

写真フォルダに収まったピクトさんたちを見つめながら考えた。

わたしはピクトさんに対して、愛と敬意を持って接してきただろうか。

「いつも体を張って注意を促してくれていた」と思ったことがあっただろうか。そのデザインの素晴らしさに対して、考案した人を想像したことがあっただろうか。

そこにいるのが日常すぎて「いつも、ありがとう」なんて言ったことがなかった。意識したことすらなかった。


拝啓 ピクトさん。あなたが町中で体を張ってくれていること、これからもずっとそうして、わたしたちの生活に寄り添ってくれることに、感謝します。ありがとう。


ということで。
何番煎じか分からないけど、以下【身近なピクトさんをさがせ】の結果です。

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駅にめちゃくちゃいる。

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ピクトさんは働き者だ。

新しく見つけたら、個人的に撮影していこうと思う。

※写真は、安全第一で、危険のないように周りに人が居ない時等に撮りました。ピクトさんが「注意!」って言ってますからね。

(おしまい)