エシカルは意識高い系!?社会的メッセージを効果的に伝える方法
こんにちは。PAF MALLのエシカル男子、【14期】エシカル・コンシェルジュ講座受講生のカワムラです。
第10回講義「エシカルを拡めるには?~社会を動かすメッセージのつくり方〜」。講師:砥川直大(The Breakthrough Company GO クリエイティブ・ディレクター)。
つつつついに! 6月から始まったエシカル・コンシェルジュ講座も最終回も迎えました。僕たちPAF MALLも、エシカルなモノサシを拡めるべく取り組んでいる事業者ですが、真正面からエシカルというと、ときに”意識高い系ですよね”と言われてモヤモヤすることがあります。
本講義で最も印象的だったのは、「いい問いが、いい未来を生む」という考え方。
エシカル(=倫理的な)とは、法的な縛りはなくても、多くの人たちが正しいと思っていること。本来、人間が持つ良心から発生した社会的な規範こそがエシカルなのです。SDGsが目標であるのに対して、エシカルは、価値観をアップデートするための「問い」。
今は、"経済性重視の時代"から、"人間性重視の時代"への価値観の大転換期。エシカルな「問い」を最初に持った人たちを、ピラミッドの頂点に君臨していると考えると、エシカルは”意識高い系”の孤高な人たちと感じます。
でも、このピラミッドを90度回転させると、価値観の大転換をリードする人たちのように感じませんか。
みんなと同じ目線で、進むべき方向へとリードする人たち。未来を生み出していこうと、声を上げる人たち。そんなエシカルの伝えかた、拡めかたをしている人になれれば、人たち(チーム)になれれば、そのモヤモヤを分け合える、社会を変えていけると感じませんか。
”People care when they know(ちゃんと知ったら、無関心ではいられない)。
では、どのように社会的メッセージを伝えていったらよいでしょうか。
例えば、ダム建設の反対署名を集めようとして地域住民、とくに子育て中のお母さんたちへ呼びかけるとします。
ダムは環境を破壊します! → 離れたところに住んでるし…
水の底に沈む住民がいます! → かわいそうだけど知らない人だし…
県のやり方が乱暴なんです! → 私には関係ないし…
次の世代に莫大な借金が残ります! → この子に借金が!? それはイヤ!
環境(1)、リスク(2)、建築方法(3)などの懸念情報を伝えて響かなかったことが、税金(4)という情報を「次の世代への借金」という"意味"を伝えたことで、初めて自分ごととなり、ちゃんと知る機会となったのです。
この「自分ごと化」が、社会的メッセージの効果的な伝えかたであると語ります。
発信者の論理=伝えたい”情報”を響かせるためには、受け手の心理=相手、顧客、社会にとっての”意味”を知ってもらうことが大切なのです。
また、例えば男性の育休取得を増やしたい。そのために企業の男性へ呼びかけるとします。
30代 仕事大好き、期待もされている、最前線で活躍する働き世代へは → みんなに褒められますよ、取得第1号は企業、部署のイノベーター的存在ですよ
40代 長期育休取得したいが同じポジションで復帰できるか不安な世代へは → 人事などキャリアチェンジの幅が広がりますよ、マネジメントとしてのキャリアに有利ですよ
60代 男性育休に懐疑的、社内取得実績0の経営者へは → 若い人たちを採用できなくなりますよ、1億総介護時代に向けた準備が必要ですよ
いかがでしょうか。伝える相手の世代や立場によって、訴求すべき意味が異なるのがわかりますよね。
人の心に響く、人の心を動かすメッセージの伝えかた。そのポイントは「相手に合った意味(解釈)を提示」することなのです。
では、より多くの人たちにメッセージを届けるには。どのように、人を巻き込みながら社会を動かしていったらよいのでしょうか。
ここからが、あらゆる社会の変化と挑戦にコミットすることをミッションに掲げる「The Breakthrough Company GO」クリエイティブ・ディレクター、砥川さんの本職の領域。従来の広告やPR会社にようなクライアントとの受発注関係ではなく、ワンチームとして社会課題の発見〜解決策のアクション実装までをプロデュースするGOのクリエイティブ。
砥川さんが語った、多くの人たちへの社会的メッセージの効果的な伝えかた。それはまた来週ご紹介します。どうぞ引き続きおつきあいください。