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「ゴミ」はエシカル・リテラシーを語る!?

こんにちは。PAF MALLのエシカル男子、【14期】エシカル・コンシェルジュ講座受講生のカワムラです。

第4回講義を受講してきました。テーマは「マシンガンズ滝沢さんと考える”ゴミ”問題 ~ゴミは捨てて終わりではない~」(講師:お笑い芸人・ゴミ清掃員 滝沢秀一さん)

滝沢さんは、お笑い芸人として活動する傍ら、2012年にゴミ収集会社へ収集作業員として就職。現在も芸人と兼業で、ゴミ収集の仕事を続けています。SNSでは、日本のゴミの現状、ゴミにまつわることなどを発信。ゴミに真摯に向き合うその姿勢には、僕も注目していました。

ゴミは現代の生活と切っても切れない、最も身近なもの。その人の生活を浮き彫りにするものであり、その人自身を語るものかもしれません。それだけに、考えさせられることが多い講義でした。。


ゴミは、出した人を語る

ごみ収集の小・中型パッカー車の最大積載量は約2トン。一回に40〜45リットルのゴミ袋を約90袋積めるといわれています。それを、収集作業員の人たちは、一日6回収集作業を行ないます。

滝沢さんは日々のごみ収集から、ゴミはその地域の人たちの生活の縮図であると感じるそう。ゴミ自体、量、捨て方などから、地域の民度、ゴミを出した人のエシカル・リテラシーが見てとれるとも。

例えば、高級住宅地と一般住宅地では、ゴミの傾向が異なるといいます。住宅地のエリアごとにゴミの傾向が異なるというのも不思議なものです。

<高級住宅地のゴミの傾向>

  • ゴミが少ない

  • タバコの吸い殻が少ない

  • 健康グッズ、高級美容液、テニスボールなどが多い

<一般住宅地のゴミの傾向>

  • ゴミが多い

  • タバコの吸い殻が多い

  • 栄養ドリンク、発泡酒、ファストファッションの服、特典付きCDなどが多い

  • かつては100円ショップの商品が多かった

高級住宅地の人たちは、自分の生活に必要なものに消費していて、自己投資のゴミが多い。一般住宅地の人たちは、小さな消費が大きな消費に積もっていて、他者投資のゴミが多い、ということでしょうか。なんかわかる気がします。

  • 地域の生活に沿った、似たようなゴミが一挙に出る(健康機器「ジョーバ」は同時期に一挙に出されたそう)

  • ルール違反のゴミはいっせいに出る(誰かがやっているから自分も)

  • ゴミ箱と集積所の違いがわかっていない(網を被せてくれない、網に触りたくない)

  • ルールを知らない違反ゴミと、確信犯的な違反ゴミはすぐにわかる(嘘をついて出したゴミは、その後ろめたさの気がゴミから出ている!?)

など、滝沢さんの経験に基づいた、ゴミを出した人のマインド推察は、聴講している僕も容易に想像できるほど的確でした。

きっとそうなんだろうな…と感じるのは、自分自身も身に覚えがあるから。。

自分がゴミを出している認識はありながら、見たくない、匂いなど存在を意識したくない、できれば触りたくない、見られたくない、指摘されたくない、自分一人くらい、みんなやっているなど、ゴミについてはどこかネガティブなマインドがよぎります。

ゴミを出すことで自分の作業は完了。その先は集合住宅の管理人が、ゴミ収集の作業員がやってくれる。さらにその先のことは、あまり考えたくない、考える機会がない。

なぜ、ゴミについて語られることが少ないのか。それは各々が、自分を、生活を、人生を丸裸にされてしまうような、見られたくないもう一つの姿として認識しているからではないでしょうか。ある意味、排泄にも通ずることかもしれません。

だからこそ、滝沢さんのようにゴミについて語ってくれる、語る機会をつくってくれる人の声は響きます。


滝沢さんのライフワークとは

滝沢さんがゴミ収集の現場で心を痛めていることが、食品の廃棄が多いということ。

秋になると、お米をゴミに出す人が増えるといいます。新米の時季になり、それまで食べていたお米をゴミに出す人が増えるのではと語ります。

傷んだものではなく、まだ食べられる野菜や果物を、袋に入ったままゴミに出す人もいるそう。

人からもらった食品、一つ買ったらもう一つプレゼントなど無料で入手した食品。そういった、懐を痛めない不要な食品だから、ゴミに出すということかもしれません。

ゴミ収集員は、ルール違反でないゴミは収集しなくてはなりません。滝沢さんは職務をまっとうしながら、食品ロスに加担しているような気持ちにもなるといいます。

食べないならゴミに出せばいい、というマインドを変えたい!
ひいては、食品ロスをなくしていきたい!

これが、滝沢さんがゴミについて発信している、大きなモチベーションになっているのです。

日本では、年間約523万トンが食品ロスとなっています(2021年)。これは、日本人一人あたりが、毎日お茶碗一杯分のご飯を捨てている量といわれ、国連WFPの2022年の食料支援量480万トンよりも多いのです。

一人一人が本当に生活に必要なものだけを購入し、消費し、分別して、ルールに沿ってゴミを出すことで、日本のゴミの現状は大きく変わります。皆さんも想像がつくのではないでしょうか。

では、日本のゴミの現状はどうなっているのでしょうか。ゴミを出して、収集されたその先のお話です。

それはまた次週お届けします。どうぞ引き続きおつきあいください_〆( ̄ー ̄ )


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