![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/34153315/rectangle_large_type_2_046f4fa9a6ba02ab381e77d63afe87e9.jpeg?width=1200)
親子のリレー
一
そういえば雪
白雪が降っていた
空の奥から溢れる様に
まるで神様の落とし物みたいと
息子は溢れるように笑った
夕焼けは嫌いだった
一瞬、刹那に瞬いて
こんな文みたいに
破綻していても
夕焼けはその橙で
皆の視線を掠め取るだけ
二
父の書斎が好きだった
本の香りとインクの香り
なんだか高そうな万年筆
成長してそれは安物だと知ったけど
”小さい背中”と題された
父の書いた小さな詩集は
今では高く売れるそうだ
三
なにが言いたいのだ
なにもかも
生きている事
死んでいる事
そんな当たり前なchaosに浸って
朝が来て縁側に座った
当たり前の木々の
当たり前の葉っぱに
朝の滴が滴って
なぜだか僕は涙が出た
この朝を捕まえようと
僕はサンダルを片手に
庭へ出る
そういえば雪
白雪が降っていた
空の奥から溢れる様に
僕は思わずくしゃみをして
鼻をかむ為、家へ戻った
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?