素敵な孤独
なにを書こうか。
という時に限って
原稿用紙の余白が
漠々とした砂漠のように
広がって
そこで僕は
一人で立っている
”ただゆっくりと眠れる夜が欲しい
まどろみのうちに
そのまま眠れる夜が欲しい”
原稿用紙の余白は
知らぬ間に文字の高層ビルにおののき
静寂から一歩ずつ尻込みしている
”世界はこれでよいのだ
完全さと不完全さの間で揺らぎ
とこしえに眠る夜を探す
これで世界はよいのだ”
ついに原稿用紙にちいさい人々が住み始め
ざわめき、疑い
愛し合っている
そこで僕は
一人で立っている
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