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【コロナと私の日常】 Day94

94日目 8月8日(土)

蒸し蒸しとした熱気の中で目を覚ます昼頃。夏を感じて、なんだかえもい。

もそもそと起き上がり、出かける準備をする。今日はバイトの面接からの、友人の家でお泊まりの予定がある。

13時頃に以前行った寿司屋で母と寿司を食べる。バイトの面接が14時半からなのにもかかわらず、まだ履歴書を書いていない。相変わらずのギリギリ生活。焦ってはいるものの、優雅に寿司を食す。はあ、幸せだ。お寿司は日本食の中でもやはり最強だと思う。でも、ふと疑問に思う。全国に寿司職人は、一体どれくらいいるのだろう。一体何を思って、なにがあって、寿司を握って生きていこうと決意するのだろう。とても気になる。

寿司を堪能している間に、いつの間にか14時になっていた。あと30分で履歴書を印刷し、記入するのはもう無理だと思った。どうしようもない私は、それでもクズになりきれなくて、ナチュラルローソンの前で断りの電話を入れる。ごめんねバイト、さよならお金。新しいバイトをするのは、当分無理かもしれない。

鷹の台にある友人の家へ遥々やってくる。1時間くらいかかった。祖父母の家が近いけれど、万が一コロナを移してしまったら大変なので、もちろん行かない。お酒などを買って、家に行って、一旦おしゃべりして、たこ焼きパーティーの材料を買いに再び外に出て、帰路に着く。

たこ焼きにはタコだけじゃなくてチーズ、キムチ、エビ、ウインナー、チョコなどを混ぜて食す。美味い。たこ焼きって最強かもしれない。寿司の次にはたこ焼きが来てもいいくらいにはとても良い。

吉本ばななの『キッチン』を読む。鷹の台までの電車の中で読んで、柄にも無くぽろぽろと泣いてしまった。人を失うこと、今という光の中で生きていくということ、人の中には宝石が潜んでいるということ。ことばの一つ一つが、キラキラと宝石のように輝いて、私の心の奥深くに染み込んでいく。簡潔な文章なのに、こんなにも沁みるのは、なぜだろう。なぜこんなに、涙が溢れてくるのだろう。一文、また一文と読み進めていくごとに、涙が溢れそうになるのをグッと堪える。こんなに美しくて儚い文章を書けるのは、きっと吉本ばななくらいだろうとさえ思える。辛くても、辛く無くても。全人類に読んでもらいたい小説だ。

ああ。今日は、おもひでぽろぽろ。

おやすみ。


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