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【精神疾患について説明する⓪】精神疾患の発症について説明

こんにちは。えめです。

最近、コメント欄に、精神科疾患の大枠としての考え方をご質問いただきました。

そもそも、精神科疾患とは?

について、ちゃんとお話していなかったので、
今回は補足記事

精神科疾患とは?

についてお話したいと思います。


ちなみに、私は看護師ではありますが、
看護師より患者としての方がプロです←

そのため、本記事は、
患者目線からまとめたものであり、
医療的な本や記事とは視点が異なります。

そもそも、精神科疾患は外から見ると、
木の中の枝葉の先っぽしか見えないので、
医療という科学集団はその幹を語ることはできておりません。

見えないのです。


見えないなりに援助技術は存在しますが、
そもそも、見える範囲は見えていた方が良い。

支援者の勉強不足は、患者さんが負担することになりますからね。

ということで、
今回は、うつ病を基準に、
全般的な説明をできるように工夫するので、
上手く伝わるといいなと思います。


精神科疾患が起きる理由

突然ですが、

あなたは家を出た後、
忘れ物をしたとき、どうしますか?

「取りに帰る」だけじゃないですよね?

人によって答えは違いますし、
状況によっても答えは変わります。


精神科疾患も似たようなものです。

「答えは一つじゃない。」

幹は「忘れ物をした」という同じ問題でも、
状況や環境が違えば、病名だって変わる。

同じ病名だって、違う症状が出る。


頑張らないといけなかったら「双極性障害」になることもあるし、
自分を責めて「うつ病」になることもある。

何かを頼りに頑張ろうとして「依存症」になったり、
周囲を気にし過ぎて「統合失調症」になったり、
環境をコントロールしようとして「人格障害」と呼ばれる診断名がついたりもする。

(人格障害の病名の響きの悪さなんとかならないのかな…)


ちなみに、「てんかん」だけは、
私ちょっと語れません…

エビデンスも曖昧に、
簡単に「てんかん」って診断つけて、
誤診もやたらに多いし、
実際に脳神経障害があると、難易度がすごく上がるので…

個人のパターンがあれば、一緒に攻略も考えることができますが、
こういう不特定多数への記事としては(小声→)ちょっと医療が散らかしすぎなので…

なので、てんかんについては、記事内使える要素を使っていただけたらと思います🙇🏻‍♀️


話を戻します。


さて、ちょっとわかりやすいように
例えをいれますね。


精神科疾患を発症する時というのは、

簡単に言えば、
ストレスがパンパンになった時です。

ストレスとは?

答えられますか?

ストレスとは、
身体や心の負担になっていれば、
それはもう「ストレス」です。


ここを科学的に説明する必要性は医師に託します。


人のストレスの許容範囲を「浴槽」に例えると、

ストレスは蛇口から出てくる「水」です。

ストレス解消をすると、
「栓」を抜いて「水」を排出します。


なので、精神疾患を発症していない方は、

「上手に蛇口を調節して、上手に栓を抜いて、
浴槽がパンパンにならないように調節している」

といえます。


蛇口を止め過ぎると、
蛇口の向こう側で水道管が破裂して、被害を被るかもしれない。
(周囲の人にかなりの迷惑をかけてるかもしれない。迷惑かけられた人が爆発して、なんらかの被害を被るかもしれない。)

栓をいつでも抜いていると、
髪の毛やらが溜まって、詰まるかもしれない。
(糖尿病とか、生活習慣病になるかもしれない。)

適度に浴槽に水が溜まるタイミングを作っておかないと、浴槽にホコリやらなんやら溜まるかもしれない。
(人生腐るかもしれない。)

精神疾患を発症していない代わりに、
別のリスクを生じている可能性はあるので、
浴槽がパンパンにならなければいいって訳でもないですが…


まぁでも、
パンパンになってしまうと、
少なくとも神経系に異常をきたして、
身体が動かなくなったり、
興奮しすぎてしまったりします。


医療では、
この神経系の異常のパターンによって、
疾患名がつきます。

異常のパターンが変われば、
疾患名は変わることもあります。

異常の見え方の判断が変われば、
(違う医師が見れば)
違う疾患名がつくこともあります。

つまり、
疾患名はそんな重要ではないです。



問題は、

パンパンになって、
「本人にとって」どのような問題が生じたか?
なぜパンパンになったか?
栓が機能していないのか?
蛇口がおかしいのか?
水道がおかしいのか?

っていうことです。


精神疾患患者さんが敏感な理由

ちなみに、
「なんでこんなことくらいでそんな大騒ぎするの…?」
って精神疾患患者さんに感じたことがあるかもしれません。

そう感じるのは、
患者さんの状態が「すでに浴槽がパンパンになって水面に表面張力が働いている状態」だと理解していないからです。

理解していれば、
水を追加することを躊躇うでしょう。
(立場上、水を追加することを逃れられない時もありますが)

患者さんからすれば、
表面張力が働いているくらいパンパンなので、
ちょっとコップ一杯の水を入れただけで、
崩壊…悲劇です。

「そんなに溜めなきゃいいじゃん」って思うかもしれません。
でも、患者さんからしたら、
そのセリフはかなりマリーアントワネットに近い。

患者さんは悪くありません。
あなたがまだ知らない不幸がこの世には存在します。
避けられない事情があるんです。


ちなみに、
支援者が栓を抜く手伝いをしないといけないこともあります。

が、表面張力が働いていると、
栓を抜くには水面に手を突っ込まざるを得ないので、
その時は崩壊させないといけません…

もうちょっと早くに相談してくれたら…
ってなっちゃう話です。

そこは一回発狂しても、
支援者を許してほしいです。


浴槽がパンパンになるまで気づかなかった患者さんが悪い。
という訳でもありません。

現代社会はロボット的な教育を推進しすぎてて、
「何が人にストレスを溜めさせるか」ということを気にしていなさすぎる面があります。

なので、
勝手に人の家の浴槽に、
自分の家の排水を垂れ流す人も少なくありません。

そこそこ、
「みんな悪い」です。

両成敗じゃないです。

みんなもっと視野を広く持って、
社会全体で反省すべきと思います。


精神疾患が起こる原因と困難

細かい原因は、
引き続き、シリーズを組んで発信していきますが、
大まかなところについて補足します。

先ほどの、浴槽の例えに続けますが、
浴槽の水がカラービーズに変わったと想像して下さい。

カラービーズは、
よその家からホースに繋がって出てきたり、
親が追加していたり(毒親系)、
職場から大量に持ち込まれたり、
天井から降ってきたり、
蛇口が何個もついていたり…
様々な方法で、様々な色のカラービーズが搬入されます。

浴槽にとっては、
それが何色のビーズだとか関係ないです

身体的な色のカラービーズだろうが、
精神的な色のカラービーズだろうが、
社会的な色のカラービーズだろうが、
運命的な色のカラービーズだろうが。

何色だろうが、溜まれば一緒です。


ところが、
治療する主にとっては、
それが何色のカラービーズかということがすごく重要

ここです。
医療職と患者さんの距離を作る原因


患者さんはストレスをどうにかしなさいとだけ言われるが、

何色のビーズが多くて、
どこからその色のビーズがでているか確認して、
どうやったらそこが止まるか調べて、
交渉なり対処して、
やっとこさ一つの色のビーズの追加を止める

しかし、一つの色のビーズを止めようが、
他のビーズは止まらない

ただでさえ、
カラービーズが浴槽にパンパンです。
何色のビーズが入っているかとか分からなさすぎて見たくないのが現状ですよ。
その判別から始めるのです。

判別〜止めるまでの、
この大変な工程を、
自分に余裕ないのに、
何回も繰り返して、
自分の浴槽にカラービーズが溜まらないようにします。

ほぼ、一人で。

この膨大な作業を、
簡単にやれなどと言うから、
医療は心の中で患者さんにぶっ飛ばされるんです。
(多くの患者さんは口にも手にも出さないでしょうけど)


たしかに、
身体的なものでない限り、
医療にはカラービーズの追加を止めることはできません。

だからといって、
「ストレスを減らしましょう」
って言うだけの支援にはため息しか出ません。

「ストレスを解消しましょう」
の支援に至っては、
「ふふふ、ストレスがどれだけ溜まっているのか見えているのかな…?」
って心の包丁をシャーコシャーコ研ぎながら聞きたいレベルです。

余暇活動の充実に力を入れている看護や、
お世話に力を入れている看護もありますが、
本業はアセスメント(分析)が基本です。
(日常生活のお世話はヘルパーさんや介護福祉士さんのテリトリーです。医師もアセスメントをしますが、より日常に寄り添ったアセスメントをして医師と連携するのが看護師です。)

患者さんだって、本来はカラービーズの分析から付き合って欲しいのですが…
「せめて(役に立たないなら)日常の援助をして下さい」って言う方も少なくありません。

どれだけ医療が患者さん(現実)と乖離しているかがわかるかと思います。

進んでいるところは、
一緒に分析して、一緒に対処してると思いますが、
運命的なカラービーズを扱えるところや、
風呂場のリフォーム(人生生まれ変わりの支援)をしているところは、
数えるほどだと思います。


見えないだけで、患者さん達は本当に大変なんです。

幻聴の話をしていようが、
話がポンポン飛んでいようが、
ずっと同じ話をしていようが、
絶対に本人にとっては筋が通っていて、
絶対にビーズの判別だってできるんです。

是非、耳を傾けて一緒に考えて欲しいと思います。

まとめ

若干話が散らかりながらだったので、まとめますね。

✅ストレスがパンパンになったら神経系に異常が出て精神疾患になる
✅神経系の異常の出かた、症状の出具合、対処行動(問題行動)のやり方などは、個別性がある
✅↑を見て医師が診断名をつける
✅疾患名じゃなく、調節機能のどこに問題があるのかが大事
✅ストレスにはいろんな種類や出どころがある
✅ストレスを軽減させるのは膨大な作業が必要
✅本人要因ではないところも多い。社会にも反省が必要
✅医療と患者さんに乖離が多い。医療はもっと患者さんの困難を理解する必要がある。


長文最後まで読んでいただきありがとうございました🙇🏻‍♀️

こういった前提のもと、原因分析のためのシリーズを作成しております。
難しい長い文章なので、ちょっと作成にもこれまでより時間がかかっており、毎日投稿には程遠いですが、いろいろある中頑張っているので、応援していただけると嬉しいです☺️
いつもスキやコメントしてくださる方、本当にありがとうございます🙇🏻‍♀️✨

飽き性なので、シリーズに飽きないように、別の記事も挟みながら、ゆっくり頑張っていこうと思います🙇🏻‍♀️

また、うつ状態についても、もう少し説明が必要そうなので、今度いつか記事にしますね。
リクエストもお応えできそうなものはお応えします。コメント欄にお願いします🙇🏻‍♀️


えめアセスメント

精神疾患の原因説明シリーズ



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