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「おもろい以外いらんねん」大前粟生


おまえは自分がカラッポなことが怖いねん。
それで不安やから笑いを生もうとして、笑いを生めば生むほど
カラッポになっていくねん。
おまえはおまえの好きでカラッポになってんねやから
無理して抵抗すんな。
無理して泣いたりすんなや。
おもろい以外いらんねん。


お笑いで漫才といったら、又吉さんの「火花」を思い出す。

当時芥川賞が決まって、
又吉さんの「火花」を手に取って読んだ時、
正直難しかった。

映画やドラマを見て、やっと理解できた。

売れない芸人の葛藤。

お笑いが大好きで、お笑いに心を救われて。

芸人さんに少しでも、心を救われた人に、

お笑い芸人の裏側としてこのお話を読んでみてほしい。

そして、「火花」とはまた違う芸人の小説として
色眼鏡なしで楽しんで欲しい。


主人公は、梅雨が苦手な滝場(通称タッキー)。
その滝場と共に毎年、
梅雨の時期に学校へ一緒に登校する咲太。
読モをしている男前の同級生ユウキ。

この3人が中心となる。

文化祭で漫才をすることになった滝場。

滝場が選んだ相方は、親友の咲太ではなく、
出会って間もなかったユウキだった。

高校生で出会った3人が、
10年後、再び出会うことになる。

文芸誌、文藝で偶然出会った、
作者の大前粟生(おおまえ あお)さん。

関西出身ということで、
関西弁がとても自然だった。

そして、作中に出てくる漫才が本当に面白い。
もう、すでに完成されてます、師匠。

作中に何度も出てくる、

おもろい以外、いらんねん。

この言葉が何を意味するのか。

ただ、笑わせられたら、それだけでいいのか。

容姿や、言葉で、いじり倒したらおもろいのか。

ブスだとか、ハゲてるとかそんな表現で
人を傷つけて笑いをとる世界はもうやめよう。と
セクシャルな部分にも言及する。

今は、

ぺこぱ。

みたいな笑いがいいのかもしれない。

誰も傷つけない。
悪くないだろう。ヒュウーッ。(脳内ぺこぱを再生してください。
はい、どうぞ)

去年、想像してた世界とは違う世界が今周っている。

もう2020年より前に、
自分がどんな生活をしていたのかも忘れてしまうくらいに。

当たり前が変わっていく。
変わることは怖いことじゃない。
まだ慣れていないだけ。

お笑いも、どんどん変わっていく。

テンション高くて、よく喋る人だけがいればいいんじゃない。

ボソッと面白いこという人がテレビに出ていたり。

みんな違って、みんないい。
(なんか、人権メッセージ伝えようとしてるんかね。)

常識なんて、ぶっ壊せ。わっしょい。

お笑いというテーマの中で、
人の在り方、女性と男性を差別的に見てしまってるんじゃないか。

そこまで、考えた。
深い。

私は、大前粟生さん、大好きです。

違う、作品もチェックしていきたいです🌟

お気に入り作品に、殿堂入り。

単行本の表紙もカラフルで素敵ングです❤️


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