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Cathedral / Staind Glass Stories

■Cathedral / Staind Glass Stories
■収録曲:Side 1 - 1.Introspect(12:35) 2.Gong(7:00) 3.The Crossing(5:55) // Side 2 - 1.Days & Changes(8:35) 2.The Search(11:20)
■パーソネル:Paul Seal(vo,per,b-pedal)、Rudy Perrone(g,vo)、Tom Doncourt(key,mellotron,glocken,per)、Fred Callan(b,b-pedal,vo)、Mercury Caronia IV(ds,vib,per,devices)
■カバー・アート:Lisa Maniscalco
■リリース:1978年

ペラペラの紙を折り畳んだマーキー盤レコジャケ

 このカテドラルは、UKのドゥームメタル・バンドではなく、1970年代のアメリカのバンドです。1978年リリースされた唯一のアルバムです(・・・であったはずなのですが、何と2003年にキーボードのトム・ダンコートが他のメンバーを一新してカテドラルを再結成してアルバムを発表しています。)。

帯っぽい解説を輸入盤につけたっぽい

 上の写真はマーキーから発売されたジャケットが厚紙を2つ折りにしただけという謎のレコードです。輸入した再発盤に日本語の帯一体解説をつけた粗悪な装丁。ところが2010年に同じマーキーから発売された紙ジャケSHM-CDは、オリジナルに忠実に作られたものでした。絵と相俟ってインディーズ特有の緩さの目立つデザインです。この前に輸入盤CDが出ていましたが、それはロゴだけ棘棘のメタルっぽいレタリングに変えられたものでした。

オリジナルに忠実な紙ジャケCD表

 一方で、彼らが演奏する音楽は、なんだか南部っぽく芋臭い風貌からは想像もつかないくらい複雑な正統派シンフォニック・ロックです。しかも、インスト・パートの畳み掛け方はキング・クリムゾンです。メロトロンの白玉和音を背景にしたノイジーな演奏は、スウェーデンのアネクドテンとアングラガルド(エングラゴ~の方が発音に忠実?)を足して割った感じかと思います(時代は全くちがってて、こちらの方が随分と前ですけどね~)。

加えてカテドラルは、それよりも、さらに多彩な表情をしています。アレンジ面で、アコースティックな音の混ぜ込み方が秀逸なので、より奥行きが深い、よりシンフォニックな音になっているのだと思います。吹っ切れた能天気さに象徴される所謂アメリカらしさが皆無であるところが逆にいえば個性なのかもしれませんね。

紙ジャケCD裏

聴き込むとすごくいいのですが、何度も繰り返して聴かなければどういう音楽なのかメロディーをどのように捉えればよいのかといった曲全体の構造というか流れがよくわからないくらいにポップさのかけらすら見当たらない点は流石マイナーなバンドです(笑)。

なんと、嬉しいポスター付き!

 しかし、聴き込むに連れ、部分的にフレーズが耳に染み込んでくるようになると、なかなか味わい深い音楽だなぁということがわかってきます。まぁ、言ってみればさきイカを奥歯で噛み返しているような味わいのある不思議なアルバムかもしれません。

 最初ちらっと聞いただけでは音がす~っと入ってこないのに、聴き進むにつれ新たな発見があるというのは、思い起こしてみれば、大昔にイエスのこわれものや危機やリレイヤーを聞いたときも同じだったなぁと・・・。

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