ラジオ体操
夏休みの朝、始まるラジオ体操。
小学生の頃、私はほぼ毎日参加していたと思う。
出席カードを首から下げて公園へ向かい、集まった皆とラジオ体操を行う。終われば列に並び、お母さん方がカードにスタンプを押してくれる。集めると最終日にはプレゼントが貰える。
私の母は、子ども会など様々なことに参加しており、ラジオ体操の係もしていた為、私と妹は有無を言わさず参加させられた。眠い目をこすり「まだ寝ていたい」「今日も行かなきゃダメ?」などと不満を垂れ、寝ぼけながら母について公園へ向かう。その公園が近いならばまだいいのだが、15~20分も離れた場所にある。小学生は寝ても寝ても眠い。それも体力があるからなのだと、大人になってから身に染みて感じる。大人も子供も、誰にも起こされずゆっくりと寝ていたいものだ。
だがどんなに眠たくても、朝の澄んだ空気を吸って歩き、公園に着くと友達や友達のお父さんお母さんに挨拶をして、ラジオ体操をする。するとだんだん目が覚めて清々しい気持ちになってくる。家に帰る頃には、おなかが空いて朝ごはんをしっかり食べられる。
私の夏休み中の健康はラジオ体操によって守られていたのでは、とさえ思えてくる。強引に有無を言わさず連れていった母、当時は“ラジオ体操に行けと言わないお母さんがいい”と思っていた私。反省してほしい。
現在はかなり少なくなり、地域によっては行われている場所もあるようだ。無くなった背景には騒音、自治体や子ども会の弱体化、コロナ禍など様々な問題があるらしい。生活スタイルやテレワークの普及も関係していると。
確かにただでさえストレス社会。大人達はとても大変なのだろうと感じる。そこには多種多様な理由があるのだろう。今の時代の子供達は習い事が多く、体操や運動もラジオ体操だけではない。時代は変わっていくもの、しょうがないこととも言える。
しかし同時にさみしい気持ちにもなる。
今年に入り母は血液検査の結果が悪く、医者に運動を勧められた。
「スポーツをすると身体の負担になりそう」
「雨の日や猛暑だと外を歩くのも辛い」
「スマホをあまり活用できない」
そんな母にラジオ体操を勧めた。
全身運動になるので毎日するといい、とどこかで聞いたことがあるからだ。母の歳になると新たに覚えることも大変で、運動へのハードルがとても高い。
しかしラジオ体操だと、
“私にもできる“ ”続けられそう”
になるようだ。
また朝に起きられなくても、TVでお昼の時間帯にやっていることもいい。スマホを活用できるのであれば、YouTubeを見ていつでもできる。
そうして母は、おそらくあの頃以来初めてのラジオ体操を行い、毎日続くよう挑戦中である。
実家に帰ればまた一緒に体操をして、朝ごはんを作り一緒に食べたい。
P.S.
義母から頂いた朝顔のタネを撒き育てたら、
先日かわいいお花が咲きました!!
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