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1月22日 わたしを取り戻すひとり旅

2泊3日の大阪ひとり旅が終わりました。

行きの新幹線で書いた文↓

旅のいちばんのメインだったライブのあと、わたしはホテルに戻らずに梅田の「サウナ&スパ 大東洋」に直行した。
とくべつサウナが好きというわけではないけれど、大阪に来たらここに行きたくなってしまう。1年ほど前にわたしがサウナデビューし、その気持ちよさを知ってしまった場所だ(大阪から転勤してきた先輩にこの話をしたら「女の子が1人で行くようなとこちゃうで」と言われてしまったけれど)。

ひさしぶりにサウナに入ると、余計な考え事ができなくなって頭がすっきりした。耳のなかではまだ草野マサムネさんが歌っているから退屈しなかった。
水風呂にはまだ入れない。冷たいシャワーで精一杯だった。

ホテルに戻ってすぐにライブで感じたことを書いた。なにもかも忘れたくなかった。
シンと静かなホテルの部屋にいると、耳からまだスピッツの音がした。

翌日はほとんど予定を決めていなかった。
喫茶店でモーニングを食べてから難波の大きなシネコンで映画を観た。それからまた喫茶店に入って映画の感想を書き、本を読み、店を出て歩きながら目についた本屋さんにふらっと入り、そこで買った本を携えてまた喫茶店に入る。そんなことを繰り返していた。

そうやって自由な一日を過ごしていたら、なんだか自分を取り戻せているのがわかった。
わたしはもともとマイペースな性格で、ひとりで本や映画をたのしむ時間がすきで、流行りのお洒落なカフェより古い喫茶店に居心地の良さを覚えるほうだった。

毎日慌ただしく仕事をしているうちに、そんなことはすっかり忘れていた。仕事ではマイペースさを封印してとにかくテキパキ動くようにしていたし、わたしの仕事はとにかく臨機応変の連続、というか「臨機応変」しかしていないようなもので、休憩時間も本を読むとか外に出てのんびり過ごすとかは全くできないから。
この仕事がすきでやりがいも感じていたけれど、それを繰り返していたら本当のわたしは死んでしまっているも同然だった。

そう気づいて、デパ地下で551とサラダとケーキを買い、すぐにホテルに戻って食べた。
今夜もまた「大東洋」で自分を甘やかす必要がありそうだなと思った。

大東洋で、昨日から気になっていたオイルリンパマッサージを受けることにした。少し躊躇してしまう値段だったけれど、わたしなりに思い切ったつもりだ。
中国語とたどたどしい日本語を使い分けるおばちゃんに施術をしてもらった。お姉さん肌綺麗ね、と言われた。
気持ち良くて寝てしまいそうだった。施術が終わったあと、おばちゃんは「疲れてるね。ゆっくりサウナに入って休んで、これで少し疲れがとれるといいね」と言ってくれた。おかげで深い眠りにつくことができた。


翌朝、チェックアウトギリギリに支度をして、のんびり駅に向かう。新幹線の時間まで少しあいていたので、また喫茶店に入って本を読む。

行きの新幹線で読んでいた、オードリー若林正恭さんのエッセイ『社会人大学人見知り学部卒業見込』の残りを読み終えた。
おそらく長いトンネルを抜けた頃の若林さんの "行きたい所がいっぱいあることがとても嬉しかった" という一文が強烈に残っていた。
わたしもまだまだ行きたいところがたくさんある。やりたいこともある。人生捨てたものではないと思えた。

ありがとう、大阪。スピッツ。喫茶店。映画館。本屋さん。大東洋のおばちゃん。若林さん。

次はどこに行こうか。

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