彼からの予定を断り続けていたら1ヶ月経っていた さすがにと思って予定を立てたのが1週間前 今日は1ヶ月ぶりだった 夕方彼からLINEが届いた 「収録はやく終わったからいつでも大丈夫だよ」 テレビの収録が思ったより早く終わったらしい そんなことお構いなしに 予定通りの時間に彼の家の最寄り駅に向かった 「あと5分でつきます」 「お腹空いてる?俺空いてるんだよね 迎え行くついでになんか買おう」 彼が駅で待っていてくれた 飲みにいくかコンビニかラーメンか 色々案を出して
大晦日、彼から連絡がきた 「今日なにしてるの?」 ひとり寂しく家にいたから連絡をくれたみたいだが 結局先輩から呼ばれたらしい 先輩芸人がsnsにあげた写真には彼の姿があった なんだかんだで結局1月3日に会うことになった。 彼の家に着くと開口一発「あけましておめでとう!」 と笑顔で出迎えてくれた めでたい三が日にセフレに会っている自分 なんだか胸が痛い 1日は親戚の家で過ごしたと話す彼 そこで死ぬほど酒を飲まされたと言っていた そのせいで体調が悪く 2日は1日中家
気づいたら彼と関わるようになって 半年が経っていた。 初めて会った日は お互いに半袖で「暑いね」といいながら 冷房の部屋に駆け込んでいたが 今ではマフラーをしている。 木造の寒過ぎる彼の部屋は 暖房と電気ストーブのダブル使い 2人して電気ストーブの前で丸まっていると 汗をかいていた日を鮮明に思い出す 偏見だが芸人との関係なんて ワンナイトか都合の良い女で終わると思っていたけれど なんだかんだ私は平等な関係を保てている 彼から1週間に1回は会いたいとお誘いがくるが 私
「人に対して悪口言う人って、自分1人だけで自分が成り立ってると思ってるんだよな。きっと。」 「誰かがいるから自分がいるのに、自分のことしか考えていなくて視野が狭いよな本当」 と彼が急に話始めた。 ネットでは一部の人達だが 彼らを罵倒する言葉を書き込んでいるらしい 彼はそいつらに対する愚痴が溜まっていたようだ 15分程か、もっとか 彼の口は止まる事なく話し続けていた 「ごめんね俺の愚痴ばっかりで、聞いてくれるからつい話すぎちゃった」 と、彼は言った 悪口とかそ
以前彼と会った時に制作していた 短編小説がついに出版されたらしい 「依頼されたはいいものの面倒くさい」 と言いながら考えていた姿を見ていたので、 どんなものなのかずっと気になっていた 本屋さんに立ち寄ると 新作コーナーに置かれていて すぐに目についた 彼には内緒で購入した。 内容は相手に名前を呼ばれることで自分は存在する というようなフィクション小説だった。 凄く素敵で一瞬で読み終わってしまった。 本当はワクワクで買いにいったが 偶然を装って 「たまたま本屋さんで
彼の最寄りについた 駅で合流して一緒にコンビニに入る 毎度の事だが彼は好きなものを 好きなだけ買ってくれた 彼の家まで他愛も無い話をしながら 冷たい風が吹く夜道を歩く 彼はコンビニにで買ったパルムを食べた 冷えた体が暖房の部屋で ゆっくり暖められていく 体を2回合わせた ベッドで2人くっついていると 彼が村上春樹の夜のくもざるをプレゼンし始めた 短編小説が36本入っているそうだ その中から彼のお気に入りを2本 音読してくれた 子供の頃お母さんに絵本を読んでも
彼からLINEがくる 「お疲れ様!◯日空いてる?」 1年で1番大きなショーレースの前日だった
気がついたらセフレができていた。 彼の職業は芸人だ。 私の人生山あり谷ありです。