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事業をたたむ友人が増えた。

地方に移住をして4年とちょっとが経った。
ほぼ連絡はとらないけど、同じようにIターンで移住してきた知り合いが全国にたくさんいる。FBとかインスタとかで近況をなんとなく理解していて、私は勝手に仲間意識を持っている。そんな彼らからある連絡を受け取ることが最近急に増えた。

「事業をたたむことにしたよ」

彼らのやっていることはさまざまだ。
一次産業に従事している人もいれば、同じようにゲストハウスをしている人もいる。また加工品販売のようなことをしている人もいる。

それぞれの地域で、やりたいことで起業をし、どうにか収入を稼いでいた彼らは私の大きな励みになっていた。たまに連絡をし、愚痴や悩みを共有しあったこともある。

たたむ理由は大きく2つ。

①:収益が出なかった。

地方だと起業に対して補助金がたくさんあるので、比較的簡単に起業できる。そして最初の1年はトライアルだと思って結果が出なくてもなんとか続けていける。ある程度の貯蓄もあるので、少しぐらい切り崩しても来年からはプラスになるはずだと信じて頑張れる。
ただ、2年目にしてみてもなかなか結果が出ないと厳しくなってくる。
運営してみて、設備の不十分さに気づいても追加投資ができない。
今の規模のまま続けていっても収益は出ないし、かといって融資を受けて返済できるほどの見通しが立たない。

②:気持ちが続かない。

まず収益が出ていなかったら、気持ちを維持するのはかなり難しい。
最初の1年はもっても、2年目から途端にもたなくなる。運営方法を変えてみて試行錯誤してみても結局規模縮小に考えが向くので、結果的に緩やかに収束を迎えることになる。
さらに収益が出ていても気持ちが続かないこともある。私と同じようにワンオペでやっている人は、とにかく休みがない。私の場合は妻がいるので、精神的にも労働的にも助けてもらっているが、独身の人だとなかなかハードだ。そういうものが限界を迎えるのが3年目なのだと思う。


ひととまるも順調に見えるが、実は結構綱渡りだったりする。
収支的にはプラスなのでこのままでも1.2年は大丈夫だけれど、ゆるやかな死が口を開けて待っている感覚がある。動けるうちに動く。気力もまだある。足りないものもわかっている。
あとは実際にできるかどうかってことなので、粛々とやっていきたい。

地方で起業するって、好きなことを仕事にしているので、一見華やかに楽しそうに見えるけれど、すごく孤独だし、収入的にはギリギリなことが多い。
国も周りの人たちも起業を後押しするけれど、そうじゃない生き方だってある。むしろ勤める方が大半なのだ。田舎だから起業しなくちゃいけないなんてルールはない。

私の知り合いは、帰って就職することを選択した人もいれば、残って就職した人もいる。もしくは地元には帰らずに別の地方で働いている人もいる。
選択肢はある。そう、あるんだ。

移住して5年目、開業して3年目。
そういう時期がきたんだなぁとちょっぴりセンチメンタルになりました。


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