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2022年12月の記事一覧
暴動や餓死者を生み出す恐るべきカレンダー
カレンダーの季節がやってきました。というかとっくにカレンダー商戦は始まっているのですけれども。
『カレンダー年鑑』という年鑑の編集をやっていたので、カレンダーの歴史をほんのちょっと調べたことがあるのですが、暦というのは宗教や占いと深い関係があるので、すごく慎重になった記憶があります。自然科学も入ってくるので難しいですしね。
でもカレンダーが、時に餓死者、時に暴動、時に大量の破産者を出したのを知
中国は平和的に台頭できるか―ミアシャイマーの見立て
オフェンシブ・リアリズムとはアメリカの政治学者ジョン・ミアシャイマーは2014年、『大国政治の悲劇』の改訂版を発表したが、日本語版で670ページの大著にも関わらず、「オフェンシブ・リアリズム」という自説の証明に終始している。オフェンシブ・リアリズムとは一言で言って「大国は自国の生き残りのために地域覇権を目指す運命にある」というミアシャイマー独自の理論である。
唯一の地域覇権国・アメリカ司馬遼太郎
キッシンジャーの少年時代
ハインツ・アルフレート・キッシンガーは1923年5月27日、ドイツ・バイエルン州ニュルンベルクの郊外、フュルトに生まれた。父親は名誉ある教師であり、善良で教養があり、膨大なレコードのコレクションとアップライト・ピアノを持っていた。母は機転が利き、たくましく、実際的な女性だった。そして二人とも生粋のユダヤ人だった。生まれたハインツも当然のように、正統派シナゴーグに通い、トーラー(ユダヤ教教説)を学ん
もっとみるアメリカの対ロシア政策の破局
2012年から2014年までロシア駐在アメリカ大使を務めたマイケル・マクフォールは2018年、回顧録『冷たい戦争から熱い平和へ』を発表したが、ロシアのウクライナ侵攻によって「冷たい戦争から熱い戦争へ」と進んでしまった。彼の言う「悲劇」を通り越して「破局」に至ってしまったのである。
マクフォールの回顧録は日本語版で上下600ページにおよぶ大著だが、要約すると次の数行程度にしかならない。
「民主主義