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ぼくの本棚

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心震わせられた一文から。読書の足跡。
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#江國香織

【読書】 スイートリトルライズ 江國香織

【読書】 スイートリトルライズ 江國香織

このうちには恋が足りてないと思うの

 恋と愛の形って、本当に色々あるんだなぁ。江國さんの小説を読むたびに感じることです。そして、一度読んでしまったが最後、読み終えるまで何もできなくなってしまう……。同じ人間の心の中には相反するものや矛盾するものが共に存在している。多重人格なのではなくて、異なる一つ一つがその人の要素。それが、こんなにも自然に書かれていることのいつも感動します。そんな複雑な人の素敵

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【読書】きらきらひかる 江國香織

【読書】きらきらひかる 江國香織

こういう結婚があってもいいはずだ、と思った。なんにも求めない、なんにも望まない。なんにもなくさない、なんにもこわくない。

 「きらきらひかる」……。なんともフワフワしたタイトルで内容が想像できないまま手にとった一冊。よみ終わると、あぁこのタイトルがピッタリだなと感じました。早速、感想を書いてゆきたいと思います。

あらすじ 笑子と睦月は結婚してから、10日の新婚ほやほや。笑子はイタリア語の翻訳を

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流しのしたの骨 江國香織(考察と感想)

流しのしたの骨 江國香織(考察と感想)

よそのうちのなかをみるのはおもしろい。
その独自性、その封鎖性。
たとえお隣でも、よそのうちは外国よりも遠い。違う空気が流れている。                          あとがきより

 流しのしたの骨・・「流し」は台所だよなぁ・・。でも「骨」ってなんだろう。人間?ペット?想像し難いタイトルに思わず手を取った一冊。怪しげな薫りのプンプンする本書について感想と(微々たる)考察を書き

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