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ぼくの本棚

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心震わせられた一文から。読書の足跡。
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#考察

【読書】 硝子戸の中 夏目漱石

【読書】 硝子戸の中 夏目漱石

彼女はその美しいものを宝石の如く大事に永久彼女の胸の奥に抱きしめていたがった。不幸にして、その美しいものは取も直さず彼女を死以上に苦しめる手傷その物であった。二つの物は紙の裏表の如く到底引き離せないのである。

 一人の人の中に在るもの。こころ。それをどこまでも突き詰めていったらどうなるのか。文学者として、また一人間として、向き合った漱石の考えが詰まった一冊です。生きとし生けるものが必ず人生のどこ

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家族という病  下重暁子(感想と考察)

家族という病  下重暁子(感想と考察)

同じ家で長年一緒に暮らした方といって、いったい家族の何が分かるのだろうか。

身近で遠い存在「家族」。家族との関係がうまくいかなかった僕にとって、「家族」は興味の尽きない単語であるとともに、現在も抱え続けている問題の一つ。きっと「家族」との関係に心を悩ませている人が多いのではないかと思う。近くて遠い家族について解剖した『家族という病』について感想と(微々たる)考察をしてゆきたいと思います。

ほん

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