他人の目を見れない子どもだった。 周りの大人からこうあるべきという期待を向けられているのを感じつつも、私は非常に不器用で鈍臭く、吃って言葉がつっかえたりして、ああこの子はダメだねと目をそらされた。 親からは常に周りの子ども達と比較され、外見や利発さなど、欠点を指摘されてはなじられた。 役割をうまくこなせない焦りや、劣等感が日々増して、自分は恥ずかしい存在なので、他人の目に入るべきではないと思うようになった。他者に見られている自分を見たくないという思いが増幅した結果、人の
人に勧めてもらってMBTI診断を試したところ、INFJ(提唱者)という結果が出た。INFJについて書かれているものを読んでいると、自分によく当てはまるなあと思わされることがたくさんあった。そして、何かしらの形で葛藤を抱えておられる方の多いこと。私自身、数ヶ月前に自分と異なるタイプ(ISTJ)のひとと結婚し、あらためて自分を理解しながら他者とどう関わっていけばいけばよいかを考える必要があると感じ、このnoteを書くこととした。 心ここにあらざれば、みれどもみえず 善くありた
佐藤究『テスカトリポカ』読了。憑かれたように一気に読んだ。「人間の群れが生きていくには、神にいけにえを差し出すほかない。」 今年は古代メキシコ展に行ったり、オアハカ出身のにいちゃんに出会ったり、ルス・グアダルーペ氏のYouTubeにハマったり、メキシコに引き寄せられている気がする
ポケスリフレンド募集中です。よろしければ登録お願いします。5810-1890-0675 タイトルは『長き夜の 遠の睡ねむりの 皆目醒めざめ 波乗り船の 音の良きかな』、回文になっている和歌。美しすぎる。 ポケモンスリープをはじめたので、備忘も兼ねて記録する。 ポケモンスリープデビューのきっかけ 推しがポケモンスリープコラボのパジャマを着用している姿が可愛すぎてジェラピケに走ったが、ジェラピケの価格帯をあまり知らず、これに毛玉ができる(できないのかもしれないが)なんて耐
齢三十にして立つどころか、しぼんでいる。 2年前の7月、ホルモン異常による生理痛で気を失いかけた日から、梅雨の時期にはすぐ扁桃炎になったり、1日寝込む日がちょこちょこ出てきたり、いつも眠くて仕方がない、固形物を食べるとお腹が張って気持ち悪い、というようなギリギリ我慢できてしまう不調が続いていたが、満を持して検査に行った。 採血の結果は2年前と同じホルモン異常。低用量ピルを服用しながら、食生活や運動にも気を使って来た思っていたのに、改善されていないことに少しばかりショ
何も共有しない日常が当たり前になってきた。朝起きる、歯を磨く、仕事に向かう、食事をとる。能動的に向き合おうとしなければ、生きるためのあらゆる事柄が、陳腐で無価値なものに思えてくるような、ぬるりとした虚無感が、すぐそばにあることを感じる。 谷川俊太郎の『二十億光年の孤独』を手に取る。終盤の「ネロ」という詩が目に留まった。たった2回の夏を経験し、死んでいったネロという子犬へ、彼を愛した少年が、もうじき季節が巡ってくるのだ、と呼びかける。 ネロ/もうじき又夏がやってくる/し
先日、実家の掃除をしていた際、大学時代の部活の文集を見つけ、読み返したところ、下級生から私自身へのイメージについて、3分の1ほど「ストイック」という言葉で評されているのが見受けられた。 ストイック。自身を厳しく律し、禁欲的に己を持すること。 振り返ると、不器用で人より努力しないと人並みレベルになれないため、鍛錬に必死だったので、遊び心のない人物に思われていたのかもしれない。一方で、物凄く爛れたあれこれもあったし、欲の赴くまま二郎系ラーメンを食べていたし、とてもではな
今年は外出する機会が少なかったけれど、これ"で"いいじゃなくこれ"が"いいなあ、とより心地良いものを選び取る余裕を持てた期間でもあった。 そして"手入れ"を通じて、モノとともに自分自身をチューニングすることを日常生活に落とし込むことができたと思う。 では、今年出会った素敵なモノについて綴っていく。 ✧ ✦桔梗利 内藤商店 ココヤシのバスマット 三条大橋のたもとの束子や箒を扱う老舗のもの。気に入りすぎて3枚買った。しゃりしゃりした繊維が素足に気持ちいい。取り回し
日常という"昼"の仮面を剥ぎ取った内側には、少なからず暗がりがある。逢魔が時、気を抜くと、飲まれる。 深みに落ちた魂は、自力では浮かび上がれず、遺恨の地に縫い止められ、どこへも行けず苛まれる。やがて地獄に落ち、瞋恚の鬼となって、恨みつらみを撒き散らす。 善きにしろ悪しきにしろ、強い思いは消えない。消えないからこその苦しみがある。それは時代を超えるテーゼなのだと思う。 およそ輪廻は車の輪の如く 六趣四生を出でやらず 人間の不定芭蕉泡沫の世の習 昨日の花は今日の夢と
眉墨の色に三日月の。影を舟にもたとえたり。また水中の遊魚は。釣針と疑い。雲上の飛鳥は。弓の影とも驚く。一輪もくだらず。万水ものぼらず。鳥は池辺の木に宿し。魚は月下の波に伏す。(融) 1年ぶりに会った友人から、実はこの間精神科に行ったのだと打ち明けられた。 社会人になってから、あなたはあまりに空気を読めない発言をしていると指摘されることが増え、周りから「ありえない」と評される考え方にむしろ同調してしまう自分に気づいたことをきっかけに、カウンセリングとテストを受け、日常生
このところ、人間関係を構築していくため、なにか行動を起こさねばと始めたマッチングアプリを通じて人に会うも、内2人から怪しげなセミナーに勧誘されたりなどして、心に鉛のようなものが沈殿しつつあった。 そもそもわたしは他人とどう関わっていきたいのだろうか。本当の望みはどこにあるのだろうか。「年齢的に、そろそろ相手を見繕わねばならない」という外圧や、"ふつう"という理想から遠のく焦りにかられていただけなのではないか。だれかから認められることを目的にして、だれかの望むわたしを形成
2020/11/01実施のアロマテラピー検定1級に合格したので、試験までの経過を記録する。受験料はかなり高いけれど、「におい」が本能と直感を揺さぶるものであることを実感できて面白かったし、実際日常生活にも活用できるので、受験して良かったと思う。 試験概要・1級 70問35分 ・合格基準 正答率80%以上 ・香りテスト2問(2級範囲スイートオレンジ、ゼラニウム、ティートリー、フランキンセンス、ペパーミント、ユーカリ、ラベンダー、レモン、ローズマリー+一級範囲イランイラン、
先日、京都東山の泉涌寺にお参りした。ならびたつ三世三尊仏と、高い天井から猛々しい眼でこちらを睨む雲龍図の美しさにあっけにとられ、暫く立ち尽くしてしまった。(https://www.mitera.org/) 泉涌寺三世三尊仏は、阿弥陀=現在、釈迦=過去、弥勒=未来の三世をあらわしている。中央に"過去"が配置される様が日常の時間感覚とは異なり、不思議だと思って調べてみると、仏教の考え方では、あらゆる存在に固定的な実体を認めず、回転する輪廻のなかの因果関係の密集としてとらえ、
毎日が命日の今日を糧にして生きる 思ったより大人だけどまだガキ 自分の意思で満たしてく またてくてく歩いてく 人は綺麗なままじゃ居られないんだイカれそうだ(TOCCHI/Swing Remix (feat. 唾奇) 滅多にかかってこない実家からの着信に、悪い知らせかと慌てふためいたら、祖父からの「お前、トシもトシやし早く結婚せんかい」コールだった。これが聞きしに勝るケッコ・ンマダーカの呪い。おじいちゃんが元気でうれしかったけれど、わたしは少なからぬダメージを負った。
琴詩酒友皆抛我 雪月花時最憶君 (交友 白楽天) 先日、失恋した。 出会った瞬間からずっと、言葉にできない無意識の部分で、引力めいたものに取り憑かれていた。 一緒に飲んだお酒の、格別のおいしさ。 しみじみと、大和絵に描かれた黄金のすやり霞のような夜桜を一緒に眺めた夢みたいな時間。 好きだよと言ってしまったわたしに「それは友情でしょう、冷静になって」としずかに諌められたこと。 いろんな記憶がふわふわと浮かんでは消える。 多分、あの人は私(そして私以
誰かの心の中にある自分の存在を確認し続けることだけが、幸せだと思っていた。 あらゆるものは通り過ぎる。誰にもそれを捉えることはできない。僕たちはそんな風に生きている。(『風の歌を聴け』p152) 『風の歌を聴け』は何度か読んでいるが、読むたび印象がかわる不思議な小説だ。自分の感情のパラメータのようにも思える。いまは、時間についての物語だと思っている。 かつて私はこの小説を読むたび、とてつもなく哀しくなっていた。20代の半ば、私に別れを告げた元恋人のことを思い出して