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健体康心を追い求める旅へ

 齢三十にして立つどころか、しぼんでいる。

 2年前の7月、ホルモン異常による生理痛で気を失いかけた日から、梅雨の時期にはすぐ扁桃炎になったり、1日寝込む日がちょこちょこ出てきたり、いつも眠くて仕方がない、固形物を食べるとお腹が張って気持ち悪い、というようなギリギリ我慢できてしまう不調が続いていたが、満を持して検査に行った。

 採血の結果は2年前と同じホルモン異常。低用量ピルを服用しながら、食生活や運動にも気を使って来た思っていたのに、改善されていないことに少しばかりショックを受けた。

 それとともに、子供の頃からなんとなく生命力、他の人より生きる力が少ないなぁと薄ら薄ら感じていたモヤモヤの一部が、客観的なデータで現れてきたのが、むしろ清々しく、ありがたかった。医師は焦ることない、薬を続けていけば良いと言ってくれたけれど、このまま漫然と萎れかけの肉体を永らえさせることも重要だが、根本から生命力を上げたいという気持ちが湧いた。

 そんな折、福本敦子さんのポッドキャスト「きくこすめ」で、漢方医の杉本格郎さんとの回が流れて来た。曰く、「健康」とは「健体康心」、体と心のすこやかさのことであり、中医学では気、血、水のバランスがいい状態がよいことを意味する。湿度がたまり過ぎるのが苦手な人等、ポケモンのほのおくさみず等のタイプのように体質の傾向があることを知った。自分の体という自然環境を整えていくという考え方にも興味が出て、漢方薬局で自分の状態を診てもらうと思った。

 まずは「うんちドッサリ!!」と書かれたのぼりが鮮やかな近所の漢方薬局に行ってみた。謎のバンドを腕に巻かれ、血流の測定をされ、ひたすらうんちが出まくる商品の説明だけされたので、思っていたのと違う…としょんぼりしてしまった。申し訳ないけれど何も買わず店を後にした。

 不完全燃焼なので、漢方内科に行った。白髪の少し厳しい表情の医師は、金属容器の棒でわたしの左手のひらをふにふにと押すことで皮膚の反発なのか、ツボなのか、何かしらを診断し、薬の要否を淡々と決定していった。
 曰く、下半身の気の巡りが悪く、胃腸が弱っているため、栄養が有効活用されていないということだった。胃腸薬、ビオスリー、当帰芍薬散、柴胡桂枝乾姜湯を1週間分処方してもらった。漢方はどちらも婦人科系の失調に効果があるそうだ。貧血の可能性があるということで、採血してもらった。結果は1週間後。

 ただ、病院に行くことが最も合理的だと思うが、勤め人の身としては平日は仕事で、頻繁に通院する余力があまりないため、ホルモンバランスを安定させる補助剤的なものをどうにか家にストックしたいとも考えた。

 最寄り駅の近くで、レトロなパンダが鎮座する漢方薬局が目に入った。ヨボヨボのおばあさんがちょこんと腰掛けていて、なんだか魔女のようだった。魔女は問診しながらこちらが全く解読できない文字でさらさらとメモをとりはじめた。魔女曰く、生きるためのエネルギーである気が足りず、また循環していない気虚・気滞タイプということだった。

 ホルモン異常のことが頭をよぎり、自分の体が欠陥品であることを思い知った今、せっかくならほそぼそというよりは太く生きたいし、なにかを生み出す機能があるなら活用して、自分の身体を生ききりたいということを魔女に伝えた。

 魔女は、あなたはとにかく自分が思っているより冷えていて、胃腸も冷えていることが婦人科系の失調に波及している、という。

 たしかに、生殖機能に近い腸内環境を整えるべきだというのは更年期障害に関する書籍でも書かれていたので、魔女の言うことが腑に落ちた。そして店の奥から出された子宝万歳みたいな名前の馬鹿みたいに高い(1ヶ月分7000円弱)養命酒のような液体を買ってしまった。こっそり@コスメを見たら300件弱コメントがあり、評価がそこそこ高かったのもあり、検証してみたくなってしまったのもある。一応医療費控除の対象になるらしい。年間どこまでお金をかけられるのか、財政と健康をすり合わせながら、生命力向上のための最適解を模索していきたい。

 ちなみにビオスリーのおかげか、服用1日目からこんなに残便があったのかよと驚くほどうんちがどっさり出ている。腸活、温活をはじめとする健康に関する事柄にはいろいろな情報が飛び交っているが、ちょっぴり好奇心も持ちつつ、きちんと必要な情報を取捨選択して行きたいと思う。

現在の組み合わせ
ドロエチ配合錠「あすか」
ビオスリー(2024/07/13)
当帰芍薬散(2024/07/13〜2024/07/19)
柴胡桂枝乾姜湯(2024/07/13〜2024/07/19)
イスクラ婦宝当帰膠B(漢方終わってから〜)


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