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DESIGN : parable ロゴ&ブランディングデザイン「気づきを仕掛ける」

医療系の転職サポート「転職ガーデン」を運営している会社、parable Inc.ロゴを中心としたブランディングデザインをOUWNが担当しました。

今回はアートディレクションをOUWN代表・石黒が、そしてデザインは昨年新卒で入社したfumiが担当。貴重な提案資料(!)と一緒に、思いの込もったインタビューをお届けします。

parableについて

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ー お仕事はどうやって依頼を受けたんですか?

fumi : 最初はFacebookでOUWNを知っていただいたみたいです。OUWNのサイト内にあるコンタクトページから連絡をもらい、デザインさせていただくことになりました。

ー ブランディングデザインは、会社のことをよく知ることが大切ですよね。parable Inc.(以下、parable)という会社について詳しく聞かせてください!

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fumi : parableは、英語で「例え話」という意味を持っています。「ちょっとした気配りだったり、気遣いや感謝、思いやりを大切に。その価値を一人一人に還元していく」というのがparableのコンセプトだと伺いました。
parableのサブコピーが「やさしいにきがつく」なので、今回はこのコピーへ込められた思いをイメージしながらデザインを進めていきました。

ー 「 例え話」というのは、色々な人に当てはめるってことでしょうか。その人だったら、こうだったら、みたいな。

fumi : そうですね。「この会社と、その人」なのかもしれないし、その会社から広がる何かで人と人が繋がるっていうイメージだと思います。今後は人材派遣サービスだけでなく、他の事業も通して「やさしいにきがつく」というメッセージを伝えていきたいとのことでした。
最初にお話を伺った時、今後いろんな分野でやっていきたいということだったので、カラフルなイメージがありましたね。そして石黒さんにアドバイスをいただきながら、アイデアを広げていきました。

最初のアイデア出し

fumi : 一番最初はコピー用紙や使った紙の裏などに、頭に思い浮かんだアイデアをどんどん描きおこしていきます。

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ー このラフ状態にたどり着くまでは、あまり時間はかからない?

fumi : 割と短時間で進めています!一回自分でやってみて、少し進めたら石黒さんに現状を共有します。その中で手応えがあったものを、もうちょっと広げてみたりして考えます。
この案件は、初めて自分がメインで担当させていただいたので、緊張感もありましたがすごくやりがいを感じました。

ー リボンみたいなデザインもありますね。「思いやり」からの連想ですか?

fumi : そうですね。繋がるようなイメージです。アイデア出しの時には、直接的に結びつかなくても広く考えることが大切だと思います。先方のイメージがカジュアルでカラフルな感じだったので、キャッチーなデザインが良いかなと。

そしてこの中からより良いものをピックアップして、精査していきます。アナログのラフからデータ上でパスを起こしてみる作業に移り、ここからまた案を絞って綺麗にしていく、という作業を繰り返し、最終的に4案に絞りました。

ー 案はどうやって絞るんですか?

fumi : コンセプトのバリエーションだったりとか、似通ったものにならないようにということを念頭に置いています。今後いろんなツールになるというのも伺っていたので、展開のしやすさなど総合的に見て、良いものをピックアップします。
最終的に石黒さんと相談して決定しましたが、やっぱり誰が見ても分かりやすく、良いと思えるものに絞られました!

提案資料の作成

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1案目:フキダシや、気づきを多面的に表現したロゴマーク案

ー やっぱり1案目に持ってきているものがオススメ、ってことはありますか?

fumi : 1案目は、あくまで私の感覚ですが、インパクトがあるものだったりとか、あんまり外れてないもの、っていうイメージですね。
このデザインは、「例え話」や「やさしいにきがつく」というところでコミュニケーションからイメージしたもの。フキダシ、ビックリマークを使ってPを表現しています。

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2案目:ビックリマークとクエスチョンマークを合わせつつも、Parableの「P」を感じられるツールイメージ案

fumi : 2案目は、ビックリマークとクエスチョンマークを合わせたデザインです。「なんでだろう」っていう気づきから、「そうなんだ」っていう発見や納得までをイメージして作りました。
色数を絞り、ポイントでエッジをきかせることで、「信頼感」を意識しています。かっちりした印象の中にも、動きを感じられるようなデザインになったと思います。

ー 今後は他の事業もやっていくけれど、現段階では医療系のサービスっていう気持ちで作っているのが大きいですか?

fumi : そうですね。今のところは転職ガーデンがメインのサービスなので、鮮やかな色の中でも「医療サービス」ということを考えて色合いを決めています。信頼性というところで明るいクリアな色、でも原色からはちょっと落ち着かせたような色に。医療系はやっぱり赤十字の色としての赤、というイメージで入れてるというところもありますが、青は落ち着きを表現してますね。信頼性だったり、赤との反対の色でパキッとさせてます。

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3案目:ハートをモチーフに、アルファベットへ展開していく様子を表現したイメージ資料

fumi : 3案目は、「やさしい」の部分にフォーカスし、ハートっぽくしたデザインです。parableの、P・A・B・Lをハートに置き換えられるんじゃないか、っていうところから出来上がりました。

ー Bをハートに変えるところは、こう見ると結構思い切っているなと感じるのですが… 作っていてもそう思うものですか?

fumi : そうですね(笑)。でも、BだけだとBには見えないけど、並べたら見える。ハートにできそうだ!と思って作り始めて、P・R…と来たら、もう行くしかない!っていう気持ちで。見えなさそうで見える、絶妙なところですが、あくまで「見える」のが大事です!

ー 提案時は、案によってロゴのフォントも変えていますね。

fumi : はい。この案だとハートがかわいすぎる印象にならないように、カッチリした安定感を足すようにフォントを選んでます。これはアマリロっていうフォント。

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fumi : 色数も案に寄って変えていて、かわいくキャッチーにしたいけど、バランスを大事にしています。この案では展開の際にテキスタイルっぽくしたり、ハートモチーフとしての「展開のしやすさ」が資料で伝わったかなと思います。

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4案目:『気づき』と関連する人と人の「縁」や「コミュニケーション」というワードをビジュアル化したロゴデザイン。明るい配色や等間隔の色合いでリズム感を演出し、丸であしらった「e」があることで、会話しているようなイメージも感じられる。

fumi : 最後の4案目は「気づく」のアテンションマーク、「やさしい」のハートとか、そういうものを超越して「縁」というワードにたどり着きました。いろんな想いや優しさが縁に繋がるってところから、丸を使って一個のロゴマークではなくテキストロゴにしています。4案目はちょっとだけ飛ばし案というか、挑戦的なものかもしれないですね。

ー このロゴは動いたらかわいい気がしますね。Web上とかで丸が動いたら楽しそう!

fumi : そうなんです!どの案もロゴを作ったその先を考えてデザインしてます。
以上、4案出させてもらい、先方にはすごく喜んでもらえました。ある程度「こんな感じでくるかな」と想像していたみたいなんですけど、想像以上だったみたいで。「会社全体のこれからのことを考えるきっかけになった」って言ってもらえました。すごく嬉しかったですね。

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決定案 〜 ツールへの展開

fumi :そこから決まったのがこの3案目、ハートの案です!気に入ってもらえた理由としては、かわいらしさと信頼性を兼ね揃えているという点でした。決まったロゴで、名刺や封筒などを作成しました。

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fumi : 名刺は4種類、色々なパターンを作ってます。スミの色も、K90%にして真っ黒にせず、柔らかさを表現したのがポイントです!

ー 名刺サイズでこれだけ小さくなっても、ハートが分かっていいですね。

fumi : そうなんです。シンプルで分かりやすく、展開していく上での汎用性の高さという点でも、この案が適しているなと思いました。
封筒や名刺も、parableのコピーである「やさしいにきがつく」にちなんで、ちょっとした「気づき」を大事にデザイン。少しずらしていたり、ポイントで小さいハートを配置したりと、ちょっとした遊び心を入れてます。

ー これはちょっとぼかしてるんですね。

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fumi : はい。それも気づき…

ー あ、これも気づき(笑)

fumi : とにかく気づき、です。(笑)ワンポイントの気づき、細やかな気づき…(いろんな気づきを指差す)こういうところを考えるのは楽しかったです。
住所のところもハートにしたり、こんな遊び心も「いいね」って言ってくださる方だったので、楽しく作らせていただきました。

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fumi : 転職サポートなどの人材派遣サービスは、やっぱり運営会社がしっかりしていると信頼感に繋がると思うので、そこはデザインで力になれるんじゃないかなって。私も就職する際にWeb上のサービスを使っていたのですが、東京に住んでいなかったのでWebを見るしかない。そういう時に、会社のブランディングデザインって印象においてすごく大切だなと思います。

ー 今後はどんなツールになっていってほしいと思いますか?

fumi : このハートを見たらpalableだ!って気づいてもらえたり、この配色ってparableっぽいね、というようにイメージが広がっていったら嬉しいですね。いろんな人に浸透していく手助けになっていたらいいなと思います!

CL : parable Inc.
AD : ATSUSHI ISHIGURO(OUWN) / @ai_ouwn
D : FUMIKO ISHIKURA(OUWN) / @fumiko_ishikura


【 番外編 】 転職について聞いてみた(出井編)

ー parableは転職サービスということで、今回は転職経験のある出井さんにお話を聞きたいと思います!転職する時は、何かWeb上のサービスを使ってましたか?

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出井 : 使ってました!転職自体初めてだったので、色々と…
結局デザイナーをやるのはなんとなく分かっていたけど、幅広く見てましたね。

ー デザイナー以外の選択肢もあったんですか?

出井 : 1回クリアにしようかなって思いがありました。結局最終的にデザイナーだとは思ってましたが、「なんでもできるし!」みたいな気持ちになって。
美術手帖の求人サイトを見たり、求人サイトもいくつかクリエイター向けのものがあるので、そのサイトを数日おきに見る、っていうのをやってました。登録したのはユウクリだけかな。

ー サービスによっても、載っているジャンルが違いますよね。

出井 : サイトによって結構違いますね。デザイン事務所に行きたかったら前者の方だし、わりと大きめのメーカー等でデザイナーをしたいとか、規模が大きいところだったら後者の方なのかな〜というのは、やってみて感じました。

実際に会社を見たり話をしていくと、自分でも方向性が見えてくるので面接はたくさん受けました。受けるのはタダなので(貴重なお時間いただいているのにスミマセン…)。OUWNはもともと行きたいと思っていましたが、当時は実力的に足りているだろうかという不安もありました。でもやっぱり面接に行ってみて、行きたい!と思いました。

ー 転職や就職サポートのサービスを使った時に、もっとこうだったら良かったな、ということはありますか?

出井 : 自分に合ったサービスを紹介してくれるかっていうところかな。今では変わっているのかもしれないけど、当時はあまりそうじゃなかった気がします。例えば「出版」というジャンルにチェックしたら、全部の出版関連の情報が届いて、全然自分の意向とは違う募集ばっかりみたいな。
今は、自分に合ったものをカスタマイズ、オーダーメイドできるサービスがたくさんあるし、時代も変化して、もっとパーソナルに特化して教えてくれたりするのかな。

ー 確かに!10分くらいかけて質問に答えて絞っていくような。

出井 : 今はありそうですよね!絞られすぎるのもちょっと怖い気がするけれど。
AIとかの分析でぎゅっと絞られすぎて、実は興味があるところの募集が知らされてなかった… とかだと困る。面接していく過程にもドラマがあるし…運命の出会いもあるかもしれないし(笑)

ー そこは難しいところですね…
転職は不安な部分もあると思うのですが、それを乗り越えるべく、自分でしたことはありますか?

出井 : 私の場合は不安すぎたら動けなくて… なのでその時は、何もしないですね。
友達と会ってご飯を食べる、とかはするけど、不安要素には割と触れないように過ごすかな。本当に不安が大きい時は(笑)

ー そこで何をきっかけに動けるようになるんですか?

出井 : 時間かな。ゆっくりして落ち着いたら。
だから3ヶ月くらいは、前職との間がありました。私の場合は辞めて最初の1ヶ月は有給があったので、行きたいところに行ったり、遊んだり。たくさん寝て、そして生活が整ってきたら、心も整ったような感じでした。アタマが一気にクリアになって、そこからは自然と行動する!っていう感じになりました。

ー 何かきっかけというより、出井さんの場合は時間が必要だったんですね。

出井 : そうですね。デザイン業界は忙しいこともあり、ゆっくりできる時間が少なかったんだと思います。だんだんリズムが正常になってきて、それで色々面接を受けに行くようになりました。その場所に行って直接話したら、自分に合っているか、行きたいのかが分かるので、気になったら面接には「とりあえず行ってみよう」という気持ちでした。

ー 今、あの時の自分に何か言えるとすれば何を伝えますか?

出井 : なんだろう…。今は難しい世の中になってしまっていますが、海外旅行に行っておけばよかった!ってことかな。多忙になりがちな職種の方は、意外とそこしか行ける時ないよ!って(笑)。

転職に関しては、時間や金銭、精神的に許されるなら、もっと見ても良かったかなと。知らない会社に行くって、あまりできない経験。結果、OUWNに入社できて進路的には問題なかったですが、もっと早く立ち上がっていたら、よりたくさんの場所に行けたのかも、とは思います。

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出井 : でも、3ヶ月で復活したから良かったものの、あそこで気持ちが切り替わらなかったらどうしていたんだろう…。そういう思考停止状態の時の切り替え方は、私も知りたいです(笑)

ー 気持ちは動かなくとも、とりあえずどこかに属した方が気持ちが動き出すのか、それなら止まっていた方がいいのか… 悩むところですよね。
でも、そういう心の隙間に入っていけるのが、「やさしいにきがつく」なんですかね…!

出井 : 確かに!ウマイ!(笑)
そこに気がつけるサービスがあればいいですよね。今回はparableの転職ガーデンをきっかけに話しましたが、心の隙間に入ってくれるサービスが、世の中に増えるといいなと思います。

YUMI IDEI(OUWN) / @ideiyumi

Parableのデザイン完成版はこちら>

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聞き手 ・ 執筆 : 星成美




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