人工股関節全置換術ー前方からのアプローチー

今回は人口股関節全置換術の前方からのアプローチをまとめました。

前側方アプローチ（Anterior Lateral Supine Approach：ALS）

前方や側方からのアプローチでは、筋を切開し術部へ侵入していましたが、前側方では筋と筋の間を侵入していく方法を取ります。そのおかげで筋を切開する必要がなくなりました。

前側方からのアプローチでは
中殿筋と大腿筋膜張筋の筋間を切開していきます。

脱臼肢位は　伸展＋内転＋外旋
となります。

筋を切開しない分、侵襲は少なくなりますが、筋間の組織はもちろん切開する必要があります。
また、後方の手術などに比べ術野が狭くなりますので、手術自体の難易度は上がるとされています。

侵襲の少なさなどから近年では増加傾向といわれています。

Anterio Lateral Approach（ALA）という、同じ前側方からのアプローチも存在します。こちらは、手術中の姿勢が側臥位か背臥位かの違いだそうです。

前方アプローチ（Direct Anterior Approach：DAA）

こちらも、ALSと同様に筋間の切開となります。

切開部位は大腿筋膜張筋と縫工筋の筋間です。

脱臼肢位は　伸展＋内転＋外旋となります。

こちらはALSと比較しさらに難易度が高いといわれています。

背臥位で行う分、両側同時に行うことができるそうです。
時々、両側同時に行う患者さんいますよね。何度の高い手術を両方行うのは、執刀医の先生がすごいんですね！

変形性股関節症のまとめから、関節の置換術に関してまとめました。手術方法で侵襲部位やその大きさも変わってきますので、どのようなアプローチが必要か考える必要があります。
また、脱臼への配慮もしっかり検討が必要ですね。

ではでは