「その扉をたたく音」-瀬尾まいこ
主人公の宮路は「ミュージシャンとして生きていく」と口では言うが、相応の努力もしないし、補う才能もない。そのくせ裕福な親の仕送りに頼り、バイトすらせずフラフラして生きていてるのに人に対して偉そうな奴。僕が一番嫌いなタイプの人間だ。読み進めるごとに腹がキリキリしてくるくらいイライラした。それにも関わらず、不思議と「もうこいつと関わりたくない」と本を閉じることはなかった。
福祉施設でボランティアとして、ギターの演奏をして、客の好みも全く考えず、洋楽や新しい曲、さらにはオリジナルソ