檻の中のタカは幸せか
動物園に来るといつも考えてしまう。
「ここにいるのと、自然で暮らすのはどちらが幸せか」
キリッとして木の上に立つタカの姿はタカとしてのプライドを感じる。彼には本来何百メートルも好きなだけ飛んでいける翼がある。でも檻の中では、その力が思う存分活かされる瞬間はない。
しかし、逆に言えばその「空を飛ぶ力」は獲物を狩るための手段で、ここにいる限り飢えることはなく、翼を持つ必要はないのかもしれない。
一方、すぐ近くでサルたちが檻の中を自由に駆け回っていた。まるで公園を走り回る子供のようでとても楽しそうであった。
檻の中では窮屈さを感じる者も、一方で安心を感じる者も、その檻を十分に楽しんでしまう者もいる。
今の私は、安心が欲しい。けど、すこし前の私は自由に憧れていた。私にとって「檻の中」は幸せか。
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