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読書日記

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物語のおわり-ワインディングロード

サイクリングが趣味の綾子が、彼氏の剛生から文学の才能の無さを叱責され、好きな作品を否定され、挙句の果てに、第一志望だったテレビの制作会社の内定通知の報告をした時は、祝い言葉は一切なく、むしろ文学から逃げたやつに面白いドラマが作れるはずがないと言われる。

剛生に対してとてつもない怒りを覚えると共に、綾子に対しても「言い返してやれよ」と不満を感じた。この私の怒りの正体はどこにあるのだろうか。何を恐れ

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「エビスくん」

「エビスくん」

重松清さんの短編集「卒業ホームラン」の中の作品。

ヒロシくんは優しい。いじめられても怒り返さない。
ただ我慢してるんじゃなくて、病気の妹のためだから。
いくらいじめられても、彼を好きだと言う。
人と仲良くなりたいと言う。

傷つけられたらすぐに怯え嫌ってしまう。
傷つけられそうって思うだけで怒りが湧いてくる。
やられるくらいなら、自分がやる方がまだ楽だと思う。
そうして人といるのが怖くなっていく

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【愛とは、恐れを手ばなすこと#00】

【愛とは、恐れを手ばなすこと#00】

・この本を選んだ理由:
今のわたしは、父を恐れ、母を憎んでいる。でも、本当は"ただ一緒にいるだけ"を感じてみたい。

・"はじめに"を読んでの印象に残った部分と理由感想
「誰かから何かを手に入れる必要を感じ、その必要が満たされたときには相手を愛し、満たされなかったときには相手を憎む」
わたしは、無意識的に人間関係を損得で考えている。そして、"侵害"されることを恐れ、反射的に怒りをつくる。侵害される

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『幕が上がる』

『幕が上がる』

平田オリザ先生の「幕が上がる」を先日読みました。高校の演劇部をテーマにしたお話で、ミュージカルを自分自身で創った今、すごく共感できる部分も多く、最後には思わず涙しました。読み終えて真っ先に思ったことが「やぱり、夢を追い続けていたいと思いました。そんな時仲間の紹介で、平田オリザ先生が2年後の春大学を創ることを知り、ビビッときちゃいました笑 まさに今人生の「幕が上がる」。