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米国株師匠🍅アウトライヤー寄稿199

第198回から続く


ニュースをひとつひとつ見ながら



ブルームバーグ記事の引用です。

・「1兆ドルの米国債の津波が流動性吸い上げへ―全ての資産クラスに影響」

・「モルガンS、米企業利益の16%減少予想―株価上昇のブレーキに」

・「米ISM非製造業総合景況指数、5月は50.3に低下―予想52.4」

・「サンフランシスコ有数の大型ホテル2件、オーナーがローン履行停止」

こういったニュースをひとつひとつ見ながら。




TGA(米財務省一般勘定)の再構築にあたっては、主に2つ。
ひとつはリバースレポにあるお金(リバースレポ・ファシリティのユーザーのお金)、そしてもうひとつは、銀行システムにあるお金

TGAの再構築は向かい風です。


でも、株式市場に対しては、あせらず、あわてず、よ~く見てですね。

モルガンスタンレーさん、この上記報道のケースでは、今回S&P500、2023年1株当たり利益$185を使用されておられますね。S&P500、2023年1株当たり利益につきましては、過去の寄稿、第170回寄稿より、以前の寄稿で、機会あるごとに試算してきました。どうぞ過去の寄稿をご覧いただけましたら。
今回のこれは頭にもちろん入れておきます。

今回特に頭に入れているところは~この記事からの引用~「流動性の悪化が今後3か月に株式のバリュエーションに下押し圧力をかけると可能性が高いが、売り上げの伸び鈍化や利益率の一層の縮小を背景にEPSが期待外れになることも予想される」


商業用不動産について


第161回の寄稿その他で商業用不動産について述べています。

もちろん、この報道、「サンフランシスコ有数の大型ホテル2件、オーナーがローン履行停止」にも注目しています。
僕はこれまで申し上げております通り、4月は自分の見方として、5月は、自分の見方プラス個人的家庭の事情も相まって、ポジションそのものを全く持っておりません。

株式市場に対しては、あせらず、あわてず、よ~く見てですね」と思っております。

4月とか5月とか、具体的タイミングさえ記されていない、アメリカ人専門家と称する人たちの下落予想とか弱気のコメントもいっぱい目にしましたけど、株下がってないじゃないですか。上がってるじゃないですか。

そういうコメントとはこの寄稿は一線を画しています。

僕の考え方は、過去のこの寄稿でずっと述べ続けてきた通りです。

TGAからのドローダウン(お金の引き出し)が続いている間はQT効果は相殺されているわけですし、もともと4月に何かしようとはほとんど全く思っていませんでした。フロス(泡、あぶく)とも述べて参りました。

4月末の段階からは家庭の事情が加わって、ずっとマーケットを見ていられなくなったこともあり、4月末から5月最初の2週間この寄稿もできなくなりました。
5月も何もしていません。6月に入ってからまだ間もないですが、先週末の段階でTGAからのドローダウンは続いていました。同時にTGAの再構築も始まっていましたが。先週末6月2日、TGAは、$0.5billion上昇、増えていたとの米専門家のコメントでした。

売り方、弱気の目線で言うならば、まずTGAからのドローダウンが止んで、TGA再構築により、“差し引きネットでタイトに引き締まった状態”、QTもろかぶりになるという事が見えてきてから、そこからマーケットを取り囲む素地、素材に変化が生まれませんとね。それと前後して、マーケットがそれに対して反応する時に下落トレンドが出るのであれば、出るのでしょうから。トレンドが出てから、売っても遅くないわけですからね。まあ、これまで述べてきました通り、「価格」ではなくて「時」だと思ってきました。今、まだ、そうなっていませんし、それどころか株上がってるじゃないですか。

フィデリティの伝説のファンドマネージャー、ピーター・リンチ氏のクォートです。

ピーター・リンチ氏

“Every economic recovery since World War II has been preceded by a stock market rally. And these rallies often start when conditions are grim.”

— Peter Lynch
「第2次世界大戦後、あらゆる経済回復の前には株式市場の上昇があった。そして、こうしたラリーは、しばしば、厳しい状況の時に始まる」

こういうクォートも頭に入れてこの寄稿をしています。
だって、僕は違いますけれど、ソフトランディングのシナリオを採用しているアメリカの投資家さん、それはもう、まだ、たくさんいらっしゃるわけですから。

弱気一辺倒のコメントに踊らされることなく、今後、潮目がどう変わるのか、よ~く見る必要があるのです。

大事なポイント
「TGAの再構築は明らかに向かい風ですよ。
でも見るべきところは、TGAからのドローダウンが、まず止むこと。
次に、“差し引きネットでタイトに引き締まった状態”
その時、株式市場にどのようにトレンドが出るのか。

流動性を吸い上げるというところばかりが強調されたコメントに踊らされないこと。

たとえば、俗にいう、よくオンラインとかで使用されている、自分の主張を際立たせるために、

・(自分はわかっている、でも)「”みんな”間違える」~”みんな”

・ABCとXYZがあって、その間には”大きな違いがある“

こういう、“みんな”というような、トランプが非常に頻繁に使って大変批判を浴びてきましたが、稚拙な言い回し。

どう具体的に”大きな違いがある“のか述べられていない、意味不明な抽象的なコメント。

今回のTGAの再構築に対して、この種の言葉やコメントに踊らされないようにしたいですね。



T-Bills(ティービル・財務省短期証券)のオークションにしたって、マネーマーケットファンドは、リバースレポとどっちがいいのか、より高い利回りを求めて動くでしょうし、T-Bills(ティービル・財務省短期証券)のオークションに対しての需要は、多分に、豊富にあるでしょうから。この辺はこれまで述べてきた通りです。

今こそ、よ~く観察する時ですね。




第200回へ続く




最後に …
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私、アウトライヤーは、OUTLIER とは関係ありませんが、
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アウトライヤー
より。外れ値です。でも異常値ではありません。
笑って許してくださいね。ごゆるりとお時間ある時ご覧になってください。
背景にある経歴:80年代後半から、ペインウェバー証券会社、メリルリンチ証券会社、ベアー・スターンズ証券会社等々の外資系証券会社東京支店法人営業部門に勤務。外資系企業生活で24年の歳月が流れました。
ペインウェバー証券会社ニューヨーク本社にて、2名のメンターのもと、米国株式業務を基礎から習得。なぜ、2名だったかと言いますと、フロントオフィス業務用に1名=MIT出身のトレーダーで数学者、バックオフィス業務用に1名=米国では名の知れたバックオフィスの専門家でした。当時、NY証券取引所にもしばしば、足を運び、入り口から出口まで、叩き込まれました。その後、日本国内の機関投資家向け外国株式営業に携わり、メリルリンチ証券会社とベアー・スターンズ証券会社では、それぞれ東京支店法人営業部門外国株式営業部長として、東京、ニューヨーク(ウォール街)、ロンドン(シティ)を中心に、アジア諸国も含めて、世界中を飛び回りました。グローバル株式・金融業務に従事する上で、メリルリンチ証券会社では、当時のメリルリンチ・グローバル株式営業部門におけるアジア地域2名のグローバル・エクティ・コーディネーターの1人として、米国株式を中心に、グローバルに株式業務推進役の職責も兼務。(この時とっても楽しかったです)
2012年2月に外資系企業生活を終えました。
同2012年年春から、日本企業の顧問に就任。
一貫して、この30年超の期間、何度も何度も現地に足を運び、そこにいた人々と直接仕事をした事を含めて、アメリカの金融政策、アメリカの株式市場を見つめてきました。
🍅注意事項
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『アウトライヤー寄稿』は利益を保証するものではありません。

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