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「僕、殺されちゃうの?」男が木陰で一人、僕を見張ってる。

「僕、殺されちゃうのかな?」僕の病気の症
状がまた蓋を開けて、頭の中から顔を出し、
外の景色を除き出している最中です。僕は世
の中の暗部まで見過ぎてしまったんでしょう。
僕は知らなくていい事まで知り過ぎてしまっ
たのでしょう。だから殺されるのです。僕が
見過ぎてしまった世の中の暗部は、友人から
言わせれば、それはスピリチュアルな世界な
のだという事だそうです。友人にとってスピ
リチュアルとは、社会の日の当たらない暗部
の世界の事を指すそうです。そう言えば窓の
外でずっと僕の事を見張っている男がいる気
がします。いいや、決して気のせいではない
のです。彼を初めて見たのは、まだ夏の熱い
時節。太陽の下、あの木陰の下の影の中で、
汗を拭いながら、僕を見張っていたのを覚え
ています。季節は移り変わり、今は冬。彼は
一年中、僕の事を見張り続けているのです。
僕は何を犯したのだろう。心当たりがない。
僕は自分がなぜ殺されるのか、分からずに、
死んでいくのかな?僕は理由の分からない死
の恐怖に縛られながら今日も生きていくので
しょうか。窓の外の木陰には、まだ男がいる。


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