スーパーエリートに聞いてみた_のコピー

給料が上がったら、幸せになれると"本気で"思ってたんですか・・・?

 多くの人が気付いていませんが、収入はあればあるほど良いものだし、お金が私たちを幸せにしてくれる。それが当たり前。と勘違いしていませんか?

 確かにお金がたくさんあれば、誰も住めないような高層マンションに住み、高級車を乗り回し、ブランド物の服を着て、一流シェフの作った超高級料理を食べれるかもしれません。でも、そのくらいお金を稼ぐ人は責任のある仕事に就き、巨額のお金を動かしています。この重圧は大きなストレスとしてのしかかるはずです。

 結局トータルで考えた時に、給料が多ければ多いほど本当に幸せなのか?を調べてみたところ、経済学と認知科学の第一人者、ダニエル・カーネマンはある1つの結論に至っています。

「確かに幸せにはある程度の給料が必要だけが、お金があればあるほど幸せと言うわけではない。」

 今回は、

・なぜ超有名科学者のダニエル・カーネマンはこんな結論に至ったのか。

というポイントに焦点を当てて、

・給料が多い人ほど幸せを感じているの?
・どのくらいの給料が、私たちを一番幸せにしてくれるの?
・給料が多い人と少ない人では働く時間や休む時間は違うの?
・なぜ、給料が上がると同時に幸福感も上がらないの?

この4つのポイントについて、グラフやデータを使って分かりやすくご紹介していきます。


 まずは、給料が増えたら私たちは幸せになれるのか?という所から見ていきましょう♪


給料が増えると私たちは本当に幸せなの??

世帯収入毎に自分が幸せだと思うかを調査したグラフ

 確かに、給料が多い人ほど幸せと言えるグラフなんですが、読み込みが甘いですよ。もうちょっと踏み込んでみていきましょう。注目してほしいのは次の①と②です。

①年収500万円を超えると、年収950万円以上とほとんど差はない。

 とっても幸せと答える人は、500万円までは10%ずつ増加しているのですが、500万円~950万円の人は、950万円以上の人とくらべてほとんど幸せ度が変わりません。収入による幸せはだいたいこの辺りで頭打ちになるようです。

②200万円以下で幸せを感じているヒトは82%。
 950万円以上で幸せを感じているヒトは94%。

 確かに950万円以上のヒトが幸せな人が多いですが、そんなに大きく割合が変わるわけではありません。つまり、年収200万円でもそこそこ以上に幸せを感じている人は大勢いるということです。

まとめると、
・最適な年収として、まずは500万円以上をめざそう。
・給料がそんなに多くなかったとしても十分幸せになれる余地がある。

 なぜ、高収入にも関わらず幸せ度はそれに比例して高くならないのでしょうか。幸せにはワークライフバランスが大きく関係しているはずです。

 次は、給料の多さによって時間の使い方はどのように変わっていくのか?を見ていきましょう。


給料が多い人と少ない人では働く時間や休む時間は違うの?


この3つのグラフは収入毎に分けて、それぞれの人達の平均的な時間の使い方についてを示しています。

年収200万円→1000万円になるにつれて、

仕事の時間   :29%→37%へ増加。

家でくつろぐ時間:35%→20%へ低下。

ここから分かることは、
・収入が増えるほど、仕事時間は増え、子育てなどの拘束時間も多い。
・収入が増えるほど、家でくつろぐ時間は減る

つまり、収入が多い人ほど多く働き、休む時間は少なかったのです。

『せっかく頑張って給料を上げたのに、
遊ぶ時間が無くなりました。』

そんな状況が起こっている可能性が高いということです。自分が何のために働いているのか、よく考える必要があります。


なぜ、給料に比例して幸福感は上がらないのでしょうか?

 私たちは、何かと比較しないと幸せを感じられないことが原因です。

 つまり、私たちは自分の身近な人と比較して幸せを判断しています。例えば、年収1憶円の人がスラム街に住んでいることはほぼあり得ません。自分の周りには自分と同じレベルの人が住んでいることが多いのです。周りが全員年収1億円以上なら、たとえ自分の年収が1億円でも幸せを感じることはできません。

 車で例えると、近所の人はプリウスに乗っているけど、自分はフェラーリに乗っている!という状況が産まれた時、初めて幸せを感じるのです。周りが全員フェラーリに乗っていたら、自分がフェラーリに乗っていてもさほど幸せは感じられません。

 

給料だけを無計画に上げたところで遊ぶ時間が無くなって、人生の最後に「働きすぎなければよかった」と後悔するのだけは避けなければなりません。

 幸せを感じる為には人とは違うアイデンティティを確立することが重要です。自分だけの趣味。自分だけのスキル、自分だけの得意なことがあれば、人は十分幸せになれます。世界一でなくてもいいんです。ただ、周りの人よりちょっと違いがあれば。それが、幸せのカギです。


皆さんにとっての自分の幸せ、
見つけてください。

引用
Kahneman, Daniel, et al. "Would you be happier if you were richer? A focusing illusion." science312.5782 (2006): 1908-1910.

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