なった人にしかわからないツラさ!過敏性腸症候群。その原因と解決法を徹底リサーチ!!
「ギュルギュルッ!下痢ですぅ~!」でおなじみ。
芸人の高橋さん演じるストッパ下痢止めのCM。
テスト・面接中・仕事中・プレゼン中など、大事な時に限って下痢になってしまったり便秘になってしまったりして、仕事どころじゃなくなってしまう。もう下痢の日が多すぎて、1年間で下痢の日の方が多いという人もたくさんいるのが過敏性腸症候群です。
腸に異常がないのにも関わらず、下痢や便秘を繰り返し、吐き気やオナラも伴うことが多いのです。電車やバスなどの公共機関、テストや会議など周りに人がいる所では本当につらい病気です。恥ずかしすぎて病院や信頼できる人にも相談できない...というヒトも多く、本気で仕事どころじゃなくなってしまう人もたくさん。
今回は過敏性腸症候群に関する最新の科学研究をリサーチし、
・そもそも、どこから過敏性腸症候群!?
・過敏性腸症候群の原因とは?
・今まで勧められてきた治療法が本当に正しいのか?
・これから試すべき治療法とは?
これら3つのポイントについてご紹介していきます。
ちなみに冒頭紹介したストッパ下痢止めは”一時しのぎ”以上の効果はありませんし、いくら使っても根本解決には繋がりません。本当に治療を考えるなら続きを読んでみてください。
そもそも、どこから過敏性腸症候群!?
過敏性腸症候群とは、腸の異常がないのにも関わらず、下痢や腹痛を長く繰り返す症状で、何度もオナラが出たり、吐き気や嘔吐、ゴロゴロを感じる方も多い疾患のことです。
・真面目で内向的なヒト
・ストレスを感じやすい若者
・男性より女性
これらのヒトに多い疾患です。ストレスを抱えがちな近年の若者には特に起こりやすい病気と言えます。頑張り屋が多い日本人ならなおさらです。
現在、最もよく使われる診断基準はローマIIIという基準です。
■ローマIII基準
・直近3カ月の間に、月に3日以上
お腹の痛みや不快感が繰り返し起こる。
かつ、
以下の3つのうち2つ以上の特徴を示す。
1. 排便によって症状がやわらぐ
2. 症状と共に排便の回数が増えたり減ったりする
3. 症状と共に便の形状が硬くなったり柔らかくなったりする
これらの条件に当てはまるときは過敏性腸症候群(IBS)の可能性が高いので、病院での相談をオススメします。これ以外でも頻繁に腹痛が続く場合は別の病気の可能性もあるので一度受診する事がオススメです。
過敏性腸症候群の原因とは?
正直に言って、過敏性腸症候群には謎が多く完璧には解明されていません。しかし、ストレスや不規則な生活習慣が原因とされています。
2017年に360認の過敏性腸症候群のヒトと268人の健康なヒトの腸内環境をまとめらた分析結果によると、過敏性腸症候群の患者の腸内環境はバランスが悪く、善玉菌が少ないことが分かっています。
この研究では、過敏性腸症候群の患者は、健康なヒトに比べて
・乳酸菌が少ないヒトの割合が、4.7倍
・ビフィズス菌が少ないヒトの割合が、8.3倍
と、かなり善玉菌のバランスが悪いことが分かりました。
過敏性腸症候群のヒトのうち、下痢を繰り返すヒトはもっと乳酸菌とビフィズス菌が少ないことも明らかになっています。
これらのデータから、過敏性腸症候群には腸内環境が密接に関わると考えられており、現在研究が急ピッチで進んでいます。
コチラの記事でも取り上げた通り、腸は第二の脳と呼ばれる程にストレスやうつ状態と密接に関連していることが分かっています。ストレスが大きな原因を与える過敏性腸症候群にも関連していると考えるのはごく自然なことです。
今まで推奨されてきた治療法は本当に正しいの?
1. 下痢止めについて
まずは冒頭にご紹介したストッパ下痢止めのような”下痢止め”は、一時しのぎにはなりますが、長期の使用はオススメしません。
なぜなら、下痢止めによって便を腸内に押しとどめてしまうことは、腸内細菌のバランスが壊れているのに便をそのまま腸内で発酵させるだけなので、原因解決には何一つ繋がっていないからです。もちろん大切なテストやプレゼンの時に使うのは止めません。痛みもある程度収まるので。しかし、あくまで”長期の使用はやめましょう”ということです。
下痢止めの多くにはタンニン酸ベルベリンという成分が含まれており、これが殺菌効果を示すのですが、この成分は別に悪い細菌だけを殺すわけではなく、善玉菌にも効くので、長期で使用することは腸内環境の悪化にもつながる可能性があります。
2. 低FODMAP食、FODMAPダイエット
FODMAPとは、
・Fermentable(発酵)
・Oligosaccharides(オリゴ糖)
・Disaccharides(2糖類)
・Monosaccharides(単糖類)
・Polyols(ポリオール)
頭文字を取って“FODMAP"のこと。
要するに低FODMAP食とは、これらの成分が腸内で発酵するせいでお腹のハリや、オナラの原因になるから、少なくすれば調子が良くなるよ!という発想のもと考えられた食事法です。
具体的には、FODMAPの多い、食物繊維や牛乳、ヨーグルト、マンゴーやはちみつ、キノコなどの食材を避けるという方法。
この食事法は今のところ、”潰瘍性大腸炎”や”クローン病”といった難病には有効だと言われています。
『過敏性腸症候群』についても有効なのですが、2013~2018年の研究を総括した2019年に発表された最新研究によると、低FODMAP食についての研究には議論の余地がまだまだあり、専門のトレーニングを受けた消化器の専門医や管理栄養士の指導のもと行っていない場合は、あまり症状を改善させない可能性があることが分かっています。
さらに、低FODMAP食の考え方から言えば避けるべきヨーグルト。つまりプロバイオティクスと呼ばれる善玉菌が、過敏性腸症候群を大きく改善するともいわれているので、低FODMAP食は自分で始めるには正直ハードルが高いです。
・消化器専門医の指導の下
・管理栄養士などのサポートを受けて
行う時にはとても推奨できる方法です。
これから試すべき方法とは?
低FODMAP食は条件付きでありという話をしてきましたが、それに一見反するようにも見える『善玉菌』こそ、私が推奨する方法です。善玉菌を積極的に摂ることを『プロバイオティクス』と言います。
そもそもオナラやおなかのハリが出てくるのは腸内で便が発酵してアンモニアやスカトールが大量に発生してしまうせいなのですが、これは悪玉菌が過剰発生しているときにおこりやすいのです。
腸内環境が正常になっていれば、過剰な発酵はかなり抑制できるためオナラや腹痛はだいぶ減ります。
2015年に行われた450人の過敏性腸症候群の患者のメタ分析によると、乳酸菌の一種であるラクトバチルス菌(ヤクルトに入ってるやつ)を飲んでもらった人達は、飲まない人に比べて、症状が改善したヒトが7.7倍も多かったというデータがあります。
さらに重要なのは、プロバイオティクスでは大きな副作用が発生していないことです。とにかく安全・簡単ということ。
他にも過敏性腸症候群に有効な善玉菌としては、ビフィズス菌が明らかになっています。大事な事は、これらの善玉菌を『いくつか組み合わせて摂ること』だと考えられています。
自分の腸内細菌をファミリーと考えて、ラクトバチルス菌(乳酸菌の一種)やビフィズス菌を始めとする善玉菌ファミリーを増やしてあげることで、悪玉菌のバランスを減らすのが大切ということです。
『ただヨーグルトを食べればいい、牛乳を飲めばいいと思っている人は間違っています。菌種がメチャメチャ重要なのです。』
菌種も考えてプロバイオティクス商品を探してみると一番よさそうなのはコレになります。
California Gold Nutritionのプロバイオティクスサプリです。
この製品は、5つのラクトバチルス菌と、3つのビフィズス菌が含まれています。先程伝えた2つの重要な善玉菌が入っていることになります。さらに、もう一つ伝えましたね。『いくつかの種類を組み合わせることが重要』ということを!!このサプリなら8種類の善玉菌を1日1カプセルで摂れるんです。
海外製なので安全性が心配かもしれませんが、私は日本製品よりこれが安全と考えています。その理由は2つ。
・1つ目:GMO基準をクリアしている事
GMO基準とは、厳しい製造基準の事です。意外と日本製品は基準を曖昧にしていることも多いので、私はこれが明記されていることは重要と考えています。
・2つ目:アルミのブリスター包装であること。
袋やカップにそのままカプセルが入っている製品多いでしょう?でも、あれって湿気や紫外線に対してノーガードなので、何からもサプリを守れていません。アルミブリスターは湿気と紫外線に対して強いパッケージ法なので、比較的安全性が高いと考えられます。
2カ月分で2296円なので、1日分=38円ですから、ちょっと試すにももってこい。
意味のないサプリを買う位なら、ここから始めてみるのをオススメします。酵素とか酵母とか、効くのか効かないのかハッキリした研究がほとんどありません。そういうのに高いお金を出すくらいなら、プロバイオティクスから試してみては?
調子が悪い状態が続くなら、専門医のもとで薬物療法や低FODMAP食を試していくことをオススメします。他の疾患があるかもしれませんから、放置は絶対ダメですよ。
引用
1.Liu, Hai-Ning, et al. "Altered molecular signature of intestinal microbiota in irritable bowel syndrome patients compared with healthy controls: a systematic review and meta-analysis." Digestive and Liver Disease 49.4 (2017): 331-337.
2.Ooi, Soo Liang, Dianne Correa, and Sok Cheon Pak. "Probiotics, prebiotics, and low FODMAP diet for irritable bowel syndrome-What is the current evidence?." Complementary therapies in medicine (2019).
3.Ford, Alexander C., et al. "Efficacy of prebiotics, probiotics, and synbiotics in irritable bowel syndrome and chronic idiopathic constipation: systematic review and meta-analysis." The American journal of gastroenterology 109.10 (2014): 1547.
4.Akram, Wasim, Navneet Garud, and Ramakant Joshi. "Role of inulin as prebiotics on inflammatory bowel disease." Drug discoveries & therapeutics 13.1 (2019): 1-8.
https://www.nipro.co.jp/sukoyakanet/47/
https://www.jsge.or.jp/guideline/disease/ibs.html
https://stoppa.lion.co.jp/product/stoppa/index.htm
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