【注意】電子タバコ・VAPEの害。死者42人、症例数2172人。
電子タバコ・VAPEの害による死者、肺疾患は急増している。
電子タバコやVAPEは通常のタバコと比べて安全性が高い。それは肺にダメージを与えるタールや一酸化炭素などがないからだ。そう言われて久しいです。しかし、電子タバコやVAPEによる害が疑われる健康被害の報告は、現在急増しています。
The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINEによってそのデータが公開されており、2019年12月13日時点の電子タバコ、VAPEを含む肺疾患の件数は
肺疾患の総数:2172人
死亡者:42人
そのうち、18歳以下~24歳までの患者が全体の54%を占めています。
現在普及しているVAPEが発売されたのが2014年頃なので、VAPEによる害は比較的早く発生してしまうことが疑われます。
この件数は、医療機関を既に受診していることや、VAPEや電子タバコとの強い関連が疑われる症例だけを含めた数値ですから、潜在的な患者はもっとたくさんいることが予想されます。
今回は、The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINEやnatureといった超有名学術誌による研究を用いてVAPEの有害性について考えていきます。
紙巻きタバコは体に良くないけど、VAPEならオッケーっしょ!と思っている方は知っておかないと後悔するかもしれません。必見です。
そもそも、なぜ電子タバコやVAPEが安全だと思われているのか?
まず、電子タバコやVAPEの煙には、確かにタールや一酸化炭素のような肺にダメージを与える物質は含まれていないといわれています。
『2015年』にイングランド公衆衛生局が出した報告書の中でも、電子タバコは従来のタバコの5%以下の有害性しか認められない。と報告されています。
これだけ聞くと、「お!体に害がないタバコ最高じゃん!」と思うかもしれません。しかし、『無害であるとは一言も言っていない・・・』ということは頭の片隅に入れておく必要がありますよ。
と、書くと
VAPE無害派のヒトが出してくる無害な証拠がもう一つあります。
2017年11月にScientific Reportsに掲載された研究でも、確かにVAPE・電子タバコ無害とされているのです。。。
(ベプログさんにはNatureに2018年7月発表された論文と書いてありますが、学術誌も発表時期も全くの嘘っぱちです。リンク間違えたんでしょうか?)
その内容は、”電子タバコ・VAPE使用を3.5年続けても肺機能をはじめとした健康被害はなかった。”とされています。
しかし、この研究は電子タバコ・VAPEを吸った人たったの9人と、非喫煙者たった12人を比較しただけの研究です。
世界に11億人いるといわれている電子タバコ・VAPEの喫煙者に対して、この小さな小さな研究だけを無害の証拠にするのは、あまりにも乱暴だと思いませんか?
これは個人的な推測でしかありませんが、私はもっと大規模な研究が行われた場合、これとは全く違った結果が出るのではないかと考えています。
これを裏付けるかのように、アメリカのイリノイ州が観測したデータによると、2019年の6~8月と、2018年の6~8月の重度呼吸器疾患の発生率を比較すると、2019年では2倍も高かったことが指摘されています。
VAPEや電子タバコ以外の要因もあるにはあると思いますが・・・2倍という急増は、VAPE・電子タバコ市場の急速な拡大と合致しているように思えてしまいます。
電子タバコ・VAPEによる肺疾患のカギ
肺疾患の総数:2172人
死亡者:42人
これらの患者の傾向をもっと詳しく見ていきましょう。
特に危ないのは、リキッドに薬っぽいものが含まれているヤツです。
・THCが含まれている症例:86%
・ニコチンが含まれている症例:64%
日本ではTHCは麻薬成分です。THCもニコチンも日本国内での譲渡は禁止されているものの、個人輸入をしている人がいるようです。
しかし、これらの成分は特に肺疾患や死亡のリスクを高めるであろうことがこのデータからは推察されます。できる限り避けるべきとしか言いようがありません。
CBDオイルについては集計されていませんが、同様に危険なリキッドであることに変わりはないように思います。
これらに関しては、まだデータが不十分でハッキリした物言いができないことをお許しください。しかし、近い将来必ずデータが公表されると思われます。
電子タバコ・VAPEで起こる害ってどんなものがあるの・・・?
今現在報告されている中で、最新のデータはやはり2019年のThe NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINEにて公表された53人を含む症例報告と思われます。
このデータは、電子タバコ・VAPEを使用し、肺に疾患が発見され、ほかの病気が原因ではなかった53人を、電子タバコ・VAPEによる害として報告しています。
この53人の年齢の中央値は19歳。うち32%は18歳未満と若い人のデータです。
・94%の患者が入院
・32%が人工呼吸が必要な状態に
・1人は死亡
・100を超える頻脈が64%
・発熱の訴えが81%、寒気が58%
・吐き気70%、下痢43%
・何らかの呼吸器系の症状98%
53人というデータはあまりにも少ないものですが、これらのデータが示すのは、決して軽視できるような軽い疾患が起こるわけではないということ。そして、若い人でも短期間でこのような症状を示すような可能性があるということです。
有害物質の原因として現在特定されている成分もたくさんあります。
・ニコチン
・プロピレングリコール
・グリセリン
・多環式芳香族炭化水素
・ニトロソアミン
・揮発性有機化学物質
・有毒金属
特に金属が肺に与える影響は大きいのではないか?と考えられていますが、現在はまだ結論は出ていません。
それでも、吸いたいですか?
電子タバコやVAPEは、紙巻きタバコよりは安全な可能性はあります。
しかし、結局『無害とは全くいえない』という事実を知っておく必要はあると思います。
商品を売れば、商売をしている人は儲かるワケですから、VAPEや電子タバコを売る人は、その無害性を主張するでしょう。
しかし、今現在のデータでは、安全性を確実に示すようなものはありません。それどころか、今後はVAPEや電子タバコの害についてのデータが蓄積され、さらに私たちを混乱させる状況になってくるでしょう。
VAPE・電子タバコが安全とする記事ばかりが目立っているので、私は”害”についての情報を記しておきます。それでも吸いたいヒトを止めることができるわけではありませんが、せめてリスクは背負った上で吸うのであれば、後悔も少ないかと思いますから、書いておこうと思います。
では!
ーーーーー おしまい -----
このnoteは、世界中の論文を読み漁ることが趣味の私が、普段の生活や健康、美容などについて、根拠に基づいた意思決定をするための知識を提供していくnoteです。
それ、もう根拠あるよ?
ということで無駄に悩む必要はありません。
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引用
Polosa, Riccardo, et al. "Health impact of E-cigarettes: a prospective 3.5-year study of regular daily users who have never smoked." Scientific reports 7.1 (2017): 13825.
Layden, Jennifer E., et al. "Pulmonary illness related to e-cigarette use in Illinois and Wisconsin—preliminary report." New England journal of medicine (2019).
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