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大海明日香
2020年9月21日 18:21
ブロッコリーをフォークで突き刺した瞬間だけはちゃんと生きているような気がしたし、いつかちゃんとしねるような気がした、ねぇモモ、わたしひとりでも、って、言いかけてやめて、モモのふわふわのからだをぎゅうっと抱きしめた。名前のないどうぶつに、モモ、と、名前をあげたのはわたし、けれど、モモをつくったのは、わたしでも神様でもないどこかのひと、だということにひどく安心したとき、わたしは、まだ、平均台の
2020年9月12日 20:35
ましかくの箱星、だきかかえてねむるはだ の まるさ四隅にはうんとおおきな余白があって余白というのはつまりつまり眠れずにむかえた朝日でカーテンをあけられない真夜中できみが洗濯物をほすハンガーのしなりだった いつか信号がましかくになったらそのときはいっしょに横断歩道を渡ろうね、点滅するあおに名前をつけてはしろうね、ぼくたちの箱はどんどんどんどん小さくなっていくって嘘をつい
2020年9月5日 18:08
オレンジのワンピースには羽根がはえている、のに、わたしにはそれが見えないので、あぁ、あの夜、ちぎれてしまったのだと思った。堕ちてしまったのだと思った。風がひどくなまぬるくて、愛みたいに霧がかった夜だった、女の子がひとり、しんだ夜のことだった。 羽根もひれもなくってわたしたち、どこへ逃げられるというの、馬鹿みたいにあかいネイルがワンピースとちぐはぐになって目眩がする、均衡のとれないものはみ