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深夜、堕落したブルーライト、ぼくら勝手に孤独になって輪廻。

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散文詩/自由詩まとめ。
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2020年9月の記事一覧

わたしのモモ、わたしたちのモモ。

 

ブロッコリーをフォークで突き刺した瞬間だけはちゃんと生きているような気がしたし、いつかちゃんとしねるような気がした、ねぇモモ、わたしひとりでも、って、言いかけてやめて、モモのふわふわのからだをぎゅうっと抱きしめた。
名前のないどうぶつに、モモ、と、名前をあげたのはわたし、けれど、モモをつくったのは、わたしでも神様でもないどこかのひと、だということにひどく安心したとき、わたしは、まだ、平均台の

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しろねこには星型のあざがあり

 
ましかくの箱
星、だきかかえて
ねむるはだ の まるさ
四隅にはうんとおおきな余白があって
余白というのはつまり
つまり
眠れずにむかえた朝日で
カーテンをあけられない真夜中で
きみが洗濯物をほす
ハンガーのしなりだった
 
 
いつか信号がましかくになったらそのときはいっしょに横断歩道を渡ろうね、点滅するあおに名前をつけてはしろうね、ぼくたちの箱はどんどんどんどん小さくなっていくって嘘をつい

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グッドラック・真夜中のルシファー

 
オレンジのワンピースには羽根がはえている、のに、わたしにはそれが見えないので、あぁ、あの夜、ちぎれてしまったのだと思った。堕ちてしまったのだと思った。風がひどくなまぬるくて、愛みたいに霧がかった夜だった、女の子がひとり、しんだ夜のことだった。
 

羽根もひれもなくってわたしたち、どこへ逃げられるというの、馬鹿みたいにあかいネイルがワンピースとちぐはぐになって目眩がする、均衡のとれないものはみ

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