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深夜、堕落したブルーライト、ぼくら勝手に孤独になって輪廻。

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散文詩/自由詩まとめ。
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2019年6月の記事一覧

フロストシュガーならゆるしてくれたのに

窓の向こうがやけに明るく見えて、それでもレースの遮光カーテンは自分の味方だと信じてやまない。明け方の涼しい風、想像しただけで泣きたくなるような柔らかさと冷たさに、怯えるなよ、サンダルをつっかける冷静さとスマートフォンをつかむ卑怯さだけで、カーテンも生ぬるい布団の重たさも誠実に裏切ってしまえよ。

スヌーズ機能つきのアラーム、まぶたを持ち上げるだけで泣きたくなるような気圧にそれでも涙は眠る、眠らせ

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きみは造花を髪にさすけど

ろくがつは視界をにごらせるから
簡単にあしをすべらせる
水たまりはとても深く
ことし
紫陽花を見かけていないので
永遠をしんじてしまいます
濡れた皮膚は乾くことなく
尾びれにかわることもなく
おなじ悪夢を見続けて
またどしゃ降りの朝を
嫌うような永遠を

はれた日の朝の無常を
憎らしく思ったときのこと
ぼくら都合よく忘れるし
落ちる雨を
音楽にしたりするのに
重たくなった布
捨ててしまいたくなっ

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金魚鉢には毒を溶かして

強いアルコールも味のうすい煙草も朝になれば消える快楽もどうせ愛の代わりにはなんないからいらない、失望がおそろしいから期待できずにいます、なのに、お砂糖のその甘さだけに依存しています、裏切られてもいいと思えるくらい満たされてしまうのです、あぁ、確か恋ってそういうもんだったっけ。

好意って液状らしいよ、好き、好き、好き、息もつけず繰り返すうちに落ちる唾液を見て気づいたの。
それなら熱帯魚の水槽をそ

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