きみは造花を髪にさすけど


ろくがつは視界をにごらせるから
簡単にあしをすべらせる
水たまりはとても深く
ことし
紫陽花を見かけていないので
永遠をしんじてしまいます
濡れた皮膚は乾くことなく
尾びれにかわることもなく
おなじ悪夢を見続けて
またどしゃ降りの朝を
嫌うような永遠を

はれた日の朝の無常を
憎らしく思ったときのこと
ぼくら都合よく忘れるし
落ちる雨を
音楽にしたりするのに
重たくなった布
捨ててしまいたくなって
いつもあの花の赤さを
手折りたくなるから

はやく紫陽花に会いたいのです
永遠に似たすべても
枯れるまでそばにいたいのです
うつりゆくすべても
うつくしさなどみんなみんな
濡れた紫陽花に教わりたいのです





#詩 #poem

生活になるし、だからそのうち詩になります。ありがとうございます。